大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2017年10月12日(木)夜回り・大阪城公園よろず相談瓦版

 11日午後5時20分頃に沖縄県東村高江で米軍のヘリコプターが墜落し、炎上しました。ところが、本土のマスコミは「不時着」と伝えています。昨年12月に名護市沖に墜落したオスプレイのことも、本土では「不時着」と伝えられました。現場の写真や現地マスコミの報道を見ても、墜落であるのは明らかです。

 今回ヘリが墜落した東村高江は『標的の村』という映画で知られています。反対運動も虚しく村の集落を取り囲むようにヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)が作られました。米軍が訓練をする際、本物の人家を「標的」にする方が「やりやすいから」です。

 映画では、オスプレイ配備に反対して普天間基地のゲート前に座り込む沖縄県民が、警察に強制排除される場面も出てきます。これは過去に大阪で起きた行政代執行によるテント村の強制撤去にそっくりでした。

 野宿者にしか向けられない暴力が沖縄では一般市民にも向けられるのでしょうか。それとも、沖縄では一般市民に向けられる暴力が本土ではさしあたり野宿者にしか向けられていないのでしょうか。しかし、どちらも普通の人たちに向けられた暴力にほかなりません。当事者ならぬマスコミもまた、中立をかくれみのに暴力をふるう側を守っているようです。

2017年9月28日(木)夜回り・大阪城公園よろず相談瓦版

 9月16日から17日にかけて「全国地域・寄せ場交流会」が京都の左京区の山の上の関西セミナーハウスというところで行われました。

 毎年各地で開かれている交流会で、野宿や貧困の問題に取り組む全国の人が集まります。もちろん当事者もたくさん来ています。去年からソフトボール大会で交流を続けている名古屋勢とも会うことができました。次回は12月3日(まだ予定)大阪で!!と宣戦布告をしてきましたよ!

 今年は大阪から、長居公園扇町公園大阪城公園の3公園で夜回りなどの活動をしているグループのメンバーでアルミ缶回収規制条例について話し合う部会を持ちました。大阪城からも現役でアルミ缶回収をしている方を半ばむりやり誘って、発言していただきました。
 印象的だったのは、京都では2010年に反対の声をあげたけれども、条例化されてしまった。その時に正業を失った人たちに対して施設などを経由しなくても生活保護を受けられるようにしたそうです。そのために多くの人がテントや小屋をたたんで畳にあがったということです。食い扶持を奪われたために、自力での暮らしが成り立たなくなり、生活保護を受ける決断をせざるを得なかったということでした。この話は、大阪でテントを排除するときとよく似ていると思いました。

 また、今日までは日常的な営みであったアルミ缶を集めて売って食べ物やお酒、たばこを買う、といった行動が条例ができた時から犯罪として見られるようになってしまうという問題もあります。その辺の住民が集めている人を見て快く思わなかった場合に警察に通報したりして、トラブルになったりなどもあるそうです。しかし、寿の労働組合の人は、条例ができたときは一時厳しくなるが、そのうちなんとなく落ち着いてくる……と言っていました。条例ができた地域でもアルミ缶を集めている人はいなくなっていないということでした。アルミ缶を集める人が野宿の人だけでなく低所得者層にまで広がり、生きていくための手段として行われている以上、しかもゴミの分別というリサイクルに役立っているという側面もあるわけですから、そこまで目くじらを立てなくても……と、落ち着いて考えてみたら落ち着くのでしょう。

 ただ、条例は全国に広がっており、大阪でも勢いづいています。古紙についてすでに可決され、10月から施行されます。なにかあれば情報交換していきましょう。

 

2017年9月23日(土・祝)寄り合い──秋の持ち寄りごはん

 今月は日曜日によろずメンバーの都合がつかなかったため、23日(土)、秋分の日に寄り合いを持ちました。特に秋の味覚というわけではありませんが、いつもの持ち寄りごはんです。

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 全体的に色味が茶色っぽいですが、右上の丸い器はゴーヤとじゃこを煮たもので、苦味と旨みがマッチしていました。

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 レタスの入った焼きそばは美味しいです。レタスが余った際にはぜひ焼きそばを。

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 真っ赤なキムチにご注目下さい。大阪城公園のSさんと交流のあるキムチギャラリーの社長さんが、商品のキムチをたくさん差し入れして下さいました。

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 このキムチがとても美味しくて、「辛すぎる一歩手前の絶妙な美味さ」とでも申しましょうか、キムチだけがおかずでもご飯が進んでしまいそうです。

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 この日は、これまたSさんの知人である詩人の里みちこさんが、お友だちを連れて市民の森にいらっしゃって、よろずのメンバーもしばし歓談に加えていただきました。

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 野宿者がいる公園は、どんな人でも受け入れる懐の深さを持った公園です。そんな公園だからこそ、地域や職場、学校では得られない出会いがあるのです。

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 森ノ宮駅側入口の水路は、水を抜かれてもう丸2年になろうとしています。この間、無粋な看板が景観を損ねていただけです。大阪城パークマネジメント事業は金儲けの口実に過ぎないことがみて取れます。

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 管理主義と商業主義が手を握って私たちの生きる場所を狭めていることに気づいて欲しいと思います。この世界にムダなものなどなく、「ムダなもの」を作り出す仕組みがあるだけです。

里みちこ メメント・森の言の葉展

 2017年10月17日(火)〜11月12日(日)に京都市で開催される里さんの展示会のご案内をいただきました。ご本人による詩がたりも予定されているようです。以下に詳細を掲載いたします。

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2017年9月18日(月・祝)第11回哲学読書会『笑い』(1)

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 今回の哲学読書会はいつもより早めの時間、2017年9月18日(月・祝)の16時から、西成区山王2丁目の高架下にある揚羽屋をお借りして行いました。

 大阪城公園のKさんセレクトで、平凡社ライブラリーベルクソン『笑い』を読みました。これまでの本と比べると、やや難解で、「解説を先に読んでしまったら、本編を読みきれなかった」ということも。しかし、「笑い」について考えはじめると、いろんな「笑い」について議論が及びます。「笑う門には福来る」のようなことわざを見て行くと、「来年のことを言うと鬼が笑う」とか、「今泣いた烏がもう笑っう」といったものがあります。

 前回から参加して下さっていて、今夜は時間をまちがえて遅れて来たOさんは、キリスト教の牧師らしく、ルカによる福音書の「今泣いている人々は幸いである。あなたがたは笑うようになる」という一節をレジュメに引いて来てくれました。ウンベルト・エーコの『薔薇の名前』という小説にもあるように、キリスト教では笑いが良くないものとして扱われているとKさんが話してくれた矢先だったので、Oさんにお訊きしたところ、新約聖書でも笑いが出てくるのはここくらいだそうです。

 平凡社ライブラリーの『笑い』には、フロイトの「不気味なもの」というエッセイも含まれていて、ベルクソンフロイトを合わせて論じたジリボン「不気味な笑い」という文章が収録されています。今回はベルクソンしか語れなかったので、次回は残りのフロイトとジリボンの文章について話すことにしました。

 次回は2017年10月29日(日)の18時から揚羽屋で行います。関心のある方がいらしたら、飛び入りでもご参加下さい(急な変更がある場合も考えられるので、よろずのメールやツイッターなどにご連絡いただけると確実です)。

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2017年9月14日(木)夜回り・大阪城公園よろず相談瓦版

 路上から見えるものを教えてもらって、あれこれ気づかされることが あります。太陽の広場を占拠し、今年で 2回目となったスライダープールは、その 終盤に毎夜、 狂乱 のDJステージとなりました。いったいプールに人が集まっているのか、クラブイベントに人が集まっているのか、わかったものではありません。大阪城公園駅前でかつて行われたビアガーデンイベントでは、屋台のくせに飲み物も食べ物も高価く、来場者から不満の声が上がっていたことを聞きました。

 「集客数」を上げることが第一となると、その中身は顧みられなくなります。「⻄成特区構想」では、衰退を示す根拠の一つとして⻄成区の高齢人口をあげています。釜ヶ崎を中心として高齢者が生活保護を受けていれば、高齢人口が増えるのは当たり前です。また、⻄成区だけ切り取って「衰退している」と問題視するのもおかしな話です。また、その対策が「特権的な小中一貫校を作って子育て世帯を呼び込む」になるのも変です。ごちゃまぜにして数字に置きかえて目をくらませる錬金術はいずれ不良債権を生むでしょう。

2017年8月31日夜回り・大阪城公園よろず相談瓦版

 こんばんは。大阪城公園よろず相談です。

 いつの頃からか、スマートフォンを持っていると、Jアラートという警報が頻繁に一斉送信されてくるようになりました。これは2007年から消防庁が運用しているシステムで、人工衛星と市町村の防災無線を利用して緊急情報を伝える「全国瞬時警報システム」の通称だそうで、地震津波、弾道ミサイルの発射など、すぐに対処しなくてはならない事態が発生した際に、国から住民に直接、速やかに情報を知らせることを目的にしているとのことです。

 火曜日の早朝、このJアラートが鳴りだしました。北朝鮮のミサイルが日本の上空を通過。そしてテレビの帯入りの緊急ニュースです。戦争勃発? いやいや、戦争勃発時の予行演習?? にもかかわらず、警報を即座に消してのんきに惰眠をむさぼってしまった私です。

 目が覚めて外に出ると、盛夏を過ぎたのを感じるのです。暑さにパンチがなくなった。なんとか今年の夏も生き抜いた……やれやれ。

 しかし、なんだかこのJアラートというのは気持ちが悪い。「国」から「私」に直接メールが届く。周囲に誰もいない。その情報が正しいものかどうか、どうやって判断できるのだろうか? テレビやラジオ? ツイッター? 外に出てみる? できることは意外に少ないかもしれない。寝るしかないかもしれない。しかし、逃げろ、とか家から出るなとか具体的な指示になってきたら言うことを聞いてしまいかねない。

 とにかくしょっちゅうこのJアラートが鳴るので、次第に慣れてきて、暴風警報が出たから学校休みだとか、この情報をもとに行動することが日常的に鳴り、そこへミサイル情報も混じってくると、普通に、ああ、ミサイルか、危ないな、どこらへん? 北海道? なら大阪は大丈夫か、なんて言っているうちに国家の意図する通りにコントロールされてしまうような気がします。

 よろずは、できればやはり夜回りや寄り合いを通じて直接顔を突き合わせて話をしたり情報交換したりして、判断・分析するなど、情報に踊らされず賢く生きていくための場でありたいものです。今後ともよろしくお願いします。

「資源ごみ回収規制条例」分科会を終えて

 先日お知らせしたように、2017年9月16日(土)・17日(日)の両日開催された第34回全国地域・寄せ場交流会にて、大阪の3団体主催で資源ごみ回収規制条例に関する分科会を担当しました。分科会が全部で7つあり、また交流会全体の参加者数も限られるという中で、どのくらい参加者があるか不安がありましたが、横浜、京都などからもご参加いただき、いろいろ具体的なお話を聞くことができました。

アルミ缶回収労働者の思い

 1日目は大阪城公園からも3人の当事者が参加してくれました。京都からも、アルミ缶回収規制条例が施行された時期を知っている当事者の方が参加して下さいました。地域間で当事者同士の経験談を交換する機会ともなり、全国地域・寄せ場交流会ならではの良い場を持てたと嬉しく思います。

 京都ではアルミ缶規制条例の施行を理由とした生活保護の受給を認めるといった働きかけが行政からなされていたそうです。自分なりに区切りをつけてアパートに入った人の中には、「人生を中断させられた」という思いを捨てきれずに暮らしている人がいます。廃品回収で暮らしを成り立たせている野宿者は、「これで食べている」という気概があります。「資源ごみの日の朝となったら、気合いが入るからね」と分科会に参加した当事者同士でうなずきあう場面もありました。

「犯罪者」を作り出す仕組み

 資源ごみ回収規制のもっとも大きな問題は、それまでは何の問題もなかった行為を、条例一つで犯罪にし、「犯罪者」を作り出してしまうところにあります。

 市民の中には資源ごみ回収で暮らす野宿者に対して屈折する思いを抱いている人たちもいます。その人たち自身も決して楽な生活をしているわけではなく、自分が散々働いたうえで、ささやかな楽しみとして発泡酒を飲む。資源ごみとして出したその発泡酒の空き缶を持っていかれると、自分の我慢と努力の上前をはねられたような気持ちになるようなのです。

 資源ごみ回収規制条例が設けられる背景の一つとして、地域による資源ごみ回収の広がりと、回収業者による大規模で私的な回収行為の問題視があります。しかし、実際に条例が施行されてみると、トラックで回るそのような業者は取り締まられず、野宿者がスケープゴートのように吊し上げられることになります。資源ごみ回収規制条例は、市民が野宿者を攻撃するためのお墨付きと「武器」を与える結果となります。

手を結ぶ二つの「合理性」

 近年の大阪市政を見ていると、公共領域を営利企業が利用する便宜を図り、商業化する方針が強引に推し進められています。これと同時に住民自治の強化が謳われており、資源ごみ回収規制条例は住民自治活動との関わりを理由として制定されました。これは、本来行政が担うべき領域のうち、商売になる部分は営利企業に提供し、あまり利益の出ない部分は地域に押し付けるものです。そう考えれば、これらはプライバタイゼーションの裏表両面であり、一体の思想として機能していると考えられます。そして、この二つのプライバタイゼーションが、ジェントリフィケーションやクリミナイゼーション(貧困の犯罪化)と共振していくのです。

 グローバリゼーションが進展する中、これまで社会を支えていた規範が揺らいでいきます。グローバリゼーションとともに語られる「新自由主義」では、規制緩和の必要性が強調されます。規範が揺らぐ社会の中で、「何でも収益を上げる手段にしたい経済的な合理性」と、「何でも管理しておきたい官僚主義的な合理性」とが、数少ない確固たる判断基準であるかのように存在感を増していきます。そして、この両者が手を組んで公共領域を破壊し、市民を金儲けと管理の道具として支配しようとしている構図が見えてきます。

第三の「合理性」を探るヒント

 分科会の中で、「資源ごみ回収で生活する野宿者に、資源ごみ回収を公認する腕章を配れ」と行政に提案したという横浜市の経験を聞きました。そうすれば、地域による集団回収はともかく、行政回収の分については、回収コストも浮くし、当事者も犯罪者扱いされずに生計を立てられます。この提案は受け入れられなかったとのことですが、アイデアとして面白いし、ある種の合理性を持っているように思います。即物的な合理性にわれわれの生活圏や公共領域が侵犯されている現状に対して、誰も不幸にせず、つながりを作り出すもう一つの合理性を生み出す道を示唆していると言えないでしょうか。

 マクロな排除の構造を読み解き、また、排除に抗する共同性を生み出していくためには、個々の現場で直面している状況、経験した事例をつぶさに見ていくことが必要です。合理性のほころび、ロジックが破綻するポイントをこれらの事例は教えてくれます。無力さに飲まれず、現実を見つめることによって見えてくるものを私たちの力に変えていけば、いつか道を切り開くことができるはずです。

 それゆえ、このような交流の機会を大切にし、今後もこのような場を持っていければと思います。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

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