大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2018年10月22日(土)第12回「センターの日」──未来を語るのもいいけれど

いつもの焙煎と古本放出

 涼しくなってきたこともあってか、コーヒーは5回焙煎して、前回を上回る方に飲んでいただきました。長い列を見て、リピーターと思われる方の「ここのコーヒーは時間がかかるのがなあ……。でもうまいけどな!」というひと言が笑いを誘いました。

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 この日は「焙煎をしたい」といって北九州市から知り合いが駆けつけてくれたり、ある大学の先生に連れられて学生さんが参加してくれたりしました。

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 古本の放出も好評で、「この本は出ないだろう」と思っていた『ギリシャ悲劇』4巻本と『論語』を見つけてよろこんで持っていかれた方もおられました。「読書の秋」でもなくなっていきますが、古本の放出はもう少し続けてみようと思います。

「いつまで続けるの?」

 ビラを片手にお休みのところにお邪魔してお話も聞かせていただいています。「若い人が来てなんかやってくれるのはええとと思うわ」「けど、あんたらのこういう取り組みがどういうものかがはっきりするのは3月に閉鎖された後ちゃうか? 」とある人の言葉。

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「センターが閉鎖されることについてあれこれ考えても仕方がない。それよりも5月の10連休をどうするかをみんな気にしている。特掃もなくなるだろうから、そのあいだどうやって食いつないでいけばいいのか。本当はどこかの運動団体がそういうことを言っていってくれんとあかんわ」

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「そういう意味でも3月以降あなたらがどうするかが見られる。そのあとどうするかじゃないんかなあ」

繰り返される言葉

 「閉鎖されて追い出されてもこっちが悪いんやからどうしようもない」という言葉もよく聞きます。こんな生活してきてこんな状態になっただけで、自分たちが悪いのだと。

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 シェルターから出された後、寒い時期は禁酒の館も早くから開けてくれるけど、禁酒の館にずっといるのも気づまりです。「そういうのが嫌な人もおるよ、わしらみたいにそういうのが嫌な人間はここにおるわ」。

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 センターが閉鎖されれば困るのは当たり前。しかし、悪いのは自分たちだからと、いわゆる世間のまなざしというものはあるでしょうが、それが繰り返し労働者の口から出るのは自分で自分を呪詛しているようです。

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 この「呪い」は社会全体にうっすらとはびこっていて、首を絞める呪いを作動させる呪文を当の本人が唱えさせられているというふうに、ねじれたことになっているように思われました。

未来を語るのもいいけれど

 西成特区構想のまちづくりの中では、さまざまな未来像が語られます。それは大切なことかもしれません。しかし、釜ヶ崎の労働者は一日一日を乗り越えていく現在を生きています。

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 センターがなくなると困る。明日からでも困るのだから、「今のままのセンターを残してくれ」というが労働者の切実な願いではないでしょうか。

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 未来のことを語り、参加することを強いる人びと、参加を強いられる人びともまた呪われているように感じられます。

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 現在を理解して認めてくれない未来の構想に私たちの居場所があるのでしょうか。

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「どこ行けいうんや!」「ここに居させろ!」

それだけでも十分に尊重されるべき意見であるはずです。

2018年10月25日(木)夜回り・秋の運動会シーズンに思う

 こんばんわ。よろず相談です。

 秋といえば運動会ですが、先日の夜回りで、昨今の運動会について話題になりました。

 最近は春にやるらしいな、とか、弁当は親と食べられないらしいな、とか。

 それでもまだ、運動会の話をすればジェネレーションギャップもあるにはあるものの、毎年のように日本全国で行われ、地域を賑わしています。私は団塊ジュニアで、アラフォー(もはやアラフィフ)ですが、昔と今とで変わったといえば、とにかく子どもの人数です。

 少子高齢化と言われて久しいですが、今や学年ひとクラスはあたりまえで、全校生徒100人足らずという学校もめずらしくありません。ひと学年20人しかいない学年もあります。すると、とにかく運動会が寂しいのにはびっくりします。特に騎馬戦が6騎ぐらいしかないので、団体戦でも3対3であっけなく終わってしまい、盛り上がる間もありません。応援合戦も少人数なので迫力がいまひとつ↷。

 そうそう、数年前にケガが多発していると組体操が社会問題になり、人間ピラミッドの高さを制限するようになったのは記憶に新しいですね。高度な技を追求せず、チームワークと芸術性を重視した演出に先生の工夫が忍ばれます。徒競走では男女混合で走ってる、昔からこうだっけ?と思うこともあり、また学校によりけりでしょうが、昔ながらに親戚一同レジャーシートに重箱並べて盛り上がっているファミリーもいます。ソフトヤンキーという種族が、最もイケてる感じで、ちょっとしたキャンプ用品一式揃えてグラサン掛けて、子どもに声援を送ってるわけですが、これがまた大阪!「飛龍!いてかましたれやっー!!」・・・別にええねんけどね、、。

 いまだに違和感を感じるのは、ビデオ席というやつです。保護者のためのビデオ席が用意され、自分の子どもの出番になると、ズラ〜っと、親がビデオを構えて並んで、これがなんだかバカげた感じがしてしまいます。社会の秩序ってそんなに? 我が子撮りたさに、目がギラギラした親が整列した集団の方が逆にすごいドキュメンタリーやけど…。

 子供の頃は運動会の練習がとにかく、いやでした。特に行進の練習など、指先までピシッとのばさんか!とか、先生たちの激烈な指導には内心やれやれでした。
まあそんなこんなで、みなさんも運動会といえば遠い昔の思い出があるかもしれませんね。

 年をとってくると涙もろくなるといいますが、確かに今年は運動会の雰囲気の中にいるだけで、胸がいっぱいになってしまいました。なんでやろーね?

 秋の深まりにともなって寒暖差が大きいので、風邪を引かないように気をつけましょう。また、冬に備えてしっかり栄養をつけときましょう!

 

2018年10月21日(日)寄り合い── 金儲けが直接的な排除に

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 メンバーのスケジュールの都合で、8月に続き今月も「センターの日」と連日の寄り合いになりました。

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 野菜は少ないものの、鳥レバーやキノコのマリネなど、味わいは豊富な品揃えとなりました。

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 フランス産のブルーチーズをフランスパンとクラッカーにのせて食べました。

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 マグロの漬けかと見まごう鮮やかな赤色の甘酸っぱいジャムと一緒に食べるとチーズの風味が引き立ちます。差し入れのチリワインと一緒に楽しみました。

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 Kさんがムカデとアリ避けに自分の寝るベンチの周りを念入りに掃き清めていることは知っていましたが、寄り合いの時にテーブル代わりにしている石台の周りをAさんがきれいに掃いてくれていることは知りませんでした。

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 雨の日も風の日も缶拾いを休まないAさんの働き人の手をご覧ください。

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 市民の森の倒木は、ところどころ処分に着手しているようですが、まだまだ傾いたまま放置されたままの大木が目立ちます。

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公園を踏み荒す商業イベント

 そんななか、またもや公園の一部を商業主義で占拠する企画が発表されました。

大阪市:報道発表資料 大阪城公園 夜の森を彩る「SAKUYA LUMINA(サクヤルミナ)」事業を開始します

ABCテレビ「大阪城公園に新観光名所「ルミナナイトウォーク」最新作 映像と音楽に包まれ幻想的な“夜の散策”」10/19(金) 20:11配信 - 大阪城公園よろず相談

 「夜の公園を活用する」と言えば聞こえはいいものの、要は観光客向けのアトラクションです。リピーターがつくとも思えない一瞬の盛り上がりのために公園の一部が3年間も単なる遊園地にされてしまいます。

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 吉村市長はいつものように「どうだすごいだろう」と鼻息荒く自慢していますが、派手なものにはそれだけのお金が投じられているということです。そしてその元手は大阪城公園という広大な公共空間を犠牲にして捻出されているのです。

THE PAGE大阪「アンバサダーの渡辺直美が吉村崇とアフレコに挑戦で盛り上げ 大阪「サクヤルミナ」12月オープンへ」10/19(金) 13:13配信 - 大阪城公園よろず相談

 また、委託事業の中身に対して大阪市長が我が物顔で語るのもそもそもの筋からして奇妙な光景です。大阪市は事業を委託しているのではなく、「協力」していると吉村市長は言ってしまっています。民間の特定の営利企業に対する便宜をはかっている構図を自ら認めているのです。PMO事業における公私の癒着は相当なものと思われます。

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 この手の企画が今後も手ぐすね引いて待ち構えていることはまちがいありません。来年2月完成予定という劇場と連動して、公園を縦横に踏み荒らしていくでしょう。

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 私たちはふつうに街を歩いているだけで無理やりテーマパークの敷地内に引きずり込まれるようになります。また、それとは逆に、自由に出入りできていた場所から、部分的にではあれ、締め出されるといったことも起きてくるでしょう。

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 かつての排除は金儲けの準備のために行われるものでしたが、今や金儲けが直接的な排除となる体制に私たちの生活そのものが落とし込まれてしまっています。

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THE PAGE大阪「アンバサダーの渡辺直美が吉村崇とアフレコに挑戦で盛り上げ 大阪「サクヤルミナ」12月オープンへ」10/19(金) 13:13配信

大阪「サクヤルミナ」12月開始 アンバサダーの渡辺直美が吉村崇とアフレコ挑戦

 撮影・編集:柳曽文隆 THE PAGE大阪

 大阪城公園で12月15日から開催される体験型ナイトウォーク「SAKUYA LUMINA(サクヤルミナ)」の発表会見が19日午前、大阪市内のホテルで行われ、サクヤルミナアンバサダーの渡辺直美大阪市の吉村洋文市長をはじめ多くの関係者が出席し、開催に向けての意気込みを語った。

幻想的な光や音、映像を取り入れた体験型のナイトウォーク

 サクヤルミナは、大阪城パークマネジメントと吉本興業電通グループが共同出資する会社アルカナイトが、大阪城公園でナイトエンタテインメント事業を行うもので、カナダのモントリオールを本拠地とするデジタルアート集団「Moment Factory」が開発する体験型のナイトウォークだ。

 このナイトウォークは世界各地で開催され今回は9作目の最新作。開催地が持つ固有の文化や美しい自然などを盛り込み、幻想的な光や音、映像などを取り入れているという。

吉村市長「古き良き文化と最新のもので新しいイノベーション生まれる」

 会見冒頭には、大阪市の吉村市長が「大阪城公園大阪市の管理地ではありますが、民間のみなさんの力を最大限に発揮していただき、協力させていただいています。大阪城公園も様変わりしつつあるのかなと思っています」とあいさつ。

 「天守閣の入場者数が3年連続過去最高を記録しており、入らない人を含めると1000万人を超える方が大阪城公園で楽しんでいただいている。ただ夜の大阪城公園を十分に活用しきれてないのは問題であると思います。そこでルミナがやってきてくれるのはうれしいこと。公園が持っている古き良き文化と最新のもので新しいイノベーションが生まれると思います」と続けた。

 また、オープン前のプレイベントでの大阪市民の無料招待や、オープニングを記念した特別料金を期間限定で実施したいと話していた。

「世界に笑いを広げるということにインスパイア」

 会見では「サクヤルミナ」を開発したMoment Factoryの関係者も出席。「大阪の人々のフレンドリーなキャラクター、大胆さ、そしてイノベーションに対する情熱、常に前を向いている姿勢、吉本さんがミッションとしている世界に笑いを広げるということにインスパイアされています」と説明した。

渡辺直美と吉村崇が公開アフレコに挑戦

 また、大阪城公園が舞台の9つの章からなる物語を来場者が足で辿るナイトウォークで多様なメディアを使いながら、大阪城公園の土地ならではのユニークな体験を生み出すことから、会見に出席したアンバサダーの渡辺直美と、司会を務めた平成ノブシコブシの吉村崇が、実際に登場するキャラクターのアフレコに挑戦する一幕も。
 渡辺と吉村は、報道陣らが見守る舞台で、それぞれの持ち味を出しながら会場に映し出されたアニメ映像に合わせてキャラクターを声で演じきり、会見場を沸かせていた。

 サクヤルミナは、12月15日から3年間の常設を予定している

アンバサダーの渡辺直美が吉村崇とアフレコに挑戦で盛り上げ 大阪「サクヤルミナ」12月オープンへ(THE PAGE) - Yahoo!ニュース

ABCテレビ「大阪城公園に新観光名所「ルミナナイトウォーク」最新作 映像と音楽に包まれ幻想的な“夜の散策”」10/19(金) 20:11配信

大阪城を光や映像で彩る 体験型の“夜の散策”

 大阪城公園が、この冬、光や映像で彩られます。幻想的な夜の散策を楽しめる新しいスポットが誕生します。

 大阪城公園にオープンするのは「SAKUYA LUMINA(サクヤルミナ)」。世界中で楽しまれている「ルミナナイトウォーク」シリーズの最新作です。今回は、大阪城公園を舞台にした冒険の物語で、幻想的な光や音・映像で彩られた公園の中を実際に歩いて体験することができます。19日午前、大阪市内で発表会見が行われ、アンバサダーに就任したタレントの渡辺直美さんや、大阪市の吉村市長らが駆けつけました。吉村市長は「夜の大阪城公園が十分に活用しきれてない。そんな中で世界のルミナがやってきてくれるというのは、非常にうれしく思います」と話しました。「SAKUYA LUMINA」は、12月15日から3年間の常設を予定していて、前売り券は20日から販売されます。

大阪城公園に新観光名所「ルミナナイトウォーク」最新作 映像と音楽に包まれ幻想的な“夜の散策”(ABCテレビ) - Yahoo!ニュース

第12回「センターの日」のお知らせ

 第12回「センターの日」を10月20日(土)14:00〜17:00に行います。

 前回好評だった読書の秋企画は引き続き行いたいと思います。読まなくなった文庫本があればお持ち下さい。

 今回は焙煎見習いを募ってみようと思います。また、こんなことをやってみたい、やってほしいという企画案もお尋ねしてみようと思います。

 まじめなことからバカバカしいことまで、これまでにないことにチャレンジしていきたいと思います。

 あいりん総合センターは国道を挟んでJR新今宮駅の向かい側(西寄り)にあります。「センターの日」はあいりん総合センターの1階北側でやっています。

 これまでの報告はこちらから(第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回)。

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2018年9月15日(土)第11回「センターの日」──頼まれもせずあるがままに

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 今回は読書の秋ということで文庫本を中心に古本を用意して放出しました。歴史物とミステリーが人気です。

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 何がどうしたのか、14時に開始するやいなやコーヒーの列が途切れず、最終的に70杯近くにもなりました。もうかき氷の季節ではないだろうと思ったのですが、「かき氷なくて残念やなあ」という方もおられました。

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 今回は運営側の人数が少なかったので、1階と3階一人ずつでお話を聞いてまわりました。聞き取りは決まってネガティブな言葉ではじまります。

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 最初にお話をうかがったお二人も「今さらそんなことやっても意味ないよ!」と言っていました。しかし、こういうことをいう人はわりと話を聞かせてくれます。「けど、トイレが困るで」──一度に1000人の早朝求人が可能な規模で設計されたというだけあって、センターには広いトイレが4箇所もあります。仮移転先のセンターにこれだけのトイレが用意されるとは思えません。最初は「反対してもムダ」と言っていたのに最後には「けど、なんか言わんとあかんで」と言ってくださったのはリップサービスでしょうか。

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 次の方からは、センターの労働者の話を聞きたいと言うと「自分は労働者じゃないから」という答えが返ってきました。「こういうことをやるあなた方の心がけはすばらしいと思うけど、何を言ってもムダや。国のやり方はいつも決まっとる」といいつつ、かつて自分がセンターの娯楽室の利用改善のために働きかけたエピソードを聞かせて下さいました。「わしはムダだと思っとる。あなたも本当は半分はムダだと思ってるでしょ?」と言われると、苦笑いが出てしまいました。

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 本当に苦しい思いをしているのはセンターに集まる労働者です。ゆえに、ふと不安にとらわれたとしても、労働者より先に勝手にあきらめたり投げ出したりしてはいけないと思いなおします。

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 本当はまずここにいることが力なのだと思います。集まることにいいも悪いもありません。頼まれもしないのにあるがままに集まっていることはすでに意味を持っているはずです。

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