大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2019年3月14日(木)夜回り・ネズミ退治外伝 管理会社との戦い──⽔道料⾦編②/大阪城公園にオープンした劇場について

ネズミ退治外伝 管理会社との戦い──⽔道料⾦編②

 マンションの新しい管理会社が業務を引き継いで早々に水道メーターの検針を怠ったばかりか、これまでより高い料金で請求してきたところまでお話ししました。

 水道局の正規の料金表を入手し、こちらで確認した検針値をもとに再び管理会社に問い合わせました。一人親方と思われるC社のK氏の言うことには、水道管からマンションの給水タンクまでは水道局の領分だが、タンクに入った後はマンションの商品だから、値段のつけ方は自由なのだそうです。

 大阪市の水道料金は全国的に見ても安いと言われています。公共性の高い事業として安く、安全に提供できるような工夫がなされています。それを一管理会社が私物化するのは許されません。また、自らの落ち度により3ヶ月分の検針での請求となった水道料金を、使えば使うほど高くなる設定の1ヶ月分の料金体系に当てはめて本来より高く請求してくることに何の正当性もありません。

 とはいえ、不正に手を染める人間というのは正論を突きつけられてもひるむものではありません。詐欺や不正は密室で行われるものです。悪徳業者の方は一対一で丸め込めばいくらでもごまかしがきくと知っています。これに対抗するためには問題を可視化し、第三者の目をこの場に引き込むこと、そして実力行使が必要です。

 これ以前に、駐輪場に停めていた原付自転車のガソリンが何者かに抜かれるということがあり、マンションの各戸をまわって話を聞いたり、ビラを投函したりしたことがありました。このことから、何かあると他の住人から声をかけられたり、相談されたりすることが増えました。「下の階のベランダに子猫が入り込んで出られなくなっているのを助けられないか」とメールが来たこともありました(知るか!)。

 ある日、「水道料金おかしくないですか?」と上の階の人から話しかけられました。やはりみんなおかしいと思っていたのです。また、管理会社に問い合わせたら、やはり同じような言い逃れをされていました。ご近所さんと情報交換して新しいオーナー会社の詳細を把握し、これでもかと管理会社の不手際を書面にまとめて送りつけ、管理会社には正規の料金しか払わない旨を別途、簡易書留で伝えました。

 それからしばらくして管理会社からも簡易書留で封書が届きました(簡易書留で返す意味ないやろ)。怒りを抑えきれない文体で、「オーナーに連絡を取るな。オーナーもお前の方を不審に思っている」「いろいろ揚げ足を取って来ているが、お前に何か関係あるのか」というようなことを書き連ねていたので笑ってしまいました。こちらは変な証拠にならないようにあくまで丁寧かつ形式的な文書を送っていたのですが、K氏には耐え難かったようです。電話ではのらりくらりとかわす口八丁の人間でも、文章となるとからきしのようでした。

 しかし、この文書があってからも過大請求は止まりません。上の階の人はオーナー会社に直接電話して、「正規料金しか払わない」と宣告したら、「それで構いません」と言われ、請求書もまともな金額になったと教えてくれました。文書攻撃ではらちがあかないのでうちもオーナー会社に電話し、正規料金しか払わないことを留守番電話に吹き込んだら、次の請求からはまともな金額になりました。

大阪城公園にオープンした劇場について

 先日オープンしたクールジャパンパーク大阪で上演中の「KEREN」は平日公演の席が埋まらず、吉本興業は困っているようです。メディア関係から「前売り売ってるけど、タダで観れますよ」という打診が方々に入っている模様。大金かけてこけるのは勝手ですが、問題は公園を破壊するだけ破壊した事実です。

 この「KEREN」という舞台、なんと「サクヤルミナ」と同じモーメント・ファクトリーによるもののようです。海外観光客をあてにした「クールジャパン」の演出をカナダ・モントリオール発のアート集団頼みとは、初っ端から看板倒れもいいところです。市民には知る由のない大人の事情があるのでしょう。

 オープンセレモニー前日の2月22日付で市民の森の二箇所に立ち入り禁止が告知されました。倒木を理由にしたものでしたが、大量の倒木はすでに片付けられていました。明らかに劇場オープンと連動した動きです(3月7日に解除されました)。

 どさくさに紛れた排除が行われる可能性もあります。必要とあれば抗議行動も行いますので、よろず相談まで情報提供、ご相談下さい。

 

2019年2月24日(木)夜回り・みんなが気持ちよくなっていいことづくめ?

 こんばんわ。よろず相談です。

 早いもので2月も今夜で終わりです。またまた3月が巡ってきました。先日の寄り合いで(2月24日)、樹木が激減して、市民の森がすかすかになってるなあ、と、びっくりしました。台風の影響もあるし、もちろん再開発のためもあります。

 ところどころに、桜の植樹も見かけました。人の出も多いし、くまモンスイーツマラソン?とかいうチャリティーマラソナらしく、次から次へと走者が通り過ぎました。走る人は健康によく、美味しいスイーツを食べられる、チャリティーになっているという、自己満足も得られる、熊本発のスイーツの宣伝にもなり、熊本地震被害の支援もできる、と、何もかもWin-Winなイベントなようです。12月のサンタランもそうですが、今流行っている感じのイベントです。みんなが気持ちよくなって、いいことづくめなんですから、それで流行るんでしょうから、邪魔は無粋というわけです。

 はてさて、なんの経済効果も期待できないよろず相談の寄り合いです。

 持ち寄りのお惣菜を並べていただきました。食べたあとは、しゃべったり昼寝したり、気楽な会です。ぜひ一度お立ち寄りください。

 

第17回「センターの日」のお知らせ

それでも日々は続く

 行政の切ったスケジュール通りなら、3月31日に降ろされたセンターのシャッターは4月1日からは二度と上がることが無くなります。

 シャッターが降ろされることに対する直接的な行動が必要なのではないか。座して閉鎖を待つのかという声もあるかと思います。

 この1年5ヶ月「センターの日」では持続にこだわって来ました。さまざまな直接行動、抗議・交渉ごとは、すでに行われています。「センターの日」としては、労働者と向き合い過ごす、繰り返しの中でしか見えてこないものをつかむ営みを続けたいと思います。

場所・日時のご案内

 JR新今宮駅西口から地上に出て、国道の向かいのあいりん総合センター正面付近で、2019年3月16日(土)13時から16時に実施します(毎月第三土曜日)。ブルーシートとこたつ、コーヒーの焙煎の匂いを目印にお越し下さい。

 古本放出はとても人気があります。特に読み終えた時代小説を寄付いただけると大変喜ばれます。古本チェーン店では二束三文にしかならない本の有効活用をお考えの方はぜひ「センターの日」にお持ち下さい。

これまでの「センターの日」

 これまでの報告はこちらです (第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回)。

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2019年2月16日(土)第16回「センターの日」──労働者のためにやらんとあかん

 ものすごい風で、映画を上映していてもスクリーンが倒れ、コーヒーを入れようにもなかなかお湯が沸かないという大変な条件下で行いました。おまけにブルーシートを忘れたり、キャンプテーブルを忘れたりしました(あとで持ってきてもらいました)。

1970年頃の話

 準備をしていると、まだ並べ終わらないくらいに「何をやってるの?」と話しかけられました。今はもう働いていないけど、20歳の時、1970年くらいに大阪に来たそうです。関東の生まれで、自衛隊員として横須賀港で働いていたとのこと。米軍のミッドウェイ艦は艦橋がビルの7階分くらいあり、「センターと同じくらい大きいですか?」と訊くと、「もっと大きいよ!」と教えてもらいました。

「1970年代はたくさん人がいて、センターの中で仕事を探していたら、肩が当たるくらいだった。あの頃は日当も良くて、お金もあるし、使い切ってしまうまで働かなかった。明日働けばええと思うからね」

 ふと知り合った人に仕事の昔話ができる。これも釜ヶ崎という場所がそういう出会いを生み出す力を持っているからでしょう。

高倉健『昭和残侠伝』

 これまで『太陽の墓場』『ビリケン』と釜ヶ崎と新世界を舞台とした映画を鑑賞してきました。次は何にしようかと相談していて、高倉健は人気があるということだったので、『昭和残侠伝』を選びました。

 とはいっても、「センターの日」のメンバーのほとんどは実は観たことがありませんでした。高倉健のどの作品を選んだら良いのかもわからず、はたして「センターの日」で上映しても良いものなのかと不安を抱えながらのスタート。

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 いつも古本コーナーを楽しみにしてくれている人が「これ、私が中学校の頃の映画ですよ!」と教えてくれました。他にも同じようなことをいう人がいらして、なるほど今釜ヶ崎にいる人たちの青春の共有体験が1960年代後半くらいの娯楽映画なのだなと気づかされました。

 「左翼がヤクザもんの映画やってええのか?」とからかってくる人もいました。

 最初は集まりが悪くても路上ライブ用のスピーカーで音を流すとすぐに人だかりができます。なるほど、音というのは目には見えないけれど、場所を作り出す道具の一つなのだなと気づかされました。

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 また、この日はお菓子を載せるザルを忘れました。段ボールを切り貼りして代用しましたが、映画を見ている人にお勧めする際に、このザルがないと微妙にやりにくい感じがしました。ザル一つでも決して見栄えや飾りではなく、人と人の間を円滑にとりもつ役割をはたしているようです。

 任侠ものでも『仁義なき戦い』は「あかん」という意見をもらいました。善悪がはっきりしていなくて、ごちゃごちゃしている。同じ菅原文太なら『トラック野郎』が良いとのこと。『トラック野郎』も今後の候補にあげておくとして、次回はさわりだけ観て食いつきの良かった『男はつらいよ』の第1作目を観たいと思います。

時代小説が好き

 ある人にどんな本が好きかお訊きすると、時代小説が好きだということで、歴史小説と時代小説の違いについて教えていただきました。特に好んでいるのは江戸時代を舞台としたもので、大坂だと高田郁が面白いそうです。新今宮文庫にある推理物も読んでいたが、今は時代小説がいいとのこと。「勉強にもなるしね」。

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 なるほど、時代小説というのは親しみやすいジャンルなのだろうかと思いました。推理小説だと、新しい作品は新しい風俗を取り入れていくし、古い作品は古い作品で読みづらいものになってしまうかもしれません。その点、時代小説なら、切り口は変わるとしても、江戸時代なら江戸時代という了解事項があります。その了解事項をふまえたうえでオリジナリティを出そうとすれば、作家さんも埋もれた事実を発見してきて物語に織り込むといった工夫をするでしょう。

「車を避けてくれ」

 荷物の積み下ろしのためにセンター正面に停めていた車を「縁石の前まで出してくれ」という要望がありました。いつもそこを定位置にしている人の邪魔になってしまったかとすぐに動かし、その人の邪魔にならないようにUターンして左寄りに停め直しました。

 ところが「縁石の前まで」というのが大事なポイントだったようです。帰り際に「縁石の前まで出して欲しいんや。縁石の前までなら駐禁にならんからな。この屋根の下は寝る人おるから」と再度言われました。この人は「みんな」のために代表して意見してくれていたのだとわかり、とても申しわけない気持ちになりました。

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 夜に向けて定位置を早めにキープしたいという思いもあるのかもしれません。見えないルール、見えない気配りを教えていただいたようで勉強になりました。

テーマソングを決めるとすれば

 音には人を集める力があるということに気づき、「センターの日」のテーマソングを決めて流すようにしたらいいのではないかとメンバーと話しました。『王将』か『唐獅子牡丹』か、オーロラ輝子がいいのではと意見が出ました。みなさんの心に残る一曲を教えてください。その場でスマートフォンで探して流してみんなで聴くような企画をやっても面白そうです。

労働者のためにやらんとあかん

 メンバーの一人がどなたかと話し込んでいると思って見ていたら「今白手帳何人くらいかわかりますか?」と訊かれました。話を聞くと「これは誰のためにやっとるんか? 労働者のためか?」と問われました。労働者はもちろん、センターを利用する人のためにやっているというようなことを答えると「労働者のためにやらんとあかん」と言います。また「手弁当でやってても大きなことはできない」「行政を巻き込んでいかないといけない」と。

 まちづくりのように運動も行政と提携していかなければいけないというお考えなのかと思ったらそうではなく、「大勢で市役所に押しかけて要求しないといけない。そうやってセンターを夜間解放させたこともある」と。「一人一人で言ってもダメだけど、大勢で押しかけたら言うことを聞かせたりできますよね」と答えると、ようやくわかってくれたかという感じで笑顔を見せてくれました。

 この人は、現在は鹿児島に帰って暮らしているが、毎年決まった時期に釜ヶ崎の様子を見に来るのだそうです。こうした戦いの記憶、場所への思い入れが引き継がれていることを感じさせられました。

どこでやるのか問題

 センター閉鎖の期日が迫り、4月以降の「センターの日」をどこでどういう形でやるのかを考えなければいけなくなってきました。

 仮移転先の西成労働福祉センターの前でやるのか、現センターのシャッターの前でやるのがいいか。シャッターの前でやるにしても、どこでやればいいのでしょう。正面でやれば沿道の人の目には留まるだろうけど、釜ヶ崎のみなさんに発見してもらえるかわかりません。シャッターが閉まれば見通しもきかなくなります。センター閉鎖はそういった点でも悪影響をもたらしそうです。

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 4月になって、センターを利用している人たちがどこへ行くのか、どこか別のたまり場のような場所が形成されるのか。みなさんがもっとも頭の痛いことかと思いますが、こればかりはふたを開けてみなければわかりません。

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 とりあえず4月は、いつも通りコーヒーは提供しつつ、映画はお休みして、みなさんから現状のお話を聞かせていただきたいと考えています。

毎月第三土曜日は「センターの日」

 第三土曜日の午後に「センターの日」を開催するという方針は4月以降も変わりません。同じ時間に同じ場所で何かが行われることは、釜ヶ崎を作ってきた基礎的な条件の一つだと考えています。

 私たちがふだん大阪市内の各所で行なっている夜回りや相談活動のなかで、「センターが閉鎖されるから早めにここに移ってきた」いう人と再会しました。野宿する人たちが昨年末から顕著に増えている公園もあります。釜ヶ崎の外でお会いすることがあれば、「こたつ出して何かやっとったな」と声をかけてください。そして、第三土曜日にはセンターでお会いしましょう。

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2019年2月24日(日)寄り合い──倒木がないのに倒木を理由に立ち入り禁止?

 2月末の寄り合いは、暖かな日差しの下で行われました。

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 持ち寄りごはんもバラエティ豊かで、塩もみした大根やブロッコリーなど、野菜も取れるように配慮したチョイスが良いと思います。

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 長ネギを取り入れた品もありました。昨年末の年越しそばで、そばに焼きネギを入れたらものすごく美味しかったことが思い出され、「わしはふだんから刻みネギはかかさんよ!」など、ネギ談義に花が咲きました。

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 OBのKさんも久しぶりに顔を出してくれて、みんな変わらぬおしゃべりを交わしていました。現在城東区生活保護を受けているKさんは、ちょうど缶集めに回ってきたHさんから今月の寄り合い日を聞いて来てくれたそうです。野宿経験のある仲間同士、この都市の中で決して隔絶されているわけではないことを感じさせるエピソードです。

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 ところで、この前日は悪名高い「クールジャパンパーク大阪」の開業日でした。この日も、ふだん公園で見ることのないような黒いスーツ姿の人びとが群がっていました。さしづめ関係者向けのお披露目といったところです。

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 完成イメージ図の通り、何の特徴もない安っぽい作りの建物です。PMO事業の委託期間が終われば大阪市に譲渡しなければならない建物にお金をかけることなどないでしょうし、その頃にはむしろ解体費用がかかるかもしれません。

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 劇場沿いの歩道は、わざわざアスファルトで固められ、鉄柵が設置されました。公園内が切り分けられ、塗り分けられていっていることがわかります。

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 カイヅカイブキを伐採した後には市民の寄付で桜の植樹がされていました。しかし、これも何とももの寂しい風景です。

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 Kさんも「久しぶりに(市民の森に)来たら、木が減っとるな。常緑樹を植えんとあかんよ!」と言っていました。

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 あれだけあふれていた市民の森の倒木は劇場オープン前に完全に撤去されたようです。ところが、倒木がなくなっているにも拘らず、22日から市民の森の一部が倒木を理由とした立ち入り禁止区域に設定されていました。

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 市民の森の中には不自然なスペースがいくつか見られました。立ち入り禁止にしておいて、こっそり伐採を続ける計画があるのかもしれません。

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 市民の森の中を抜ける歩道では、数時間のあいだずーっとゼッケンとタスキを付けたランナーが走り過ぎて行きました。スイーツマラソンin大阪とやらのコースになっているようで、これもまた商業化の一側面でしょう。

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 劇場が本格始動すれば、さらに酷いことが起こると思われます。その経過経過を記録し、報告していきたいと思います。

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あおむらさきさんの動画もご覧下さい。

2015年3月23日(月)大阪城公園のPMO事業実施への緊急抗議書文

 2015年3月23日に大阪市に提出した抗議書文を参考資料としてアップします。

大阪市長 橋下徹

大阪市経済戦略局 御中

大阪市建設局 御中

大阪市教育委員会事務局 御中

大阪城公園のPMO事業実施への緊急抗議書文

 私たちは、大阪城公園で野宿者の権利擁護の活動をしているグループです。

 4月1日から実施されるPMO事業についての詳細を、私たちは大阪市のホームページ上で読みました。読んでびっくりしました。

 この事業はこれまでの指定管理者制度とは大きく違い、単なる公園管理業務の委託ではなく、公園の公共性を解体し、私権へとゆだねる性格のものであり、公園の主権が市民の手から奪われるとんでもないしくみになっています。

 にもかかわらず、大阪市は従来の事業者向けの指定管理者公募の行の中にこの計画を巧妙に紛れ込ませながら、市民全体に周知徹底しないままこの事業を推し進めています。そして何食わぬ顔で来週には公園を電通などの企業に明け渡すつもりであるという事態に、怒りを禁じえません。

 「都市公園の健全な発達を図り、もつて公共の福祉の増進に資すること」 と、都市公園法の第1条の(目的)にはあります。これまで、この公共性が担保されるために公園管理に対して税金が使われてきたのはいうまでもありません。そして大阪市は、その公共性をふりかざして、生きるためにテントを建てて暮らしてきた野宿者を行政代執行まで持ち出して排除してきました。しかし今度は、その大阪市が公共性そのものを放棄し、企業に売り渡すのです。

 しかも、PMO事業の「一般園地の管理運営に関する事項」の中で、ホームレス対策として、「移動型ホームレス等に対しては、*公園内で起居をさせないよう*聴聞を行うとともに、本市に状況報告のうえ、連携しながら対応すること。」と野宿者排除を明記しています。「テント・小屋掛け」に関わらず、ただ居るだけで取り締まれと読み取れる差別管理を指示しています。

 さらに公園全域の有料化の可能性も示されています。税金を投入せず、入場料を取るとなれば、もはや公園ではなく、単なる商業施設です。

 大阪市の地図から大阪城公園の分だけスポッと失われる。誰もが入ることのできた空間が突然姿を変え、巨大なテーマパークに変わるなど、悪夢としかいいようがありません。

 私たちは、差別管理を謳い、市民の財産である公園を盗む大阪城公園PMO事業に強く抗議します。

2015年3月23日

大阪城公園よろず相談

「大阪市ホームレスの自立の支援等に関する実施計画【2019(平成31)年度~2023(平成35)年度】(素案)」についてのパブリック・コメント

 「大阪市ホームレスの自立の支援等に関する実施計画【2019(平成31)年度~2023(平成35)年度】(素案)」についてのパブリック・コメント募集( http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/fukushi/0000454696.html )に対して、大阪城公園よろず相談では以下をメールにて提出しました。

 私たちは大阪城公園よろず相談として、20年近くに渡って野宿者支援活動をしてきました。

 この度、「大阪市ホームレスの自立の支援等に関する実施計画【2019(平成31)年度~2023(平成35)年度】(素案)」についてのパブリック・コメント募集に際し、意見を送らせていただきます。

 計画全体として気になったところを大まかにまとめると4点あります。

  1. やたらと「自立」を強調し、自立とは切り離されたところで保障されるべきことまで、自立支援の問題にはめ込んでしまっている点
  2. 「ホームレス支援」とは関係のないことが計画に含まれている点
  3. 現に野宿していたり、野宿の経験のある人への対策は書かれているが、新たに野宿生活に陥るリスクへの対策は見られない点
  4. 「あいりん地域」の「西成特区構想」に関わる動向を含めた取り組みへの懸念

 以上の4点の詳細、およびその他、気になった点についてはページ数を明記した上で以下にコメントを書きましたので、ご参照下さい。

p.1 野宿生活ないしホームレス生活を送る人びとを指して「ホームレス」と称しているのは不適切です。散々指摘されていることですが、「ホームレス」とは状態を指す言葉であり、人間の固有の属性を表現する言葉ではありません。「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」や国の施策における呼称がどうあれ、真摯に向き合うつもりがあるなら、「ホームレス生活(野宿生活)にある人が」などとすべきでしょう。実際に「野宿生活を余儀なくされた人」(p.1)という表現も見られます。一方で「野宿生活を脱した後、再路上化するホームレス」(p.1)という表現も見られます。野宿生活を脱したのであれば「ホームレス」ではないのに、相変わらず「ホームレス」であり、「ホームレス」になったようにとらえた書き方は時制の認識が無茶苦茶で、文法的にも誤っています。

 ホームレス問題にかかわる人たちのあいだでは「広義のホームレス状態」と「狭義のホームレス状態」の区分はすでに常識とも言えるものです。「屋根のある場所と路上を行き来する」若年層や、再路上化への対策の必要性を認識しているなら、用語にはもっと敏感であるべきでしょう。

 「公共施設の適正な利用が妨げられる」ことと「ホームレスが襲撃され被害を受ける」ことを、野宿生活者が「公共施設等を起居の場として日常生活を送る」ことによって引き起こされる事案として、同列に並べることにも疑問があります。そもそも、これらは因果関係の下に位置付けるべきものではありません。まるで「お前らが公共施設で寝起きしているのが悪い」と言わんばかりです。また、公共施設でなくとも野宿生活をしていれば襲撃の危険があることに代わりはなく、ことさらに「公共施設」を強調している点もおおかしいと思います。

p.2 「あいりん地域」に日雇労働者が多数存在するのは、高度経済成長期に政策的に集められたためです。行政に責任の一端があることを自覚して下さい。

p.10 「今のままでよい」を「自立意欲の低下」と評価するのは短絡的です。野宿生活者の多くが何らかの仕事をしています。また、自立意欲とは何を指すのかも曖昧です。

 「就職するために望む支援」のうち、「アパートの確保」55.2%が最も高いことを考えれば、無条件に住宅を保証する施策があってもよいはずです。そうなればそもそも「ホームレス」ではなくなります。生活保護に抵抗感を持つ人でも利用できるような制度の構築、実施を検討して下さい。

p.11 テント等の数が減った背景には、行政代執行を含む強制立ち退きが含まれています。また、「テントを建てさせない」ような働きかけもしつこくやっているはずです。「公共施設の適正な利用の回復の取り組み」がこのような取り組みを指すのであれば、単に野宿生活をする人たちをより苦しい状況に追い込んでいることになります。

p.12-13 自立支援センターの入所期間が短期間に区切られていること、原則として再入所できないといった問題については改善されているのでしょうか? 履歴書に自立支援センターの住所が書いてある時点で採用選考から弾かれてしまう問題が起きていることを考えれば、住宅の確保を最低限保証すべきです。「賃貸住宅型自立支援事業」がその一部なのかもしれませんが、住居の確保は自立支援とは切り離して最低限の権利として保証すべきです。繰り返しになりますが、住居があれば、少なくともホームレスではありません。

p.13 「あいりん日雇労働者自立支援事業」については、西成特区構想の中で推進されている「あいりん地域まちづくり会議」の「労働施設検討部会」で、事業の根幹を揺るがすような議論が進んでいます。労働者が日頃から利用するあいりん総合センターの仮移転、建て替え計画は、仮移転中の労働者の過ごし方や、建て替え案のないままスケジュールのみ前倒しされ、現センターを閉鎖するといった本末転倒なことがなされています。西成労働福祉センターの仮移転先では、相対紹介を廃止する動きも決定しているように聞いています。相対紹介が望ましい就労形態であるか否かは議論の余地があるとしても、求人業者の足が遠のくような無計画な仮移転では意味がありません。また、西成労働福祉センターとあいりん職安に仕事が集まるような労働政策をしっかり実施していくべきです。建設下層労働はますます見えづらく、アンダーグラウンド化しています。寄せ場の求人数だけの問題ではなく、不安定就労者全体にかかわる問題として、地域の労働関連機関の役割と機能の強化をして行くべきです。

 また、西成特区構想によって「あいりん地域」がきれいになった、良くなったと大阪市はアピールしていますが、野宿生活を送る人たちの姿は絶えず、そればかりか、排除の圧力は強まっています。表層的な成果を擬装するのではなく、生身の労働者の生活と向き合った行政を心がけて下さい。

第3 ホームレス対策の推進

p.16 「ホームレス自らの能力の活用を図る」とあるように、どこを読んでも個人責任を強調する姿勢に疑問を覚えます。「既存の各種施策も活用しながら」では根本的な問題解決にはなりません。路上生活を送る人がいなくならないのは行政の支援や政策の欠陥が原因であることを自覚し、強制立ち退きをせず、真摯な態度で粘り強く問題解決には取り組まねばなりません。

p.18 自立支援センターの退所者へのアフターケアがどこまでなされているのか疑問です。退所者へのアフターケアにまつわる報告を耳にしたことがありません。不利な立場に置かれた人びとが、安定した職につき、安定した住居を失わないようにするためには何が必要かを明らかにするためにも、アフターケアや追跡調査には力を入れる必要があります。

 「店舗から支援要請があれば支援を行います」とはどういう意味でしょうか? 実施計画の記述だけでは判断ができません。実施計画自体が十分に練られていないのではないでしょうか。

p.19 「地域における生活環境の改善」の項目に挙げられている内容は「ホームレスの自立の支援等」の計画に掲載すること自体不適切です。野宿生活を送る人たちにとっての問題ではないものが掲載されているのは奇妙なことだという意識を持って、なにが問題なのかを問い直すべきです。

 人権擁護という意味では、この計画の中にも見られる事実の混同、文言の意味不用意さを改めるところから始めて下さい。

p.20 数値目標をあげて施策を推進するのは場合によりけりではないでしょうか。当事者にとって望ましい選択肢が用意されていない状態で、絞られた数値目標を上げてよいものか、疑問が残ります。

 「自立支援センター入所者の80%以上が就職できるようにします」という目標は結構なことですが、残りの20%はどうするつもりなのでしょうか。期限切れで退所になっても、それは仕方ないということでしょうか。言及がないのは施策の不備ではないでしょうか。

 「あいりん地域における日雇労働者の相談者の10%以上を」という目標数値の低さが気になります。また、「相談者の」とある意味もよくわかりません。

p.26 「ホームレスに対し緊急に行うべき援助について」ですが、野宿生活者が救急搬送された際に対応に当たる「大阪市緊急入院保護業務センター」は廃止すべきです。特別なケースに対して手厚い対応がなされるというより、通常とは異なるイレギュラーな対応の温床となっているように見受けられます。どのような状況の人であれ、等しく人権に配慮した救急対応がなされるように、各行政窓口の体制を指導監督することで問題解決が可能です。「大阪市緊急入院保護業務センター」の担当になったがために病院をたらい回しにされたり、生活保護で施設に入れられたまま、アパート生活への移行ができなくなるケースも見たことがあります。

 生活保護にかんしては、区役所の窓口で未だに水際作戦による申請拒否が行われています。担当の役所の移管のタイミングで保護を打ち切るといった悪質な行為についても耳にしました。大阪市では「生活保護の適正化」といって、不正受給の取り締まりにばかり力を入れてアピールに熱心なようですが、困っている人を助けるという意味での「適正化」の方が急務かと思われます。

p.27 野宿生活を送る人たちを強制立ち退きさせる行政が人権擁護を口にしても欺瞞にしかなりません。地域からの苦情があったとしても、強制立ち退きはしないことを説明し、地域の人と対話することこそ、人権擁護につながるはずです。ある公園では大阪市役所の職員から「お前のような乞食はブタ箱に入れ」と恫喝されたという相談を受けたことがあります。内部の意識改革に力を入れて下さい。

 繰り返しになりますが、「生活環境の改善に関する事項」は、ホームレス状態にある人たちへの支援とは何の関係もありません。計画からの削除を求めます。

 冒頭に「新たに野宿生活になることを防止する」とありますが、再路上化については触れられていても、新たに野宿生活になることを防止するための施策が盛り込まれているとは思えませんでした。なぜ人は野宿生活になるのかについて、体系的、構造的な理解が不足しているようです。きれいごとを並べるのではなく、確かな現状認識を持ち、「ホームレス」一般ではなく、一人一人が困難を抱えたふつうの人たちであることを理解した上で、誰も排除されない社会を実現する行政を実践して下さい。

 

 大阪城公園よろず相談一同