大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2021年3月20日(土)第40回「センターの日」——私たちが交換しているもの

第40回「センターの日」のあらまし

 第40回となる「センターの日」では、1970年の日本万国博の記録映画を観ました。大阪市立図書館で見つけて、試しに観てみるかと借りてきたものだったのですが、YouTubeでも観ることができるらしいことに当日気づきました。
 3時間近くもある長い映像だったので、最初から最後まで観た人はいなかったものの、わりと熱心に観ている方もおられました。観る前は、記録映画なんて観て面白いだろうかと思っていましたが、今となっては映像そのものが物珍しくて、不思議な気持ちになりました。
 昔、NHKアーカイブ映像で万博の工事で活躍した鳶職人を取り上げた番組を観たことがあります。ああいった映像をセンターで観ることができたら、また面白いだろうなと思いました。

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塩豚を焼きました

 今回もバーベキューコンロで炭火を起こし、事前に仕込んでおいた塩豚を焼きました。最近では炭火焼きを手伝って下さる方も多くて助かっています。
 「センターの日」も予算がたくさんあるわけではないので、なるべくお金をかけずに楽しめるように頭を悩ませています。肉を安く手に入れようと思ったら、どうしても業務スーパー頼みになります。塩漬けにして熟成させたら、ブロック肉も少しは美味しくなるかなと思ってのことなのですが、どうでしょうか。何となく不安になって、いつも塩加減を多めにしてしまいます。
 寒い時期のにぎわいにとはじめたことなので、今シーズンの炭火焼きもそろそろ終わりかなと考えていたところ、「来月もやろうよ。夏でもバーベキューはやるでしょ」ともっともなご意見をちょうだいして笑ってしまいました。とはいえ、また新型コロナウイルスの感染が拡大しているなか、どうしたものかと悩んでいます。

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長引くコロナ禍

 1月の「センターの日」で初めてお会いしたお二人にも再会しました。お二人ともコロナ禍で仕事がなくなって困っているというお話でした。またお話しできたことはうれしいのですが、2ヶ月経ってもやはり苦しい状況が続いている裏返しなのだと思うと、気持ちに影が差します。
 また、やはりコロナ禍で仕事を失って、釜ヶ崎にやってきたという若者お二人ともお話しできました。炭火焼きの後に提供したインスタントコーヒーの準備を手伝って下さって、とても助かりました。ドリップコーヒーが用意できない代わりだったのですが、コーヒーがあると自然と人の集まりができます。

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私たちが交換しているもの

 もののやりとりを直接しなくても、私たちは日常的に何かを交換しているのだと思います。誰かの代わりにコーヒーを入れる、焼いた肉を取り分けてもらう。コーヒーや肉そのものではなく、それらを通して何かを受け取っているはずです。そうして受け取ったものは、また別の誰かに手渡されていると思うのです。
 見えないもののつながりがあるから、私たちはこうやって集まることができるのだと思います。センターはそのような場所でなければいけません。当たり前のことをやっているだけなのだとしても、当たり前のことをやれる場所が私たちには必要です。

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