大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

第76回「センターの日」のお知らせ

「センターの日」とは 労働者の街として知られる大阪の釜ヶ崎は今、大きな再開発の波にさらされています。2012年に始まった西成特区構想による「まちづくり」も進められています。貧困層の追い出しをともなうジェントリフィケーションであるとの批判もありま…

2024年4月11日(木)夜回り・助ける助けられる場面を持つこと

ようやく暖かくなってきて、ああ、やはり今年も夏は来るんだなと思わされたところで、またぐっと冷えました。夜中に大粒の雨も降り、季節は移るも、移ったなりに大変さがあります。 困っている人を助けたいと思って、助けられるかどうかは別として、助けよう…

2024年3月28日(木)夜回り・公園は誰のもの

難波宮跡公園のテントが一軒なくなりました。2021年頃まではたまにお会いすることがありましたが、2022年に入ると、ビラは無くなっていても姿を見ることはなくなりました。そして、数ヶ月前からもう戻っていない様子がうかがえました。うわさではどこどこに…

2024年3月16日(土)第75回「センターの日」——中島写真を読み解く④——『定点観測 釜ヶ崎 増補版』(2017年、東方出版)

中島写真の全容を把握するために前回から作品集を見ています。前回は『ドヤ街 釜ヶ崎』だったので、順番通りなら『単身生活者』を取り上げるところですが、この作品はコンセプトがはっきりしていて、収録されている写真もドヤの個室に絞られています。「全容…

2024年3月14日(木)夜回り・夜回りと寄り合いで現れる問題

大きなことから小さなことまで問題というのはあるものです。小さいからといって解決がたやすいわけではなく、大きいからといって耐えられないわけでもありません。 お金があれば解決できる問題は少なくないし、お金がないために起こる問題というのもあるでし…

2024年2月29日(木)夜回り・木を見て、野宿を見る

夜回りのビラはだいたい前日の夜に書いていますが、今週の夜回りもまた雨が降りそうです。傘をさすにしてもカッパを着るにしても、ビラやカイロなどをもモソモソとそろえるのがわずらわしく感じられます。しかし、そう考えていると、野宿をしているみなさん…

2024年2月17日(土)第74回「センターの日」——中島写真を読み解く③——『写真集 ドヤ街——釜ヶ崎』(1986年、晩聲社)

全体の構成 今回は中島さんの最初の写真集である『ドヤ街——釜ヶ崎』を取り上げたいと思います。 この写真集は4つの部分に分かれています。まず、導入のⅰは新聞記事からはじまります。1932年の米騒動の記事、1961年の第一次暴動の記事、1967年の第三次暴動の…

2024年2月15日(木)夜回り・文章はなぜ書けるのか

文章はなぜ書けるのかを考えてみましょう。文章を書くためにはまず最低限文字が書けねばならないでしょうが、そこまで細かく考えるのはやめておきます。 人は何かを考えてしまうものだし、考えるためには言葉を使うのだから、それを文字にしてしまえば文章に…

2024年2月1日(木)夜回り・進化論の真理

昨年末から取り憑かれたように進化について書かれた本を読んでいます。読みはじめてみると進化に関する本というのは山ほどあって、10年、20年のブームではないようです。 進化とは、何世代にもわたって生き残った人たちの遺伝的な特性が引き継がれる過程によ…

2024年1月20日(土)第73回「センターの日」——中島写真を読み解く②——「釜ヶ崎らしさ」を伝えるもの

前回のかんちがい 前回、書き終えたあとに気づいた大きなかんちがいについて書いておきます。「フィルムに収められた写真は撮られた順番に並んでいる」のはその通りだと思うのですが、執筆時に確認したのはフィルムそのものではなく、写真の縮小版を一覧にし…

2024年1月18日(木)夜回り・おでんに入れて欲しいもの

年が明けていよいよ本格的な寒さがやってきました。日曜日の寄り合いの日は日本晴れで、風もなく暑いくらいの日差しでしたが、それでも昼過ぎになると肌寒さを感じました。来月の寄り合いは11日(日)を予定しています。寒い季節に恒例のおでんにする予定で…

2024年1月4日(木)夜回り・警備員とパークセンターに追い出しの権限はありません

2023年末、12/21の夜回りで「大阪城公園で野宿をしてはいけないから、別の公園に行くように」とたびたび警備員から圧力をかけられているという相談を受けました。どこに行っても「よそへ行け」言われるのは「死ねと言われているのと変わらない」とは本人の言…

2023年12月21日(木)夜回り・箱入りカイロの底値

ダイコクドラッグの30個入りの箱入りカイロの底値は300円台です。だいたい400円台ですが、たまにもっと高い時があってやられたと思います。 夜回りでお配りするカイロ、毎回買い足さなければならないことはないし、重たいので安いからといってすかさず買うと…

2023年12月16日(土)第72回「センターの日」——中島写真を読み解く①——理解を深めていく過程と結果

中島写真を読み解く①——理解を深めていく過程と結果 「センターの日」のビラでも使わせていただいてきた中島写真。1947年生まれの中島敏さんは、労働者として働きながら1969年から釜ヶ崎の写真を撮り続けています。釜ヶ崎史料研究会が中島さんから預かった写…

2023年12月7日(木)夜回り・肯定的に受け入れることに是非はなし

前回初めてお話しした方から、よろずの名前は聞いたことがあると言われました。よろずと関係の長い人たちがあちこちで話題にしてくれているらしいことを知りました。たいした支援もできませんが、気軽に相談していただけるとうれしいです。 夜回りをしている…

2023年11月23日(木)夜回り・金額に現れないコストと儲け

このあいだの日曜日は、前日の荒天から一転して、穏やかな天候のもとで寄り合いを行うことができました。久しぶりに顔を出してくれた人同士がまた顔を合わせ、雑談に花が咲いていました。 釜ヶ崎にある三徳ケアセンターやシェルターを利用している人同士の情…

2023年11月9日(木)夜回り・都市もまた自然の一部

先週は11月だというのに連日暑い日が続きました。今週末はまた冷えるようです。いいかげん来月は12月と考えると、さすがにもう暑い日は来ないとは思いますが、今年の冬はどうなるのでしょう。 ほかに話題と言えば、阪神タイガースの優勝や各地での熊の被害で…

2023年10月26日(木)夜回り・シェアリングエコノミーが目指すもの

万博に合わせて大阪でライドシェアを導入しようという話が出ています。どうやらヒッチハイクを有料で仲介するようなことをスマートフォンのアプリを使ってやりたいようです。テクノロジーを使ってなんでもお金に変えようという流れの一つなのでしょうが、節…

2023年10月21日(土)第70回「センターの日」——楽しもうとしてしまう本能

楽しもうとしてしまう本能 9月の「センターの日」はお好み焼きとかき氷を楽しみました。今年はかき氷はこの1回しかできませんでしたが、とても盛り上がりました。ゆったりお好み焼きを作って、かき氷はお好み焼きが切れてからぼちぼちやろうと思っていたので…

2023年10月12日(木)夜回り・何度となくお会いしてお話しできる機会

蚊取り線香の季節が終わり、足早にカイロの季節に切り替わりつつあります。ドラッグストアを定期的にのぞいていると、本当に秋がなくなってしまったのかと思わされますが、そもそも秋を象徴するアイテムというものもないし、商品の入れ替えが早まっているだ…

2023年9月28日(木)夜回り・露店、出店の愉しさ

ようやく空気や空模様が変わってきたのを感じるようになりました。一番気が早いのはハロウィン商戦で、まだ暑い時期からオレンジのかぼちゃが商店街に目立つようになりました。ドラッグストアにはもうカイロが並んでいます。100円ショップでは、起毛の暖かそ…

2023年9月16日(土)第69回「センターの日」——6年のふりかえり

夏の「センターの日」のふりかえり 2023年8月の「センターの日」は中止にさせていただきました。理由は夏バテのようなものでしょうか。何かにバテました。 中止にしたら中止にしたで公衆電話から着信があり、「今日やってないんですか? 渡したいものがある…

第69回「センターの日」のお知らせ

「センターの日」とは 労働者の街として知られる大阪の釜ヶ崎は今、大きな再開発の波にさらされています。2012年に始まった西成特区構想による「まちづくり」も進められています。貧困層の追い出しをともなうジェントリフィケーションであるとの批判もありま…

2023年9月14日(木)夜回り・たまに何も思いつかないこと

前回の夜回りは腰痛のため、中止にしました。その週末の日曜日に寄り合いをするつもりだったのですが、告知ができなかったので、こちらも流してしまいました。今月は寄り合いはお休みさせていただくかもしれません。 それにしても、この夏の空模様の変化はす…

2023年8月17日(木)夜回り・雨と屋根とコモンズ

今週は台風が大阪を通過していきました。大阪中の樹木が倒れた2018年の台風の再来かと身構えましたが、雨量に比べて風はそうでもありませんでしたね。 何年か前に屋根の下にいる権利ということを考えました。水の中に生きる生き物でもない限り、雨が降れば濡…

2023年8月3日(木)夜回り・熱暴走対策にそうめんとかき氷?

あっというまに7月が終わってしまっていることに衝撃を受けています。この分では8月もあっというまに終わってしまうでしょう。 政府はマイナンバーカードを持たせようとバカなことばかりやり続けています。生活保護を受けるようになった元野宿の仲間はたいが…

2023年7月20日(木)夜回り・イライラしてもムダな場合はあるけれど

最近、イライラしてもムダなことにイライラしているなと気づくようになりました。たとえば人通りの多い道で前を歩いている人がノロノロ歩いていて、「なんだこいつ、周りの迷惑も考えずに。どけよ!」などと思う状況を考えてみましょう。おそらく、そのよう…

2023年7月15日(土)第68回「センターの日」——小さな村の反乱と二つの理念

2023年6月17日(土)の「センターの日」のあらまし 先月の「センターの日」は梅雨の晴れ間に行うことができました。そろそろ日差しがきつく、いいかげん日陰に移動する必要がありそうです。 6月もからあげをやってみました。ししとうやなすびなどを仲間が用…

第68回「センターの日」のお知らせ

「センターの日」とは 労働者の街として知られる大阪の釜ヶ崎は今、大きな再開発の波にさらされています。2012年に始まった西成特区構想による「まちづくり」も進められています。貧困層の追い出しをともなうジェントリフィケーションであるとの批判もありま…

2023年7月6日(木)夜回り・海外からも関心を寄せられる大阪城公園の問題とは

今月も第一日曜日と第二日曜日の二段構えで備えたところ、先日の第一日曜日に無事寄り合いをすることができました。 ふだん夜回りで声かけさせていただいている人も、他の人に連れられて顔を出して下さいました。ありがとうございます。 ヨーロッパから来た…