2024-01-01から1年間の記事一覧
言葉にしようのないことというのはあるものですが、無理やり語っていれば、その輪郭くらいは浮かび上がってくるものかもしれません。 この夏はいろんな仕事を引き受けたせいで、気持ちの落ち着かない毎日でした。といっても、どの仕事もまだ終わったわけでは…
こないだ情報公開請求の制度によって入手された大阪市の内部資料を見せてもらいました。黒塗りにされた部分もありましたが、公園で野宿する人たちへの働きかけの内容とその過程がうかがえるものでした。 大阪市の職員は、ある意味法的な手続きを守ろうとして…
こないだの日曜日は久しぶりに寄り合いをすることができました。最近、第二日曜日にしている寄り合いですが、来月は都合により、第三日曜日に実施するのでお気をつけください。 今年もセミが元気に鳴いています。聞いたところによると、幼虫が羽化するために…
なんかよく宗教とか道徳のお話で、「やってあげてると思うな。させてもらってると思え」みたいな説教があります。そう言われると、「けっ」と思うものですが、まあそういう逆説もどっかにはあるのかもしれません。 人はどこかで「いいことをしたい」と思って…
毎月第二日曜日を寄り合いの日に定めてみたものの、6月、7月はあいにくの雨で中止になりました。この数年、この季節は予定変更を余儀なくされることが当たり前になっている感じがあります。そのような実感を持つのも、定期的な活動を続けているがゆえだと思…
最近、物語とはなんだろうかと考えていて、ジョーゼフ・キャンベルというアメリカの神話学の研究者の本を読んでいます。神話や昔話といったものも物語に違いないし、小説やマンガ、映画やテレビドラマなども物語でしょう。これらは現実ではない空想の出来事…
もうぼちぼち蚊が出ているという話だったので、何回か前から蚊取り線香を用意しています。夏の蚊取り線香、冬の使い捨てカイロは野宿生活の必需品です。しかし、これらはもちろん、一年中必要というわけではありません。どちらも不要な端境の時期があります…
「釜ヶ崎を見れば世界が見える」と言われた時代があったようです。それは産業構造の末端に位置付けられ、景気の調整弁として利用される寄せ場の求人動向が、世界情勢をもっともクリアに反映していたがゆえだったのでしょう。 では現在の釜ヶ崎はどうでしょう…
「センターの日」とは 労働者の街として知られる大阪の釜ヶ崎は今、大きな再開発の波にさらされています。2012年に始まった西成特区構想による「まちづくり」も進められています。貧困層の追い出しをともなうジェントリフィケーションであるとの批判もありま…
釜ヶ崎のセンターで野宿する仲間に対して起こされていた立ち退き訴訟は、仮執行がつかないまま最高裁に上告されていましたが、最高裁はこれを棄却しました。いよいよ強制立ち退きが行なわれてもおかしくない状況になりました。 これまで数々の強制立ち退きが…
4月になってからの夜回りではシェアサイクルを利用しています。森ノ宮あたりでもずいぶん前から見かけるようになっていたものの、最近まで使ったことがありませんでした。しかし、京都に通勤するようになって、いったん帰宅していては間に合わなくなったため…
「中島写真を読み解く」シリーズについて 昨年末より、「センターの日」のビラで、五回にわたって「中島写真を読み解く」シリーズを書いてきました。六年もやっているうちに「センターの日」も煮詰まってしまった感があり、ビラにきれいごとを書くのもうんざ…
「センターの日」とは 労働者の街として知られる大阪の釜ヶ崎は今、大きな再開発の波にさらされています。2012年に始まった西成特区構想による「まちづくり」も進められています。貧困層の追い出しをともなうジェントリフィケーションであるとの批判もありま…
ゴールデンウィーク後半は二日に分けて、原付で奈良と和歌山へ行ってきました。どこか落ち着けるところを探して読書したいと思ったのですが、あてもなく初めて行く場所だったので、そんな過ごし方はできませんでした。 目的地もなく走ることもできないので、…
この4月から大阪市から京都市に通勤する生活をはじめました。大阪市内はもとより、京阪神にはさまざまな公共交通機関があります。京都に行くにも、JRもあれば、阪急もあり、京阪もあります。 最初、単純に所要時間が短いという理由でJR京都線を利用していた…
前回(第4回)書いたように、今回は「記録の力」を引き出すために中島さんがやっていることの内実を掘り下げていきたいと思います。 撮りためる、撮り続けるということ 「記録の力」の前提になるのは、まず撮りためることであり、撮り続けることだと思います…
「センターの日」とは 労働者の街として知られる大阪の釜ヶ崎は今、大きな再開発の波にさらされています。2012年に始まった西成特区構想による「まちづくり」も進められています。貧困層の追い出しをともなうジェントリフィケーションであるとの批判もありま…
ようやく暖かくなってきて、ああ、やはり今年も夏は来るんだなと思わされたところで、またぐっと冷えました。夜中に大粒の雨も降り、季節は移るも、移ったなりに大変さがあります。 困っている人を助けたいと思って、助けられるかどうかは別として、助けよう…
難波宮跡公園のテントが一軒なくなりました。2021年頃まではたまにお会いすることがありましたが、2022年に入ると、ビラは無くなっていても姿を見ることはなくなりました。そして、数ヶ月前からもう戻っていない様子がうかがえました。うわさではどこどこに…
中島写真の全容を把握するために前回から作品集を見ています。前回は『ドヤ街 釜ヶ崎』だったので、順番通りなら『単身生活者』を取り上げるところですが、この作品はコンセプトがはっきりしていて、収録されている写真もドヤの個室に絞られています。「全容…
大きなことから小さなことまで問題というのはあるものです。小さいからといって解決がたやすいわけではなく、大きいからといって耐えられないわけでもありません。 お金があれば解決できる問題は少なくないし、お金がないために起こる問題というのもあるでし…
夜回りのビラはだいたい前日の夜に書いていますが、今週の夜回りもまた雨が降りそうです。傘をさすにしてもカッパを着るにしても、ビラやカイロなどをもモソモソとそろえるのがわずらわしく感じられます。しかし、そう考えていると、野宿をしているみなさん…
全体の構成 今回は中島さんの最初の写真集である『ドヤ街——釜ヶ崎』を取り上げたいと思います。 この写真集は4つの部分に分かれています。まず、導入のⅰは新聞記事からはじまります。1932年の米騒動の記事、1961年の第一次暴動の記事、1967年の第三次暴動の…
文章はなぜ書けるのかを考えてみましょう。文章を書くためにはまず最低限文字が書けねばならないでしょうが、そこまで細かく考えるのはやめておきます。 人は何かを考えてしまうものだし、考えるためには言葉を使うのだから、それを文字にしてしまえば文章に…
昨年末から取り憑かれたように進化について書かれた本を読んでいます。読みはじめてみると進化に関する本というのは山ほどあって、10年、20年のブームではないようです。 進化とは、何世代にもわたって生き残った人たちの遺伝的な特性が引き継がれる過程によ…
前回のかんちがい 前回、書き終えたあとに気づいた大きなかんちがいについて書いておきます。「フィルムに収められた写真は撮られた順番に並んでいる」のはその通りだと思うのですが、執筆時に確認したのはフィルムそのものではなく、写真の縮小版を一覧にし…
年が明けていよいよ本格的な寒さがやってきました。日曜日の寄り合いの日は日本晴れで、風もなく暑いくらいの日差しでしたが、それでも昼過ぎになると肌寒さを感じました。来月の寄り合いは11日(日)を予定しています。寒い季節に恒例のおでんにする予定で…
2023年末、12/21の夜回りで「大阪城公園で野宿をしてはいけないから、別の公園に行くように」とたびたび警備員から圧力をかけられているという相談を受けました。どこに行っても「よそへ行け」言われるのは「死ねと言われているのと変わらない」とは本人の言…