大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2020年12月19日(土)第37回「センターの日」——突然の雨と甘酒

第37回「センターの日」のあらまし

甘酒と炭火焼き

 今回も冬の定番の炭火焼きをしました。また、自家製の甘酒をいただいたので、こちらも温めて提供しました。

 昼過ぎまで晴れていたのですが、映画を再生して、肉を焼きはじめたあたりから小雨が降り出し、あっという間に本降りになりました。10月の雨の日の経験を活かして、金網の角にコンパネを載せて簡易屋根にして炭火焼きをしました。そばでずっと傘を差しかけてくださって、ありがとうございました。

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映画「王将」

 映画は1962年の三国連太郎主演の「王将」を観ました。白黒の映像ですが、出てくる風景や人びとを眺めているだけでも、興味を惹かれました。しかし、さすがに古過ぎたでしょうか。映画のセレクトはいつも難しいです。

 センターに貼ってある「センターの日」のビラを見て、楽器を抱えた若い女性が飛び入りで参加してくれました。東京から大阪に遊びに来ていて、何日かドヤに滞在しているとのことでした。彼女のリクエストで二本目に流した「男はつらいよ」は他の方にも喜んでもらえました。

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衣類のカンパ

 「センターの日」で必要な人に分けてあげてと、またカンパ物資をいただきました。暖かい上着や、パッチなどの衣類や腕時計もありました。皮ベルトや腰痛ベルトなどは胴回りが合わずになかなかもらい手が見つかりませんでしたが、最終的に全部無くなりました。

 カンパを下さった方には気持ちばかりのお礼に後で焼き芋を差し入れしました。ありがとうございました。

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年末の出来事

 みなさんご存知のこととは思いますが、2020年の11月、12月と相次いでセンターで亡くなった方がおられます。一人はいくつかの夜回り団体や医療センターから見守られながらも、受診に結びつかないまま亡くなったと聞きました。「センターの日」のビラを配るときに何度も話しかけ、最近は少しお話しできるようになった矢先でした。

 もう一人はバスのなかで亡くなられています。12月の「センターの日」の直前の出来事だというのにその時は知らなかった不明を恥じています。その後、その時のことやふだんの状況を知りたいと思い、何人かからお話を聞きました。バスのなかは夜回りではあまり確認されていないこと、バスの見守りに課題がありそうなことまではわかりました。

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 不法投棄がどんどん酷くなっていることも気になっています。多くの人の避難場所になっている場所が、裏返せば社会の目の行き届かない場所になっているのだと思います。

 「センターの日」は2017年11月から始めました。釜ヶ崎の街とともに失われようとしているものは、守ろうとする前に、捕まえることすらおぼつかないもののように感じられます。捕まえることのできないものならば、こちらから捕まりにいこうとしたのが「センターの日」だったと言えるのかもしれません。しかし、まとわりついてくるものに馴染みきれないまま、3年の日々が過ぎてしまった思いです。