大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2020年11月21日(土)第36回「センターの日」——センターと路上

第36回「センターの日」のあらまし

 11月の「センターの日」は、天気がよかったせいか、開始前からたくさんの人が待っていて、16時過ぎの終わりまでにぎわっていました。映画はシリーズの2作目「続・男はつらいよ」を観ました。天気がいいとモニターがほとんど見えないのが困りものです。パソコンのディスプレイはテレビほど発色もよくありません。

f:id:asitanorojo:20201212115722j:plain

手羽先を焼いてみました

 今回は手羽先をメインに焼いてみました。あらかじめ包丁で切れ目を入れておいたので、火の通りも良かったように思います。
 カンパでいただいたじゃこ天もしょうゆで美味しくいただきました。そのほか、ウィンナーやさつまいも、切りもちなどの差し入れをいただきました。ありがとうございました。あれこれ口出ししながらみんなでコンロを囲むのは妙に楽しいものです。

f:id:asitanorojo:20201212115841j:plain

三周年を迎えて

 2017年11月からはじめた「センターの日」は三周年を迎えることになりました。三周年を迎えるからどうだということはないのですが、センターの中でやっていた回数とセンターが閉鎖されてから外でやっている回数とがちょうど半々になりました。

 バーベキューコンロを使ったり、持ち運びできるバッテリーを使ってモニターで映画を見たり、閉鎖後にやりはじめて定着したことがあります。かき氷は閉鎖前にはじめたことでした。昔の写真をセンターの壁面にたくさん貼り付けて、通りすがりの立ち話をうかがったことも思い出されます。

f:id:asitanorojo:20201212115942j:plain

センターと路上

 お話を聞いていて、「センターが無くなると困る」とは、ほとんどの人に一致した意見でした。しかし、センターは建造物として、いろいろ便利だけど、居心地を考えると必ずしも快適というわけではありません。半分は野外のような作りで、1階は強風が吹き抜けていきます。

 よろずや釜パト、仲間の会で私たちがふだんしている夜回りでは、路上や公園で野宿しているところへお邪魔します。鍵のかけられる扉も、外部から遮断してくれる壁もない、むき出しの寝所へ夜回りは不意打ちでやってきます。相手をする義務はないけれど、無視をするにもわずらわしさがあります。私たちもそれは承知の上でやっているところがあります。

 ところが、初対面の得体の知れないもの同士であるにもかかわらず、何の前置きもなく、当たり前の会話を交わせることがあります。みなさんがそういう応対の仕方に慣れているということもあるでしょうが、路上で出会うこと自体が、このような関係を可能にする部分があるのだと思うのです。

 そして、センターはそのような路上の原体験と地続きな力を持っているように思います。決して居心地のいい場所とは言い切れなくても、お互いむき出しの路上で、皮膚感覚でわかりあう可能性が開かれているのではないでしょうか。

 むき出しで、皮膚感覚でわかりあう必然性を措いて構想されるセンターは、私たちが知るセンターにはなりえないように思います。

f:id:asitanorojo:20201212120010j:plain