大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2023年9月16日(土)第69回「センターの日」——6年のふりかえり

夏の「センターの日」のふりかえり

 2023年8月の「センターの日」は中止にさせていただきました。理由は夏バテのようなものでしょうか。何かにバテました。

 中止にしたら中止にしたで公衆電話から着信があり、「今日やってないんですか? 渡したいものがあるから駅まで行きます」などと連絡をいただき、クワガタムシを預かりました(なんのこっちゃ)。

 7月の「センターの日」では例年通りかき氷にしようとしたのですが、「わしが買ってくるからスイカにしよう!」といわれたのでスイカにしました。しかし、これは失敗でした。また、フードバンクから大量にいただいた食材をうまく活かせないかとミートスパゲッティに手を加えてみたのですが、これも失敗でした。

 これまでの経験で分かっていたことなのですが、「作りながら食べる」という形でないと、なんの盛り上がりもなく用意されたものを食べ尽くして終わりになってしまうのです。

 「センターの日」には「センターの日」の勘所があり、分かっているつもりでたまに外してしまいます。しかし、たまに外してしまうことも、もしかすると必要な要素なのかもしれません。そもそも大したことをやっているわけでもありません。

6年のふりかえり

 2017年11月にはじめた「センターの日」も、そろそろ6年が経とうとしています。はじめたきっかけはセンター閉鎖、建て替えのスケジュールが切られたことでした。現地で建て替えられるのであっても、今あるセンターが解体されることは大事件です。しかし、これの何がどう大事件なのか、実は誰も語れないまま、スケジュール通りにことが進んでしまうのが大きな問題でした。

 そこで、この語られざる大事件を語れるようにするためにはじめられたのが「センターの日」でした。「センターの日」では、立ち寄ってくれた人たちとおしゃべりし、また、3階で休んでいる人たちから聞き取りもしました。しかし、聞き取り調査でなければ、炊き出しでもなし。別に居場所づくりでもありません。確かにそこにあるのに誰もうまく語れない、とらえられないものをいろんな形で知ろうとする試みが「センターの日」です。みなさんにそのような意識はなかったもしても、その試みに参加していただいてきたわけです。

 では、そうやって「センターの日」をやってきて、何がどんな形でとらえられてきたのでしょうか。その形はさまざまです。そして、それらは「センターの日」の外で表現されるので、「センターの日」だけを見ていても知ることはできません。

 「センターの日」をやったからこそ言えるようになったこと、理解できたこと、取り組めたことがたくさんありました。それらを一つにまとめて社会に問わなければならない時が来たように思います。いや、すでに遅すぎるのかもしれません。あるいは、そんなものをまとめる必要はないのかもしれません。しかし、まとめて悪いわけでもないはずです。どうせ私たちは失敗するし、まちがうでしょう。

 不完全な私たちがまちがいもなく正しい道を歩めるはずがありません。まちがいのない正しい道も私たちにはありえないのです。