大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2022年4月16日(土)第53回「センターの日」——「まちがい」を引き受けること

センター北側のゴミの片付けをしました

 4月16日(土)の午前中から午後にかけて、センター北側のゴミの片付けをしました。片付けていいものと残しておかないといけないものと、確認をとりながら作業を進めました。

 昼過ぎにパッカー車一台来てもらうようお願いしていました。すべて片付けるのは無理だろうから、北側を中心として、衛生的に問題が出てきそうなゴミを優先して片付ける方針で手を付けたのですが、北側のゴミをほぼ片付けることができました。残ったゴミも、せっかく人が集まっているこの機会に処分しやすくまとめておこうと、袋づめしてブルーシートをかけて、夕方に作業を終えました。

 呼びかけから実行まで一週間もない唐突な提案にもかかわらず、10数人のお力を借りることができました。センターで野宿している方も何人か積極的に参加して下さいました。通りすがりでの飛び入りの参加もありました。

 「個人的には参加したいけれど、今回は難しい」と言ってくださった方もおられました。また、参加の可否はともかく、センターの周囲に捨てられたゴミについては、この街にかかわる多くの人たちが心を痛めていると分かったことも良かったと思います。

ゴミ片付けにともなうトラブル

 当日残ったゴミについて、ちょっとしたトラブルがありました。ブルーシートをかけて置いていたゴミに加えて、手を付けていなかった北西角のゴミが、月曜日の夜の間に、北東角のゴミかごの周りに丸々移動されていました。

 火曜日にこのことを聞いて、現地で確認したところ、センター北側に新たに寝始めた人が、台車を使って一人で運んでいたということでした。この方は土曜日の作業を少し手伝ってくれた人でした。かなりの量のゴミを移動させたため、いつもゴミかごの管理をしている特掃の関係者の方に負担をかけてしまったり、不法投棄を疑われて、警察を呼ばれるトラブルもあったことを聞きました。

 作業途中、通りすがりの方から「役所の許可は出てるんか?」「勝手なことしとったら文句言ってくるぞ」「あんたらのやってることはロシアがウクライナでやってることと同じようなもんや」といった厳しい声かけもありました。

 傍目に見て、どういう立場の人間がどういう目的でやっているのか分からないでしょうし、誰がどうやっても、どこかから批判が出てしまうことだと思います。

 このように、センターのゴミの山については、さまざまな事情がからまって手が出しづらくなっているのだと思います。

センターの現状について

 釜ヶ崎で暮らす人たちは、誰しもが、そのような二律背反にがんじがらめにされているのかもしれません。「こんなところに寝とるわしらが悪いんやから」と自己否定から語らざるを得ない人の尊厳を守るためには、相手のことを思いやりつつ、どこかで「まちがい」を引き受ける気持ちでやらないといけないのではないかと思うことがあります。

 しがらみやこう着状態を越えて目の前の問題を解決していく鍵は、実際に野宿生活を送る当事者と、その生活に根ざした関係を深めていくところにあるように思われます。

 センターでは、多くのみなさんがまだまだ不法投棄のゴミに悩まされて暮らしています。「センターの日」で、またみなさんのご意見を聞かせて下さい。