大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2021年7月17日(土)「センターの日」——未来のことと現在のこと

2021年7月17日(土)第44回「センターの日」のあらまし

 ようやくかき氷が似つかわしい季節になりました。何人かの方に手伝っていただき、大変助かりました。シロップはイチゴが一番人気でした。練乳缶には二ヶ所穴を開けないといけないことを教わりました。

 たこ焼きプレートを使ってベビーカステラも作りました。紙コップに数個ずつ入れて提供しましたが、今後は竹串に刺して団子のようにしたらいいかも、というアイデアが出ています。

 素人散髪の用意もしていましたが、希望者はありませんでした。あまり多くは対応できないかもしれませんが、気軽にお声かけください。映画は「寅次郎忘れな草」を見ました。

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センターをめぐる動向

 8月8日(日)の夕方にセンターの未来を考える行動委員会の報告会が三角公園でありました。まちづくり会議の労働施設検討部会では、センターと第二住宅を解体した後の土地の南側に労働施設、北側に福利厚生施設を建てるという話が進められています。南側については、仮の図面をもとにすでに予算が組まれ、延床面積が約8,000平米と決まったそうです。

 しかし、この南側は大阪府の担当する労働施設であり、元のセンターのようなシャワー室や食堂などは設置されません。「そういった福利厚生施設は北側に」という話のようですが、北側の土地の権利を持つ大阪市はここに来て逃げ腰になっているそうです。行政は次々話をないがしろにしていきます。司会のかたが「ここでみんなが集会に集まっていることも力になると思う」と言われていたのも、なるほどそうかもしれません。

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代替地が作れなかったのか

 今さらのことかもしれませんが、いくつも施設を作ることになるなら、先に福利厚生施設を作るべきだったのではないかと思えてきます。元のセンターから切り離されている第二住宅の土地に、労働者の福利厚生や緊急避難にも使える施設を作り、その完成までセンターを利用できるようにするなど、段階的にことを進めれば良かったのではないでしょうか。将来どんな立派なセンターができようが、今センターを利用している人が困るようでは意味がありません。そのための要求を、その都度していかないと、釜ヶ崎の労働者の権利はずるずる奪われていくのではないでしょうか。

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今のセンターは治外法権

 計画中の南側の労働施設の1階の一部は、柱が立ち並んで24時間利用可能な開放空間になり、トイレや水場なども使えるような話でした。報告の中で「とはいえ、野宿する人が24時間使えるわけではない。今のセンターは治外法権のようになってしまっている。現役の労働者も野宿する人もお互い理解しながら、新しい労働施設をこれまでのように自分たちで管理していく必要がある」というような説明がありました。

 勘違いなのかもしれませんが、これを聞いていて、ちょっとびっくりしてしまいました。シャッターが降りる時にセンターから出ていかなければならなかったのは労働者による自主管理だったのかという疑問もありますが、野宿している人は将来の協力だけを求められて、置き去りにされているように感じました。未来のことと現在のこと、どちらも考えていかなければ意味がありません。

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