大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2022年5月21日(土)第54回「センターの日」——作られた公共空間

フードバンクの食材の活用

 5月の「センターの日」は、釜ヶ崎トロールの会から融通してもらったフードバンクの食材の活用を試みました。いただいたお米と舞茸に、サバ缶と三つ葉を買い足して、炊き込みご飯を作ってみました。また、にんにくは醤油漬けに、イチゴはコンポートに加工してみました。パイナップルやマンゴーも美味しくいただけたので、次回もあれば、いただいて来ようと思います。

飯場の写真展示より

 中島敏フォトアーカイブより、飯場の写真をピックアップして展示しました。写真の展示があると、場の雰囲気が引きしまるような感じがするので、今後も少しずつ紹介したいと思いました。

 プレハブの飯場について「今でもこんなところあるで」、風呂について「風呂が狭いんや、二人しか入られんでこんなん」「人数が多いやろ? 三人洗って、二人入って、すぐに入れ替わりや。後の方に入ったらお湯は汚れるし」「(排水口が)つまったら終わりや」などなど、経験に根ざしたお話を聞くことができました。関空工事の巨大な阪南宿舎を見ながら「あの頃は仕事多かったやろ」と懐かしみました。

粗大ゴミの不法投棄について

 東側の粗大ゴミは、増減があるように見受けられます。捨てにくる者もあれば、拾いにくる者もあるそうです。昼間に自転車で通りすがりにポーンと捨てていくような人間はいるが、深夜0時をすぎてから、警察の見回りの途切れる時間帯に大ゴミを捨てに来るとのことです。先日、路上の薬の販売が摘発されたことを考えれば、いくらでも取り締まれそうなものですが、いくら片付けても捨てにくる人間が絶えないだろうことについても考えなければいけません。

作られた公共空間

 新今宮駅の北側に星野リゾートのホテル(OMO7)がオープンしました。当初、ホテルの建物の前の広大な庭は、地域住民も利用できるように開放すると聞いていたのですが、ふたを開けてみると、ホテルの施設の利用者以外は利用不可でした。

 電車の高架下には屋台村もどきが並行してオープンしましたが、こちらも営業時間外は柵で閉鎖されます。このような作られた公共空間、公共空間もどきが、さも魅力的なものであるかのように宣伝されています。確かに、星野リゾートが資本を投下して作った庭は居心地がいいかもしれません。屋台が立ち並ぶ風景は活気をかもし出すでしょう。

 しかし、そういった楽しみは、もともと私たちが自由に作り出しているものであるはずです。お金がなくても楽しんでしまえる私たちの当たり前の生活の工夫があり、その生活の一部を切り取ってお金をかけて居心地を良くして、使用料を取っているにすぎないのです。

 そうした作られた公共空間は、私たちが自由に作り出している楽しみの一部を吸い上げて成り立つものであり、たまにお金を払って楽しむことがあってもいいけれど、もともと私たちがそうしていた場を奪っていくものであるなら、お呼びではないのです。