大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2023年4月15日(土)第65回「センターの日」——今の大阪の姿

3月の「センターの日」のあらまし

 毎月第三土曜日と決めて5年以上やっていて、先月で64回目となった「センターの日」ですが、「初めてやっているところに来た」という人がまだまだおられます。

 いろいろ粉物にチャレンジしてみたいと、前回はお好み焼きをやってみました。上達するには数をこなさねばと思ってやってみるも、どうしても厚めに作ってしまうクセがあるようです。テンポよく楽しんでもらうためには、薄くても回転数を上げる方が大切なようです。

 前回は中島敏フォトアーカイブの写真をモニター再生するほか、何冊か写真集を用意しました。お好み焼きとコーン茶を飲みながら、写真をネタにおしゃべりを楽しむとひとときを提供できないかと試行錯誤しています。

 毎回新しいものを取り入れないといけないと思い込んでいたところもありましたが、初めて来る人も多いし、通りすがりで立ち寄って、ひととき過ごして、またどこかへ行くとまり木のような取り組みでよいのかもしれません。

今の大阪の姿

 先日は東京から来たお客さんにセンターを案内しました。午前中は大阪城公園を案内して、午後は星野リゾート、センターというコースでした。

 今、全国で「稼ぐ公園」にするための民間委託(公園PFI)が推し進められています。大阪城公園はその成功事例として、売り込まれています。公園内にスタバやコンビニができて、イベントが満載、ロードトレインが始終走りまわる公園はさながら遊園地です。

 「にぎわいが生まれた」と自慢げに語る人がいます。しかし、その「にぎわい」とは消費者であって、本来公園に憩いを求めてやってきていた人たちではありません。憩いの場としての公園を有料化すれば、一時的に「稼ぐ」ことはできるでしょう。それまで蓄積してきた価値を食いつぶしているからです。

 星野リゾートができて1年が経ちました。夜になるとホテルの壁面に花火や桜の花がピカピカと目まぐるしく光っています。それを眺めるのは新今宮駅のホームにいる人たちばかりです。パブリックスペースと言っていた庭はゲートを閉ざしたまま、通り過ぎる人々を拒んでいます。

 センターの周りの不法投棄ゴミは、立ち退き訴訟中であることを理由に放置され、センターを頼みに生きる人々の鼻先に突きつけられています。センターは労働者が何の遠慮もなく集える場所でした。労働者のための公園のような場所であり、釜ヶ崎という街自体が元はと言えばそうだったはずです。

 「センターの日」は、労働者の街の本来のあり方に乗っかっているだけです。日々の楽しみと生きることそのものが出会う場所はいつも見え隠れしています。