大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2023年7月15日(土)第68回「センターの日」——小さな村の反乱と二つの理念

2023年6月17日(土)の「センターの日」のあらまし

 先月の「センターの日」は梅雨の晴れ間に行うことができました。そろそろ日差しがきつく、いいかげん日陰に移動する必要がありそうです。

 6月もからあげをやってみました。ししとうやなすびなどを仲間が用意してくれたので、バラエティ豊かな揚げ物になりました。あいかわず揚げたてのからあげは安くておいしいのですが、さすがに続くとマンネリになってくるので、また別のことを考えたいと思います。

 大阪城公園を中心としてやっている夜回りで知り合った仲間ものぞきに来てくれているのですが、「センターの日」はちょっと入りにくいようです。「センターの日」はもともと釜ヶ崎の住人に親しまれるセンターの日常に入り込もうというものなので、センターの流儀に慣れた人でないとなじみにくいところがあるのかもしれません。

 一方で、もともとのセンターの労働者とは違った雰囲気の若い人が立ち寄ってくれることがあります。ある調査では、ドヤに泊まってセンター以外から仕事に行って暮らしている人も少なくないことが指摘されていました。このような人たちは、しかし、センターの流儀を身につけているのかもしれません。

小さな村の反乱と二つの理念

 小さな村で人知れず起きた反乱から一年が経ち、火種がくすぶったまま、村の存続をめぐって決断が迫られています。

 釜ヶ崎にもたくさんのNPOがありますが、NPOというのは、実はあまり良い制度ではないのだという話を聞きました。NPOとは「非営利組織」の略です。しかし、非営利組織といえども、事業を行うためにはお金が必要だし、お金を得るためには資本主義社会に合わせざるを得なくなります。

 税制上のわずかな控除があるものの、一定以上の資産を持てないNPOは、資本投下ができず、安定した収益を上げられません。結果として、赤字を埋めるために助成金をもらう自転車操業になってしまい、そうなると行政の安い下請けです。

 NPOはふつうの営利企業では目指さないようなことを目標に活動をはじめ、しかし、活動を継続するためには営利企業と同じことで帳尻を合わさなくてはならなくなります。こうした相反する二つを両立するといったことは、実はどこにでもあるのだと思います。

 資本主義社会の中で、非営利的な目標を持ってやっていくために使える武器があるとすれば、それは「協力する」ことです。協力することの中に、「非営利的な目標」を持つにいたる理由がすでに含まれているはずです。しかし、実は協力することには大変なコストがかかります。このコストについてもきちんと考えておかなければ、結局はその活動は破綻してしまいます。

 また、組織的活動というのは、水平的な協力関係で成り立っているようで、究極的には一人が負っている中心があるのだと思います。ふだんかっこいいことを言っていても、誰もそんな人柱にはなりたくないのが本音です。しかし、誰が人柱になるのかは選べないのかもしれません。選べないことを定められた時に、それを引き受けられる人間が本当の意味での選択をしているのです。