大阪城公園よろず相談

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2023年10月21日(土)第70回「センターの日」——楽しもうとしてしまう本能

楽しもうとしてしまう本能

 9月の「センターの日」はお好み焼きとかき氷を楽しみました。今年はかき氷はこの1回しかできませんでしたが、とても盛り上がりました。ゆったりお好み焼きを作って、かき氷はお好み焼きが切れてからぼちぼちやろうと思っていたのですが、ひっきりなしに希望があり、おおわらわでした。最終的に玉出で買った4袋ものバラ氷を使い切りました。久しぶりに甘い香りの焙煎コーヒーもいただきました。

 8月は予告なしで中止にしたところ、「30分待ってた」「みんな待っとったで! 5人くらい」とお叱りを受けました。しかし、楽しみにしていただいていたのだと知れて、うれしかったです。前回の報告で「センターの日」でやってきたことをまとめていくと書いたのですが、まあ別にそんなこと急いでしなくていいかという気持ちになりました。

 四天王寺では毎月21日と22日に縁日が開かれています。食べ物の店もあれば、乾物を売っている店もあります。骨董品やどこかの売れ残りのような品物を並べた店もあり、隅っこの方では本当にガラクタをかき集めて並べているような店もあります。店舗で見ても見過ごしてしまうようなものも、こうして並んでいると魅力的に感じられます。

 この風景を見ていて、かつての釜ヶ崎のドロボー市を思い出しました。あの頃、路上には屋台が並んでいました。釜ヶ崎は、いろんな人が自分の手元にあるものを持ち寄って食い扶持を稼ごうというアイデアがごちゃ混ぜになって、固有の魅力を生み出していたのだと思います。

 「センターの日」って何なのだろうという答えの一つとして、これは縁日の屋台や出店のようなものなのだなと思いました。そして、釜ヶ崎の街は、街自体が毎日どこか縁日のような魅力を宿らせていたのでしょう。その中でも、センターは四天王寺の境内のように周囲から切り分けられた聖域だったというわけです。

 ただ生きているだけでは面白くない。どんなに苦しい状況だろうと、楽しみがなければやっていられない。生きている以上、楽しもうとしてしまうのが人間なのだと思います。人間の本能であるともいうべきその楽しみを、この街は守っていけるのでしょうか。