大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2021年12月18日(土)第49回「センターの日」——ハモとタイ

第49回「センターの日」のあらまし

 年末の気力体力の限界で、事前のビラ配布ができなかったせいか、参加人数は少なくなりました。しかし、そのぶん、ふだんよりゆったりとした雰囲気でおしゃべりできたのは良かったと思います。

f:id:asitanorojo:20220111220234j:plain

 カンパでいただいたタイとハモを炭火でホイル焼きにしました。ハモのホイル焼きは調理法としてどうなのかというためらいはありましたが、美味しくいただけました。しかし、それよりタイの美味さに驚きました。また食べられる日があるでしょうか。

f:id:asitanorojo:20220111220312j:plain

「センターの日」番外篇——釜ヶ崎の外へ

 2022年2月5日(土)西成市民館にて「釜ヶ崎の外へ——2000年代の行政代執行、以前/以後の経験から学ぶ」と題した企画を開催します。大きな時代のうねりに襲われる釜ヶ崎で、反排除の経験に正面から向き合い、強制排除にいかに抵抗するのか(抵抗できるのか)を考えようというのが企画趣旨です。

 当日はまず長居公園のテント村の行政代執行を取り上げた映画『長居青春酔夢歌』を上映します。続いて、渡辺拓也と佐藤零郎が聞き手として、長居公園仲間の会の中桐康介、釜ヶ崎トロールの会の金羽木徳志(きんちゃん)のお二人に当時の反排除の取り組みや運動の背景をうかがいます。

 釜ヶ崎の外へ向かった野宿者運動は、守ろうとしたものを守れず、結果的に苦い敗北を経験しました。反排除の取り組みは、守ろうとするものが大きいほど、また排除の圧力が強いほど、熱を帯びるものかもしれません。テント村が潰され、政策的な社会的包摂が進んだ現在、野宿する人びとの姿は減りました。そして、排除も見えづらいものになりました。

 反排除とは何なのでしょうか。排除がないにこしたことはなく、したがって、排除に抗う必要がないことが望ましいのだとも言えます。2000年代に相次いで経験された大きな敗北のあと、反排除の意味はわきに追いやられてしまいました。

 釜ヶ崎で進んでいるのはジェントリフィケーションなのか、社会的包摂のまちづくりなのか。このような問いに意味があるとは思えません。排除にさらされ、排除に抗う人たちの現在から目を逸らさせる論争になってしまっているからです。

 目の前で起こった排除に反応しているだけではダメだし、目の前で起こっている排除に反応できないようでもダメなのです。いかようにも語れる未来にとらわれている現在を、私たちは取り戻さなければいけません。

 その第一歩を踏みだすために、長居公園のテント村が潰されたあの日までの道筋をたどり、そこから現在と向き合いたいと思います。