大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2022年10月27日(木)夜回り・警察に声をかけられた話

 先日の寄り合いの際、警察に声をかけられて嫌な思いをしたエピソードをお聞きしました。警察に声をかけられるというのは、それだけで嫌なことなのだと思います。なにしろ自転車に乗っているだけでも、こちらは何の用もないのに声をかけてきます。

 寄り合いではたまに警察に嫌がらせをされたお話を聞くことがあります。違法薬物をやっているのではないかと目をつけられて、何時間も警官に付きまとわれたという話は驚くばかりです。警察にもノルマかポイントでもあるのでしょうか。

 何かの本で読んだ話ですが、巡回の警察官はいつも同じスケジュールで同じ場所を回っているので、自分なりの「いつも」と違うこと、「いつも」と違う人物を見かけると反応するのだそうです。考えてみれば、他人を疑うということも、自分なりに何らかの基準を作ってしなければ、毎日やっていられるものではないのかもしれません。

 支援というのも、際限なしにやれるわけでもないので、自分のなかに何らかの基準を作ってやっているに違いありません。考えてみれば、頼んでもいないのに声をかけてくるというところは一緒なのかもしれません。この社会がよりよいものであるようにと願っているところも同じなのでしょうか。もしそうなら、強制排除の際に機動隊が役所の職員にひっついてくるのは何なのでしょうか。

 つい二日前から、東京都渋谷区にある美竹公園で、何の予告もなく公園を閉鎖して野宿している人を締め出すという事件が起きて、抗議行動が続いています。公園は寝る場所じゃないというなら、どこで寝ろというのでしょう。公園で寝ているのはそこまでされるような悪いことなのでしょうか。答えは白か黒かではありません。「やらなくてもいいことをやらないこと」も正しい選択の一つなのです。すっぱり答えの出せるバカにはなりたくないものです。

2022年10月13日(木)夜回り・依存症の治療とは

 ようやく涼しくなってきましたが、あいかわらず、寒くなるかと思いきや暑くなり、変なペースで雨が降ったりやんだり、落ち着かない天候が続いています。

 野宿しているところにお声かけして支援がはじまり、関係を持ち続けている人の中には、さまざまな依存症の治療をしている人もいます。なかなかうまくいかず、アルコール依存症の外来診療やデイケアに通い、断酒が続いていても、ちょっとしたことでお酒を飲んでしまい、しばらくしてまた断酒する繰り返しといったこともあります。

 そのような治療に付き合っていると、そういう自分も依存症のようなことがあるのではないかと考えるようになります。たとえば飲まない方がいいと思いつつ、これくらいの気晴らしがないとやってられないと飲んでしまうことがあったり、二日酔いになって次の日は仕事にならないなんてこともあります。

 ギャンブル依存症となると、ギャンブルをしない自分には想像がつきにくいところがあります。治療をするといっても、抗酒剤のような薬もないので、治療している実感も最初は持ちにくいといったこともあるようです。

 結局のところ、依存症の治療は自分自身を客観的に見られるようになる気づきの過程であり、そのような気づきをもたらす人間関係の構築であるように思われます。

 

 今月の寄り合いは10/23(日)を予定しています。ビラには持ち寄りごはんと書いてありますが、手ぶらでまったく構いません。

第59回「センターの日」のお知らせ

「センターの日」とは

 労働者の街として知られる大阪の釜ヶ崎は今、大きな再開発の波にさらされています。2012年に始まった西成特区構想による「まちづくり」も進められています。貧困層の追い出しをともなうジェントリフィケーションであるとの批判もあります。

 地域住民と行政が協同して地域を良くしようと努力しているとの主張がある一方、これまでと変わらない強制排除が幾度となく繰り返されています。真実はいったいどこにあるのでしょうか?

 労働者の街である釜ヶ崎に、あいりん総合センターという施設があります。センターは釜ヶ崎の中核とも言える場所です。このセンターの建て替え、閉鎖、仮移転がまちづくりの会議の中で決定しました。

 釜ヶ崎で何が起きているのか、私たちは何かできることはないのか、私たちは何を知るべきなのか。一から考えるために、私たちは2017年11月から月に一回、第三土曜日に釜ヶ崎のセンターで労働者の声を聞く取り組み、「センターの日」をはじめました。

場所・日時のご案内

 JR新今宮駅西口から地上に出て、国道の向かいのあいりん総合センター北西側の団結小屋周辺か高架下の駐輪場付近で、2022年10月15日(土)13時から16時に実施します(基本的に毎月第三土曜日)。

これまでの「センターの日」

 これまでの報告はこちらです。

第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回 第18回 第19回 第20回 第21回 第22回 第23回 第24回(中止) 第24回 第25回 第26回 第27回 第28回 第29回 第30回 第31回 第32回 第33回 第34回 第35回 第36回 第37回 第38回 第39回 第40回 第41回 第42回 第43回 第44回 第45回 第46回 第47回 第48回 第49回 第50回 第52回 第53回 第54回 第55回 第56・57回 第58回 

カンパのお願い

 大阪城公園よろず相談の活動に賛同いただける方はカンパにご協力下さい。以下の口座まで振り込みをお願いします。活動に関心のある方は一声おかけ下さい。夜回りや寄り合いのほか、哲学読書会やソフトボール大会、「センターの日」などの活動も行っています。

郵便振替

記号14080
番号32204771
大阪城公園よろず相談

郵貯以外からの振り込みの場合
店名 四〇八(ヨンゼロハチ)
店番 408
預金種目 普通預金
口座番号 3220477

2022年9月17日(土)第58回「センターの日」——「センターの日」はだれがやっているのか

9月の「センターの日」

 雨の予報ははずれたものの、強風は始終吹きやまず、物は飛ぶし、カセットコンロの火力は上がらなくて、気づけば無言になってしまっていました。

 9月の「センターの日」は今年最後のかき氷になりました。前回、わりと好評だったホットケーキも焼いてみました。ボウルでホットケーキの種を混ぜていたら、「今日は何やってんの?(笑)」と通りすがりの知り合いから声をかけられました。最初は黒こげになっていましたが、何枚も焼いていると、少しずつコツがつかめてきました。しかし、コツをつかんだと思ったら、生焼けを量産してしまいました。

 また、たまたま肉の差し入れをいただいたので、残っていた木炭で焼いて提供しました。せっかくなので野菜もしっかり食べられるようにしたいものです。立ち寄った時は、中島敏フォトアーカイブの展示に必ず感想を聞かせてくださる方もいます。「古い写真やなー!」とストレートな感想ですが、刺激を受けた自分の思いを表現してくれているのだとうれしく思います。映画は菅原文太主演の「トラック野郎」の2作目でした。

 毎回同じことの繰り返しのようで、少しずつ変化していることがあります。センター閉鎖前、閉鎖後にわたってずっとセンターにおられた方が居宅に移られたとか、住民の入れ代わりがあったことなどもお聞きしました。映画をやっていても、ここ数回は雰囲気が違うのは、すぐそばの小屋に住んでいて、いつも映画を楽しみにして、かぶりつきで見てくれていた方が、一時的によそで過ごされていることが関係しているのだと思います。

「センターの日」はだれがやっているのか

 「センターの日」のポスターを貼っていると、「センターいつまであるの?」と通りすがりの方に訊かれました。立ち退き裁判をやってるから、まだ決まっていないのではないかと答えました。「だから、こんなん貼ってるんやろ?」と何かかんちがいをされていました。センター周辺にこうやって掲示物を貼る人間というのは、その人の見た目と合わせてどういう人間か推測されるのだと思います。

 当日のビラを配っている時には、「「センターの日」やろ? ちょうだい!」とビラを欲しがる人がいたり、もう分かっていて、「今日「センターの日」か」と声かけされたりといったことがあります。終わった頃に自転車で通りすがった常連さんが「今日「センターの日」かあ! 忘れとったわあ!」と叫んでいました。

 「センターの日」も思えば5年もやっていて、パターン化しているところもありますが、やってみたいことを見つけて、いろんなものにチャレンジしていきたいと思います。人は一人ではやらないことがあるものです。どんな機会であれ、とるにたらないことであっても、誰かと関わり、どこかを訪れることでもなければ、試みないことがあります。「センターの日」をやっている人たちがいて、自分たちはそこに参加していると、みなさんは思っているかもしれません。しかし、誰も集まらなければ「センターの日」はできないし、最近では、私たちの方が「センターの日」に参加しているような気持ちになっています。

2022年9月29日(木)夜回り・路上にこそ? 路上にでさえ? 路上であっても?

 先週の日曜日は寄り合いでした。4月に夜回りに参加してくれたお二人が久しぶりに訪問してくれました。また夜回りのビラを読んで、飛び込みで相談に来てくれた方もおられました。夜回りで何回か続けてお見かけしたものの、よく寝入っておられたので声はかけず、ビラとおにぎりと蚊取り線香だけ、枕元に置かせてもらっていました。

 月曜日に待ち合わせをして、改めてお話を聞かせていただいたところ、いったん旧住所に戻ってみるというところに落ち着きました。またいつでも相談にのるので、自分の納得のいくようにゆっくり考えて決めていただいたら良いと思います。

 昨年6月、やはりビラを見て飛び込みで来てくれた方はすっかり寄り合いの常連になっています。最近ではクワガタ虫の飼育にこっているとのことです。「虫のことを考えられるというのは、それだけ気持ちの余裕ができたということかと思う」とおっしゃっていました。この間のことをずっと知っている身からすると本当にそう思います。

 最近では、夜回りでお会いする方とも、以前とは違ったくだけた雰囲気でお話しできていると感じています。一方で、ずっとお会いできていたのに、ここ最近の夜回りから、ほかの野宿の仲間に訊いても、ずっと姿の見えない方がいて、気になっています。

 20年にわたる活動のなかで、いろんな方との出会いと別れがありました。たくさんの思い出もあります。ずっと続いている関係もあります。路上にでさえ、当たり前の営みが広がっていることを私たちは知っています。

2022年9月15日(木)夜回り・小さな村の反乱と二つの理念

 小さな村で反乱が起こっています。この反乱はいかにして討伐できるのでしょうか。

 争われているのは一つの理念です。理念にはさまざまなものがあります。しかし、ここで争われているのは、そういった理念を貫いて孤立してしまう人を守ろうという理念です。そのような理念を貫くために、その村は作られました。

 しかし、村が大きくなるにつれ、そのような理念を貫こうという人ばかりではなくなります。誰しも弱さを抱えているものだし、誰かのために孤立を引き受けようという人ばかりではありません。村には、そのような弱さを抱える人たちの孤立を憂える人もいます。理念に殉ずることのできない人たちの孤立が問題とされているのです。

 二つの孤立があり、それぞれの孤立から人びとを守ろうという理念は、実は似て非なるものです。しかし、本来、この二つは対立させるようなものではありません。二つの理念が守ろうとしているのは違うものなのだということを相互に理解し、認め合わなければ、両方を守ることはできなくなってしまいます。

 理念に牽引されて数々の困難を乗り越えてきた村は、大きな壁にぶつかっていて、しかし、内にあるこの壁を乗り越えられるかどうかが、いま問われています。

 野宿生活は、強いられたものであれ、不可抗力的なものであれ、貫けば孤立を招く苦難の道です。どこへ向かうのかも分からないこの道にも約束された場所があるのだと思えばこそ、歩むことができるのではないでしょうか。野宿生活が過酷であることと孤立が人を追い込むこともまた別の問題なのです。

 次回の寄り合いは9月25日を予定しています。

第58回「センターの日」のお知らせ

「センターの日」とは

 労働者の街として知られる大阪の釜ヶ崎は今、大きな再開発の波にさらされています。2012年に始まった西成特区構想による「まちづくり」も進められています。貧困層の追い出しをともなうジェントリフィケーションであるとの批判もあります。

 地域住民と行政が協同して地域を良くしようと努力しているとの主張がある一方、これまでと変わらない強制排除が幾度となく繰り返されています。真実はいったいどこにあるのでしょうか?

 労働者の街である釜ヶ崎に、あいりん総合センターという施設があります。センターは釜ヶ崎の中核とも言える場所です。このセンターの建て替え、閉鎖、仮移転がまちづくりの会議の中で決定しました。

 釜ヶ崎で何が起きているのか、私たちは何かできることはないのか、私たちは何を知るべきなのか。一から考えるために、私たちは2017年11月から月に一回、第三土曜日に釜ヶ崎のセンターで労働者の声を聞く取り組み、「センターの日」をはじめました。

場所・日時のご案内

 JR新今宮駅西口から地上に出て、国道の向かいのあいりん総合センター北西側の団結小屋周辺か高架下の駐輪場付近で、2022年9月17日(土)13時から16時に実施します(基本的に毎月第三土曜日)。

これまでの「センターの日」

 これまでの報告はこちらです。

第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回 第18回 第19回 第20回 第21回 第22回 第23回 第24回(中止) 第24回 第25回 第26回 第27回 第28回 第29回 第30回 第31回 第32回 第33回 第34回 第35回 第36回 第37回 第38回 第39回 第40回 第41回 第42回 第43回 第44回 第45回 第46回 第47回 第48回 第49回 第50回 第52回 第53回 第54回 第55回 第56・57回 



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