大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2019年3月16日(土)第17回「センターの日」── この場所をともに生きることを確かに

2019年3月16日(土)第17回「センターの日」のあらまし

 早め早めに準備をしたつもりなのに、いつも家を出るのがギリギリになってしまいます。最近では「センターの日」の手伝いに来てくれる人も増え、焙煎やビラまきなどやってもらって助かっています。

来月も第3土曜日にやりますよ

 常連さんに「(センターが閉鎖されるから、「センターの日」も)今月で最後ですね」と声をかけられました。「来月も第3土曜日にやりますよ」というと、「あ、やるんですか! 自分もどこか別のところ探そうかと思ってあちこち回ってて、結構寝られるところあるなと思いよったんですが。もしよそに行ってても第3土曜日にはセンター覗きに来ますわ」と言ってくれました。

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 前月までも、4月以降もやると言い続けているはずなのに、なぜかこういうやりとりになるのも面白いと思います。センターで周りの人と話していると、シャッター閉鎖後はみんなシャッターの前に陣取るしかないなという感じで話をしていると教えてくれました。

ビラを配っていて

 風がそれなりに強く、1階はいかにも人が少ないと感じました。そのぶん3階は結構人が多く、ビラを配るのが大変。映画をやり始めてからは「ありがとう」といって受け取ってくれる人が増えた気がします。目があうと、お互いごく自然に笑顔であいさつができるようにもなってきました。

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 娯楽室でビラを配るときも「センターのあれやな」とわけ知り顔。娯楽室は同じ人がいるから覚えてもらいやすいのでしょうか。

常連さんのお話

 この日は某新聞社のカメラマンをしているという方が、「センターの日」メンバーの1人の案内で来られていました。

 誰か当事者に話を聞けないかというので、親しい常連さんの1人にお願いしたところ、快く了承してくださいました。生々しい半生のエピソードを一緒に聞くことになり、こんな形でお聞きしていいのだろうかとドキッとしました。

 ふだんの収入源、玉出で食べ物を買うときの工夫などもお聞きしました。「それでも、炊き出しは並ぶ時はありますよ」。土曜日は夜回りが3組来て、おにぎりが4個手に入るので、それを計算に入れて買い物をするそうです。その際にもらえる昆布入りのおにぎり、「これが美味しいんですわ」。もうひと団体は来ない時もあるが、生姜湯をくれるので、身体が温まり助かるとのこと。

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 「センターが閉鎖されたら生活に影響はありますか?」との質問に、「率直にいって困ります」とストレートな答え。「もうこの歳だから生活保護受ける権利あるけど、ためらってしまう」「身体がダメになったら迷わず受けるだろうけど……」。

センター閉鎖はいつ?

 別の常連さんと話していて「センターが閉鎖されるのは29日といううわさだけど、そうなの?」と訊かれました。また、シャッター閉まるということはどこかに書いてあるのかと。そういわれてみると、たしかに「あいりん総合センター」そのものが閉まるという告知はありません。売店やセンター内のあちこちに貼ってあるチラシも「あいりん労働福祉センター」つまりあいりん職安と西成労働福祉センターが「閉館」とは書いてあるものの、この建物の1階がいつから閉鎖されるなどという告知はありません(あとで考えてみると、1階と3階は「あいりん労働福祉センター」に含まれるということなのでしょう)。

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4月の「センターの日」の予定

 2月にもお知らせしたように、4月にはセンター閉鎖後の状況について聞き取りをすることを打ち合わせました。4月に入って何が起きているかわかりません。年度代わりとセンター仮移転が重なっているから、仕事も減って混乱が起こることも予測されます。閉鎖されると夜回りや物資を配る活動が減ることも考えられます。

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 「センターの日」をどこでやるかも見えません。屋根があるといいので、ターフを借りておくか。水場がないことも問題。コップを洗ってもらうにはどうすればいいか。ポリタンクに用意しておくか? バケツ、たらい?

 この不透明感をセンターに集まる仲間は日々感じているのだなと気づかされました。

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3月31日以降の流れ

 ところが、これを書いている4月15日現在、誰も予想していなかったセンター占拠開放闘争が続いています。センター1階に設けられたテント屋を中心に、物資の差し入れがあったり、造作物が増えたりして、にぎわいを増しているようです。

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 「センターの日」でも、聞き取りはひとまずおいて、これまで通り映画を上映することにしました。

落ち着かない日々

 「センターの日」でも、3月31日の占拠の瞬間にいあわせたメンバーもいれば、そうでないメンバーもいます。後者の立場から見ると、占拠はしたものの、相手の出方もわからず、今後何をしていくべきかなかなか定まらないジレンマに囚われているようでした。

 センターは開放されていても、閉じられたシャッター前に居場所を定めている人たちもいます。いずれ閉め出されるリスクを考えれば、それが合理的な判断かもしれません。

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 野宿する人も含め、日に日にセンターには人が増えているようです。占拠開放を応援する連帯メッセージもあちこちから届いています。しかし、選挙が終わって、公安警察が堂々と姿を見せたり、退去勧告の館内放送がはじまったことも知られています。

この場所をともに生きることを確かに

 占拠開放に状況がふれたことは、まずはよろこぶべき展開だと思います。しかし、同時に先の見えない不透明さは何も変わっていないことにも気づかされます。

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 変わらないという意味では何も変わっていないのです。みながここに生きていること、明日も生きていかねばならないこと、そして、そのために寄り合う仲間がいることも変わりません。私たちは、この場所をともに生きることを確かに、過去と未来を形にしていきましょう。

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2019年3月28日(木)夜回り・G20より失業が問題だ!

 皆さん、こんばんは。現金あればなんでもできる!! いくぞぉー=3

 123だぁー! はい、現金が欲しい最近失業した私Kがビラを書くことになりました。●●●●●●一家達は「サミット」でしょうか? イタリアへ飛び立ちました。今年のサミットG20「金融世界経済に関する首脳会合」は大阪で62829日に開催されるというのに。交通規制、公安警察で賑わうのが想像されます。

 それに伴い「難波宮」で生活されている方達はテントの撤去や移動を余儀なくされています。この「難波宮」は古代「難波津」とも呼ばれ、海・河川・水路に恵まれ物流経済が発展していました。経済の話し合いをするというのに安倍や大阪府は野宿者は居ないクリーンで経済豊かな町とでもアピールするんでしょうか? こないだ私がした内装現場は大赤字ですよ。挙句に失業です💢 失業💢 まったく自分らに関係のないG20サミット。撤去を求められているということは大阪城周辺をねり歩くんですかねー。

 先日東京山谷と渋谷に行く機会があって様子を少し観ることができました。仮庁舎の横でテントがあったりと、大阪とはずい分条件が違うと感じました。しかし、同様にオリンピックに向け、建設工事が盛んで、非合法的に立ち退き、撤去されている野宿労働者の話がありました。

主要メンバーがイタリアのため緊急な生活相談は「オシテルヤ」まで連絡下さい。「オシテルヤ」は長居公園の夜回り活動しているグループです。気軽に相談して下さい。

2019年4月13日(土)寄り合い──花見を兼ねて

 3月の寄り合いが雨で中止になったので、2ヶ月ぶりの寄り合いとなりました。木曜日の夜回りの際に告知をし、日曜日は雨になりそうだということで、急遽土曜日に変更しました。

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 いつも以上に多くの人が参加し、好天のもとで食べる食事に舌鼓を打ちました。

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 この日はよろずのツイッターを見て、大阪城公園の商業化について相談したいという方も来て下さいました。サクヤルミナの開催ゾーンの近くにお住まいで、騒音被害に悩まされているそうです。この間に取り組まれてきたこと、感じてこられたことに大いに共感しました。

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 そのほか、神戸の支援者仲間が子連れで顔を見せてくれました。おじさんたちは代わる代わる人なつこい1歳の子どもを抱っこさせてもらっていました。最近知り合ったミャンマーからの難民の方や、揚羽屋のUさんなど、急な予定変更にもかかわらず、参加してくれました。

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 交流に熱が入りすぎて、肝心の難波宮跡公園の仲間に声をかけるのがおろそかになった点だけが反省点です。難波宮跡公園では、G20を口実とした排除の圧力を受けたという相談もあり、気の休まらない状態が続いています。

釜ヶ崎センター開放闘争に寄せて

釜ヶ崎センター開放闘争に寄せて

 かつて公園や路上を埋め尽くしたブルーシートはいまや街中歩き回ってもほとんどみかけることができない。貧乏人によって街を占拠されたと考える人々が、金と権力をもってしてブルーシートを駆逐したからだ。

 15年以上前、私たちは大阪中に広がったテント村に入り、多くの野宿労働者に出会った。当時、バブル崩壊後の釜ヶ崎では日雇い仕事が激減し、生き抜くために労働者は公園や路上、河川敷に自力でテントを張り、アルミ缶や廃品回収などの自主的な労働を営んでいた。私たちは彼らの生命力に圧倒されながら、テント村に入り浸った。そこには、豊かな生活力と、知識、技術、工夫、そして自主的な共存の空間があった。その後、テント村は解体され、共存の空間は更地になり、資本家に売り飛ばされた。人々は散り散りになり、自主的に生きる場所はもうどこにもない。

 けれども私たちは、街の片隅で小さな寄り合いを続ける中で、ひとりふたりと、また出会い始めた。そして、今日、寄せ場へと、センターへとつながってゆく。

 

 自分たちのことを考えてみよう。私たちは誰のために生きているのだろう。政治家や資本家のためにあくせく働き、そして稼いだ金を使う。このように生きる以外に選択肢はないのか?釜ヶ崎の日雇い労働者は自らの肉体を使役させて日銭を稼ぎ、すっからかんになるまで使い切る。釜ヶ崎の労働者と私たちの何が違うだろう。

 自らを切り売りして得た賃金で私たちは豊かになったか?

 結局のところ搾しぼりとられ、からだ一つで生きているのではないのか?

 そのからだ。

 地べたを歩き、働いた後、そのからだを横たえるだけの土地も、私たちは持たない。家賃を払って借りているだけに過ぎない。

 金で買うモノなどたいしたことはない。からだを使って、生活を、暮らしを、友だちを、学びを、楽しみを、取り戻すことをしなければ

 

 ならば、反排除闘争を脱皮して、占拠闘争を!自らの生きる場所を生きる営みを通して獲得して行く闘いを。

 私たちは占拠した空間で出会い、話をし、ご飯を食べ、映画を観ていいのである。ちょっとした野菜を育ててもいいし、コーヒーを焙煎して飲んでもいい。漫画を読んでもいいし、寝てもいい。笑ってもいいし、怒ってもいい。なぜなら、「法的に合法な」自らの居場所など、この世界にはどっちみちないのだから。路上を。公園を。空き地を。寄せ場を。

 権利や義務を棚に上げて、存在を巡る闘争を。

 人間が生きていれば、ゴミも糞も出て当たり前だ。

 釜ヶ崎のセンター開放闘争ののろしを全国へ。全世界へ。そしてまた、人々の暮らしへ。

2019年4月14日

三公園会議(大阪城公園よろず相談、釜ヶ崎トロールの会、長居公園仲間の会)

第18回「センターの日」のお知らせ

センター占拠開放闘争が行われています

 3月31日に閉鎖されようとしたセンターは、反対に集まった人びとによって限定的ながら24時間開放を実現しています。

 4月1日になって見なければどんな形で「センターの日」をやれるかわからないと、落ち着かない気持ちでしたが、こうなることはうかつにも想定していませんでした。

 24時間解放だろうと、「センターの日」は「センターの日」、変わらぬ集いの場を今月も開こうと思います。

場所・日時のご案内

 JR新今宮駅西口から地上に出て、国道の向かいのあいりん総合センター正面付近で、2019年4月20日(土)13時から16時に実施します(毎月第三土曜日)。ブルーシートとこたつ、コーヒーの焙煎の匂いを目印にお越し下さい。

 古本放出はとても人気があります。特に読み終えた時代小説を寄付いただけると大変喜ばれます。古本チェーン店では二束三文にしかならない本の有効活用をお考えの方はぜひ「センターの日」にお持ち下さい。

 特に現在は団結小屋もあるので、余った本は置いてもらえると思います。どかっとお持ち下さい。また、当日には本棚をつくり、センターに図書館を作る計画があるそうです。図書館の蔵書用の本の寄付もよろしくお願いします。

これまでの「センターの日」

 これまでの報告はこちらです (第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回)。

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番号32204771
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2019年3月14日(木)夜回り・ネズミ退治外伝 管理会社との戦い──⽔道料⾦編②/大阪城公園にオープンした劇場について

ネズミ退治外伝 管理会社との戦い──⽔道料⾦編②

 マンションの新しい管理会社が業務を引き継いで早々に水道メーターの検針を怠ったばかりか、これまでより高い料金で請求してきたところまでお話ししました。

 水道局の正規の料金表を入手し、こちらで確認した検針値をもとに再び管理会社に問い合わせました。一人親方と思われるC社のK氏の言うことには、水道管からマンションの給水タンクまでは水道局の領分だが、タンクに入った後はマンションの商品だから、値段のつけ方は自由なのだそうです。

 大阪市の水道料金は全国的に見ても安いと言われています。公共性の高い事業として安く、安全に提供できるような工夫がなされています。それを一管理会社が私物化するのは許されません。また、自らの落ち度により3ヶ月分の検針での請求となった水道料金を、使えば使うほど高くなる設定の1ヶ月分の料金体系に当てはめて本来より高く請求してくることに何の正当性もありません。

 とはいえ、不正に手を染める人間というのは正論を突きつけられてもひるむものではありません。詐欺や不正は密室で行われるものです。悪徳業者の方は一対一で丸め込めばいくらでもごまかしがきくと知っています。これに対抗するためには問題を可視化し、第三者の目をこの場に引き込むこと、そして実力行使が必要です。

 これ以前に、駐輪場に停めていた原付自転車のガソリンが何者かに抜かれるということがあり、マンションの各戸をまわって話を聞いたり、ビラを投函したりしたことがありました。このことから、何かあると他の住人から声をかけられたり、相談されたりすることが増えました。「下の階のベランダに子猫が入り込んで出られなくなっているのを助けられないか」とメールが来たこともありました(知るか!)。

 ある日、「水道料金おかしくないですか?」と上の階の人から話しかけられました。やはりみんなおかしいと思っていたのです。また、管理会社に問い合わせたら、やはり同じような言い逃れをされていました。ご近所さんと情報交換して新しいオーナー会社の詳細を把握し、これでもかと管理会社の不手際を書面にまとめて送りつけ、管理会社には正規の料金しか払わない旨を別途、簡易書留で伝えました。

 それからしばらくして管理会社からも簡易書留で封書が届きました(簡易書留で返す意味ないやろ)。怒りを抑えきれない文体で、「オーナーに連絡を取るな。オーナーもお前の方を不審に思っている」「いろいろ揚げ足を取って来ているが、お前に何か関係あるのか」というようなことを書き連ねていたので笑ってしまいました。こちらは変な証拠にならないようにあくまで丁寧かつ形式的な文書を送っていたのですが、K氏には耐え難かったようです。電話ではのらりくらりとかわす口八丁の人間でも、文章となるとからきしのようでした。

 しかし、この文書があってからも過大請求は止まりません。上の階の人はオーナー会社に直接電話して、「正規料金しか払わない」と宣告したら、「それで構いません」と言われ、請求書もまともな金額になったと教えてくれました。文書攻撃ではらちがあかないのでうちもオーナー会社に電話し、正規料金しか払わないことを留守番電話に吹き込んだら、次の請求からはまともな金額になりました。

大阪城公園にオープンした劇場について

 先日オープンしたクールジャパンパーク大阪で上演中の「KEREN」は平日公演の席が埋まらず、吉本興業は困っているようです。メディア関係から「前売り売ってるけど、タダで観れますよ」という打診が方々に入っている模様。大金かけてこけるのは勝手ですが、問題は公園を破壊するだけ破壊した事実です。

 この「KEREN」という舞台、なんと「サクヤルミナ」と同じモーメント・ファクトリーによるもののようです。海外観光客をあてにした「クールジャパン」の演出をカナダ・モントリオール発のアート集団頼みとは、初っ端から看板倒れもいいところです。市民には知る由のない大人の事情があるのでしょう。

 オープンセレモニー前日の2月22日付で市民の森の二箇所に立ち入り禁止が告知されました。倒木を理由にしたものでしたが、大量の倒木はすでに片付けられていました。明らかに劇場オープンと連動した動きです(3月7日に解除されました)。

 どさくさに紛れた排除が行われる可能性もあります。必要とあれば抗議行動も行いますので、よろず相談まで情報提供、ご相談下さい。