大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2018年10月11日(木)夜回り・ネズミ捕獲作戦第一弾

 先日の台風はさいわい大阪への直撃は避けられました。しかし、和歌山県では被害が出たようです。まだ油断はできません。
 8/16のビラでは駆除業者に依頼し、毒餌の設置をしている最中、冷蔵庫の下にネズミが隠れているのが発見されたところまでお話ししました。
 さすがプロというべきか、いそうなところをのぞいていたら見つけてしまったのか、とにかく見つけてしまったからには業者としては捕獲を試みないわけにはいきません。
 冷蔵庫を取りかこみ、そこらにあるもので壁を作ります。二つ折りの粘着シートを開き、冷蔵庫の周りに敷きつめていきます。ところが、いざネズミをおびき出すとなるとなかなかうまくいきません。ベテラン社員さんいわく「あっちも危ないとわかってるから動きません」。冷蔵庫を浮かしてみるも最初に見つけた場所にはすでにおらず、さらに奥の方に入り込んでしまっています。
 壁際のくぼみに収まっている冷蔵庫を引っぱり出し、ネジを抜いて裏の金属製の板を取り外してみると、そこはネズミの巣になっていました。食料としてあめ玉やお菓子の袋があったり、暖をとるためにくつ下が引っ張り込まれていたり、快適な住空間が作り上げていました。何と忌々しい。ところが肝心のネズミの姿がありません。
 いることはまちがいないはずなので、叩いたりスプレーを吹いたりすることしばらく。「おかしいなー、やっぱりいないのかなー」と全員の気がゆるみはじめたころ、パッと飛び出したネズミは作った壁の隙間をすり抜けてそのまま対面の本棚の奥に逃げ込んでしまいました。一瞬のあいだに底面の蒸発皿を差し込むスリットに入り込んでいたのです。
 こうなると一からやり直しです。またバリケードを作って、本棚の本をすべて抜いて……などすると思うと気が遠くなります。もう時間も時間だということで、今回は撤収して、とりあえず毒餌にかかるのを待つことになりました(なかなか終わりませんね)。

「センターの日」のご案内
 釜ヶ崎のセンター1階で毎月第三土曜日の14:00〜17:00にコーヒーやお菓子を出して寄り合いをしています(今回は10月20日)。近くまで来られた際は気軽にお立ち寄り下さい。懐かしい写真の展示、文庫古本放出などもしています。

 

2018年9月27日(木)夜回り・一作目のゴジラを見ました

 こんばんわ。大阪城公園よろず相談です。

 先日の台風では、大阪城公園がえらいことになってしまいました。夜回りをして、みなさんの無事は確認できましたが、何メートルもある木が根こそぎバッタバッタと倒れている様子には驚きました。うわさによると、3600本の木が倒れたとか。

 先日の寄り合いのときに、倒れた木の撤去費用を算出する目的で、一人のヘルメットをかぶった作業員の方がメジャーとマップを持って、一本一本の木の大きさを測っていました。ど派手に横倒しになった木の写真を取りに来る観光客も後を立たないとのことでした。このようにインスタ映えしてしまった大阪城ですが、商業施設や駐車場に陣地を奪われて緑は減る一方のところに、台風で木がやられ、ちょっとした自然を享受できるところの都市公園としては、ますますその緑が失われる感があります。

そして安倍政権は権力を手放すことなく、3選目突入。正義も理屈も善悪も自然も、軽んじられる世の中。都合の悪いことは全てなかったことにする、戦争も、福島原発メルトダウンも、モリカケもセクハラも・・・。

 人類の悪の申し子であるゴジラが出現し、世界を破壊されたとき、人間は自分たちはなんとかよわき存在かと自らを憐れみ、自然の脅威を呪います。芹沢博士はオキシジェン・デストロイヤーという破壊兵器を発明しますが、巨大なる悪をさらなる悪で打ち倒すことに恐怖し、悩んだ末、しかし結局、人類を守るために破壊兵器を使用してゴジラを抹殺するのです。そもそもゴジラを目覚めさせたのは誰なのか。そのことを問わないまま、人類はより大きな力を手にする道に突き進んでいくのですが、しかし、自然に勝る力、神に勝る力などあるのでしょうか。おごれるものひさしからず・・・と平家物語にもあります。

 季節の変わり目で、気温が上がったり下がったりです。風邪を引かないように気を付けてください。気持ちの方もソワソワ落ち着かないかもしれません。

 葛根湯ぐらいしかありませんが必要であれば声をかけてください。

2018年9月17日(月・祝)寄り合い──倒木の風景

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 暑いのか涼しいのかはっきりしない曇り空の下、9月の寄り合いを行いました。日曜日の都合が合わないため、今月は祝日である月曜日の開催でした。告知の行き渡っていないメンバーは来れないかもと思いましたが、伝え聞いたのか、顔を出してくれる仲間もいました。

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 台風21号の被害の跡は前週の夜回りの時にも目にしていたものの、昼間に改めて見るとその凄まじさに驚きました。「公園にいたら、みんな写真を撮っていく」ようで、野次馬よろしく記録写真を撮りました。

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 作業服にヘルメット姿で倒木の点検をしている方がおられたので、何の作業がおききしたところ、撤去費用算出のための下調べをしているということでした。3,600本もの木が倒れたと聞いています。しばらくはこの風景が続きそうです。

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 今回の持ち寄りごはんでは、夜回りメンバーのSさんが大粒のぶどうを二つ用意してくれました。どちらも甘くておいしく、食事に彩りを添えてくれました。

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 涼しくなったといってもまだ蚊取り線香が手放せません。4つ焚いていたら「いくつつけるの?」とさすがに呆れられました。

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 今年の春、森ノ宮側の公園入口で、大量のカイヅカイブキを伐採していくつもの商業施設が作られました。「台風で傾いてしまったため」と2年近くロープで閉鎖されたまま、伐採され、伐採されなかったエリアでは未だロープが張られ、下草は伸び放題になっています。

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 「もともと根が浅く、倒れやすい品種」だとの説明だったので、今回の台風での被害実態を見てまわりました。カイヅカイブキにも根から倒れてしまったものも無くはありません。しかし、「倒れやすい」と警戒されるほどは倒れていないように思われます。

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 公園の入口には「YATAIフェス2018」という看板がありました。屋台というのはイベントの添え物のはずですが、観光客を呼ぶためには主役に格上げされるようです。「入場無料」とは恐れ入りました。

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2018年9月13日(木)夜回り・見えるもの見えないもの

 「これまでの人生で初めて台風の怖さを感じた」と71歳のKさん(大阪城公園)に言わしめる凄まじい自然災害から一週間あまり。みなさん大変な思いをされたことと思います。この被害で何かお困りのことがあれば、よろずにできる限りではありますが、気軽にご相談下さい。

 よろずの夜回りは19時にはじめるので、遅い時間帯から野宿しはじめる人たちとは行き違いになってしまいます。「22時を過ぎると第二寝屋川沿いももう少し人が増える」との話をお聞きしたので、先日22時半から回ってみました。せっかくなのでふだんは回らない桜之宮公園の方まで足をのばしたところ、10人くらいお見かけしました。

 2000年頃と比べれば野宿している人は「数えるほど」になりました。厚労省による全国調査によれば、大阪市内ではピーク時に6,603人(2003年)だったのが、現在は1,023人(2018年)とのことです。数字というのは不思議なもので、減少傾向にあると「そのうちゼロになる」「問題は解決しつつある」と思わせる魔術的な力があります。

 多ければ問題で、少なければ大したことではない。そんなものではないことを教えてくれるのは路上での出会いです。また、微力だからといってあきらめる理由にもなりません。未来は見ようとしなければ見えないものではないでしょうか。

「センターの日」のご案内

釜ヶ崎のセンター1階で毎月第三土曜日の14:00〜17:00にコーヒーやお菓子を出して寄り合いをしています(9月は15日)。近くまで来られた際は気軽にお立ち寄り下さい。弾き語りや懐かしい写真の展示などもしています。

 

第11回「センターの日」のお知らせ

 第11回「センターの日」を9月15日(土)14:00〜17:00に行います。

 まだまだ暑い日が続きますが、暦のうえでは読書の秋ということで、不要な文庫本を持ちよって放出しようと思います。自宅にもう読まなくなった文庫本や新書などがある方はお持ちいただけると幸いです。労働者のみなさんからも読み終わった本を寄せてもらって、本がぐるぐる循環する定期市みたいになったら面白いですね。

 また、今回はバッテリー搭載のプロジェクターを持ち込んで、スライドショーを試みます。みんなで壁面のスクリーンを見上げつつ、四方山話で盛り上がれたらと思います。

 3階でのビラまき(昼回り)では顔なじみになる方もできてきました。「直接話してみたい」「横で話を聞いてみたい」という方も歓迎します。「センターの日」では労働者の胸を借りた飛び入り持ち込み企画を歓迎します。

 これまでの報告はこちらから(第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回)。

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2018年8月30日(木)夜回り・つゆはぬるくてもめんで冷やせ!

 こんばんは。よろず相談です。

 まだまだ残暑が厳しく、過酷な毎日をお過ごしのことと思います。それでも老人ホームでの暮らしが嫌で、長居公園で野宿をしているおじいちゃんは、朝方は寒いよ〜!!と、言っています。

 先日のよろず相談の寄り合いでは毎年恒例のそうめん大会をやりました。そうめん大会では何年も前から、よろずの唯一の財産である「たらい」があって、たらいにそうめんと氷を入れて涼やかにみんなで食べています。そうめんつゆはAさんの手作りで、今年はなぜかちくわが浮いていました。ちくわのダシもでて、おいしかったのですが、大阪城公園には流石に冷蔵庫はありませんので、つゆがやはりぬるい! つゆがぬるいとぼやいていると、とにかくそうめんを氷でキンキンに冷やしてつゆにつければ大丈夫や!と言われ、そんなもんかとおいしくいただいた次第です。

 夜回りで寄り合いに行くわ!とおっしゃってくれていた人もいたのですが、当日はとうとう現れず……残念でしたが、また寄り合いの日時が決まり次第、告知いたしますので、遠慮なくお越しください。

 9月中旬くらいにまた名古屋でソフトボール大会があるようで、お誘いをいただいておりますが、参加するかどうかは検討中です。

 行きたいという人はぜひ声をかけてください。名古屋まで安物の車でドライブ! どうですか?

 ではでは。

 

2018年8月18日(土)第10回「センターの日」──現在を表す言葉

 前回に引き続き、かき氷を行いました。お盆を過ぎると嘘のように暑さが和らいだものの、用意した10ブロックの氷すべて使いきりました。練乳缶を用意したにもかかわらず、穴をあける道具を忘れたためにお出しできなかったのが心残りです。

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 今回は、いつも貼り出している1960年代の釜ヶ崎の写真に加えて、1970年代から1990年代当時の運動のビラも壁面展示しました。「わたしの屍体に手を触れるな/おまえたちの手は/死に触れることができない/わたしの屍体は/群衆のなかにまじえて/雨にうたせよ」ではじまる詩には身震いさせられるような凄みを感じました。

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 センターの移転・建て替え、縮小の流れに対して、「自分がまだ若ければ何とかしたい、闘いたい」という声をぽつぽつとお聞きするようになり、労働者のみなさんのなかには闘争の経験と記憶が生きていることに気づかされました。暴力手配師追放闘争が行われ、1998年には夜間開放が行われていたことを思えば、センターは今も昔も労働者のための場所であり、労働者が勝ち取ってきた空間であることがわかります。

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 センターにはさまざまな人たちが集まっています。1階と3階を比べてみてもそのことを感じます。生活保護も受けず、特掃も利用せずにシェルターに泊まったり、野宿したりという人もいれば、今は生活保護を受けながら、昔の仲間に会うためにセンターを訪れるという人もいます。センターはすべての人を受け入れて何らかの恩恵をもたらすといえば話としてはまとまりが良いものの、現実はもっと複雑なはずです。がんばった人ほど、自分を律するために握りしめていた規範で自縄自縛に陥ってしまうのではないかと気がかりになりました。

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 「センターなくなったら困る」という直接的な声もあれば、「センターなくなるのは仕方ない。自分はどこでもやっていけるけど、そうでない人もいる」、あるいは「先のことはわからないからギリギリまでいると思う」といったもう少し踏み込んだ声も聞いています。そのようにさまざまな思いや考えを口にしながら、今なおセンターにいること自体が一つの意思表示になっていると感じます。

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 「やられたらやりかえせ」「黙って野たれ死ぬな」に代わる、現在を表す言葉が口をついて出る場所があるとしたら、釜ヶ崎ではまちがいなくこのセンターではないでしょうか。

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カンパのお願い

 大阪城公園よろず相談の活動に賛同いただける方はカンパにご協力いただけると幸いです。以下の口座まで振り込みをお願いします。活動に関心のある方は一声おかけ下さい。夜回りや寄り合いのほか、哲学読書会やソフトボール大会、「センターの日」などの活動も行っています。

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