大阪城公園よろず相談

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2024年2月1日(木)夜回り・進化論の真理

 昨年末から取り憑かれたように進化について書かれた本を読んでいます。読みはじめてみると進化に関する本というのは山ほどあって、10年、20年のブームではないようです。

 進化とは、何世代にもわたって生き残った人たちの遺伝的な特性が引き継がれる過程によって起こるものです。気候変動があったり、自然災害があったりするなかで、生き残れた人たちが結果的に適応的である、つまり進化したとみなされます。結果としての進化は人によって見出されるものですが、そうでなくとも進化という過程は進行します。

 このような自然淘汰に対して、性淘汰というのもあります。これは異性に好まれた個体の特性ほど、生殖を通してより広まっていく現象を言います。自然淘汰が生存に有利な条件を備えた者の残存であるのに対して、性淘汰では必ずしも生存に有利な個体が適応的なわけではありません。生存の役には立たないにもかかわらず、異性から魅力的だと思われた特性が広まっていくので、不合理な結果をもたらすことも考えられます。この不合理な部分から私たちの個性が生まれてくるのでしょう。

 これが否定しようにも否定できない真理であるとしても、しかし、これは私たちを支配する原理ではありません。神さまの手のひらの上で踊っているに過ぎないとしても、私たちが神さまの目線で見る必要はないし、たとえ神さまがいるとしても、私たちは神さまではありません。私たちには私たちの真理があるはずなのです。あるいは真理なんてなくても構いません。生きることは真理に気づくことを含みつつ、真理の中にはないのだと思います。