大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2018年10月21日(日)寄り合い── 金儲けが直接的な排除に

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 メンバーのスケジュールの都合で、8月に続き今月も「センターの日」と連日の寄り合いになりました。

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 野菜は少ないものの、鳥レバーやキノコのマリネなど、味わいは豊富な品揃えとなりました。

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 フランス産のブルーチーズをフランスパンとクラッカーにのせて食べました。

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 マグロの漬けかと見まごう鮮やかな赤色の甘酸っぱいジャムと一緒に食べるとチーズの風味が引き立ちます。差し入れのチリワインと一緒に楽しみました。

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 Kさんがムカデとアリ避けに自分の寝るベンチの周りを念入りに掃き清めていることは知っていましたが、寄り合いの時にテーブル代わりにしている石台の周りをAさんがきれいに掃いてくれていることは知りませんでした。

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 雨の日も風の日も缶拾いを休まないAさんの働き人の手をご覧ください。

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 市民の森の倒木は、ところどころ処分に着手しているようですが、まだまだ傾いたまま放置されたままの大木が目立ちます。

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公園を踏み荒す商業イベント

 そんななか、またもや公園の一部を商業主義で占拠する企画が発表されました。

大阪市:報道発表資料 大阪城公園 夜の森を彩る「SAKUYA LUMINA(サクヤルミナ)」事業を開始します

ABCテレビ「大阪城公園に新観光名所「ルミナナイトウォーク」最新作 映像と音楽に包まれ幻想的な“夜の散策”」10/19(金) 20:11配信 - 大阪城公園よろず相談

 「夜の公園を活用する」と言えば聞こえはいいものの、要は観光客向けのアトラクションです。リピーターがつくとも思えない一瞬の盛り上がりのために公園の一部が3年間も単なる遊園地にされてしまいます。

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 吉村市長はいつものように「どうだすごいだろう」と鼻息荒く自慢していますが、派手なものにはそれだけのお金が投じられているということです。そしてその元手は大阪城公園という広大な公共空間を犠牲にして捻出されているのです。

THE PAGE大阪「アンバサダーの渡辺直美が吉村崇とアフレコに挑戦で盛り上げ 大阪「サクヤルミナ」12月オープンへ」10/19(金) 13:13配信 - 大阪城公園よろず相談

 また、委託事業の中身に対して大阪市長が我が物顔で語るのもそもそもの筋からして奇妙な光景です。大阪市は事業を委託しているのではなく、「協力」していると吉村市長は言ってしまっています。民間の特定の営利企業に対する便宜をはかっている構図を自ら認めているのです。PMO事業における公私の癒着は相当なものと思われます。

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 この手の企画が今後も手ぐすね引いて待ち構えていることはまちがいありません。来年2月完成予定という劇場と連動して、公園を縦横に踏み荒らしていくでしょう。

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 私たちはふつうに街を歩いているだけで無理やりテーマパークの敷地内に引きずり込まれるようになります。また、それとは逆に、自由に出入りできていた場所から、部分的にではあれ、締め出されるといったことも起きてくるでしょう。

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 かつての排除は金儲けの準備のために行われるものでしたが、今や金儲けが直接的な排除となる体制に私たちの生活そのものが落とし込まれてしまっています。

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THE PAGE大阪「アンバサダーの渡辺直美が吉村崇とアフレコに挑戦で盛り上げ 大阪「サクヤルミナ」12月オープンへ」10/19(金) 13:13配信

大阪「サクヤルミナ」12月開始 アンバサダーの渡辺直美が吉村崇とアフレコ挑戦

 撮影・編集:柳曽文隆 THE PAGE大阪

 大阪城公園で12月15日から開催される体験型ナイトウォーク「SAKUYA LUMINA(サクヤルミナ)」の発表会見が19日午前、大阪市内のホテルで行われ、サクヤルミナアンバサダーの渡辺直美大阪市の吉村洋文市長をはじめ多くの関係者が出席し、開催に向けての意気込みを語った。

幻想的な光や音、映像を取り入れた体験型のナイトウォーク

 サクヤルミナは、大阪城パークマネジメントと吉本興業電通グループが共同出資する会社アルカナイトが、大阪城公園でナイトエンタテインメント事業を行うもので、カナダのモントリオールを本拠地とするデジタルアート集団「Moment Factory」が開発する体験型のナイトウォークだ。

 このナイトウォークは世界各地で開催され今回は9作目の最新作。開催地が持つ固有の文化や美しい自然などを盛り込み、幻想的な光や音、映像などを取り入れているという。

吉村市長「古き良き文化と最新のもので新しいイノベーション生まれる」

 会見冒頭には、大阪市の吉村市長が「大阪城公園大阪市の管理地ではありますが、民間のみなさんの力を最大限に発揮していただき、協力させていただいています。大阪城公園も様変わりしつつあるのかなと思っています」とあいさつ。

 「天守閣の入場者数が3年連続過去最高を記録しており、入らない人を含めると1000万人を超える方が大阪城公園で楽しんでいただいている。ただ夜の大阪城公園を十分に活用しきれてないのは問題であると思います。そこでルミナがやってきてくれるのはうれしいこと。公園が持っている古き良き文化と最新のもので新しいイノベーションが生まれると思います」と続けた。

 また、オープン前のプレイベントでの大阪市民の無料招待や、オープニングを記念した特別料金を期間限定で実施したいと話していた。

「世界に笑いを広げるということにインスパイア」

 会見では「サクヤルミナ」を開発したMoment Factoryの関係者も出席。「大阪の人々のフレンドリーなキャラクター、大胆さ、そしてイノベーションに対する情熱、常に前を向いている姿勢、吉本さんがミッションとしている世界に笑いを広げるということにインスパイアされています」と説明した。

渡辺直美と吉村崇が公開アフレコに挑戦

 また、大阪城公園が舞台の9つの章からなる物語を来場者が足で辿るナイトウォークで多様なメディアを使いながら、大阪城公園の土地ならではのユニークな体験を生み出すことから、会見に出席したアンバサダーの渡辺直美と、司会を務めた平成ノブシコブシの吉村崇が、実際に登場するキャラクターのアフレコに挑戦する一幕も。
 渡辺と吉村は、報道陣らが見守る舞台で、それぞれの持ち味を出しながら会場に映し出されたアニメ映像に合わせてキャラクターを声で演じきり、会見場を沸かせていた。

 サクヤルミナは、12月15日から3年間の常設を予定している

アンバサダーの渡辺直美が吉村崇とアフレコに挑戦で盛り上げ 大阪「サクヤルミナ」12月オープンへ(THE PAGE) - Yahoo!ニュース

ABCテレビ「大阪城公園に新観光名所「ルミナナイトウォーク」最新作 映像と音楽に包まれ幻想的な“夜の散策”」10/19(金) 20:11配信

大阪城を光や映像で彩る 体験型の“夜の散策”

 大阪城公園が、この冬、光や映像で彩られます。幻想的な夜の散策を楽しめる新しいスポットが誕生します。

 大阪城公園にオープンするのは「SAKUYA LUMINA(サクヤルミナ)」。世界中で楽しまれている「ルミナナイトウォーク」シリーズの最新作です。今回は、大阪城公園を舞台にした冒険の物語で、幻想的な光や音・映像で彩られた公園の中を実際に歩いて体験することができます。19日午前、大阪市内で発表会見が行われ、アンバサダーに就任したタレントの渡辺直美さんや、大阪市の吉村市長らが駆けつけました。吉村市長は「夜の大阪城公園が十分に活用しきれてない。そんな中で世界のルミナがやってきてくれるというのは、非常にうれしく思います」と話しました。「SAKUYA LUMINA」は、12月15日から3年間の常設を予定していて、前売り券は20日から販売されます。

大阪城公園に新観光名所「ルミナナイトウォーク」最新作 映像と音楽に包まれ幻想的な“夜の散策”(ABCテレビ) - Yahoo!ニュース

第12回「センターの日」のお知らせ

 第12回「センターの日」を10月20日(土)14:00〜17:00に行います。

 前回好評だった読書の秋企画は引き続き行いたいと思います。読まなくなった文庫本があればお持ち下さい。

 今回は焙煎見習いを募ってみようと思います。また、こんなことをやってみたい、やってほしいという企画案もお尋ねしてみようと思います。

 まじめなことからバカバカしいことまで、これまでにないことにチャレンジしていきたいと思います。

 あいりん総合センターは国道を挟んでJR新今宮駅の向かい側(西寄り)にあります。「センターの日」はあいりん総合センターの1階北側でやっています。

 これまでの報告はこちらから(第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回)。

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2018年9月15日(土)第11回「センターの日」──頼まれもせずあるがままに

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 今回は読書の秋ということで文庫本を中心に古本を用意して放出しました。歴史物とミステリーが人気です。

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 何がどうしたのか、14時に開始するやいなやコーヒーの列が途切れず、最終的に70杯近くにもなりました。もうかき氷の季節ではないだろうと思ったのですが、「かき氷なくて残念やなあ」という方もおられました。

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 今回は運営側の人数が少なかったので、1階と3階一人ずつでお話を聞いてまわりました。聞き取りは決まってネガティブな言葉ではじまります。

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 最初にお話をうかがったお二人も「今さらそんなことやっても意味ないよ!」と言っていました。しかし、こういうことをいう人はわりと話を聞かせてくれます。「けど、トイレが困るで」──一度に1000人の早朝求人が可能な規模で設計されたというだけあって、センターには広いトイレが4箇所もあります。仮移転先のセンターにこれだけのトイレが用意されるとは思えません。最初は「反対してもムダ」と言っていたのに最後には「けど、なんか言わんとあかんで」と言ってくださったのはリップサービスでしょうか。

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 次の方からは、センターの労働者の話を聞きたいと言うと「自分は労働者じゃないから」という答えが返ってきました。「こういうことをやるあなた方の心がけはすばらしいと思うけど、何を言ってもムダや。国のやり方はいつも決まっとる」といいつつ、かつて自分がセンターの娯楽室の利用改善のために働きかけたエピソードを聞かせて下さいました。「わしはムダだと思っとる。あなたも本当は半分はムダだと思ってるでしょ?」と言われると、苦笑いが出てしまいました。

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 本当に苦しい思いをしているのはセンターに集まる労働者です。ゆえに、ふと不安にとらわれたとしても、労働者より先に勝手にあきらめたり投げ出したりしてはいけないと思いなおします。

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 本当はまずここにいることが力なのだと思います。集まることにいいも悪いもありません。頼まれもしないのにあるがままに集まっていることはすでに意味を持っているはずです。

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カンパのお願い

 大阪城公園よろず相談の活動に賛同いただける方はカンパにご協力いただけると幸いです。以下の口座まで振り込みをお願いします。活動に関心のある方は一声おかけ下さい。夜回りや寄り合いのほか、哲学読書会やソフトボール大会、「センターの日」などの活動も行っています。

郵便振替

記号14080
番号32204771
大阪城公園よろず相談

郵貯以外からの振り込みの場合
店名 四〇八(ヨンゼロハチ)
店番 408
預金種目 普通預金
口座番号 3220477

2018年10月11日(木)夜回り・ネズミ捕獲作戦第一弾

 先日の台風はさいわい大阪への直撃は避けられました。しかし、和歌山県では被害が出たようです。まだ油断はできません。
 8/16のビラでは駆除業者に依頼し、毒餌の設置をしている最中、冷蔵庫の下にネズミが隠れているのが発見されたところまでお話ししました。
 さすがプロというべきか、いそうなところをのぞいていたら見つけてしまったのか、とにかく見つけてしまったからには業者としては捕獲を試みないわけにはいきません。
 冷蔵庫を取りかこみ、そこらにあるもので壁を作ります。二つ折りの粘着シートを開き、冷蔵庫の周りに敷きつめていきます。ところが、いざネズミをおびき出すとなるとなかなかうまくいきません。ベテラン社員さんいわく「あっちも危ないとわかってるから動きません」。冷蔵庫を浮かしてみるも最初に見つけた場所にはすでにおらず、さらに奥の方に入り込んでしまっています。
 壁際のくぼみに収まっている冷蔵庫を引っぱり出し、ネジを抜いて裏の金属製の板を取り外してみると、そこはネズミの巣になっていました。食料としてあめ玉やお菓子の袋があったり、暖をとるためにくつ下が引っ張り込まれていたり、快適な住空間が作り上げていました。何と忌々しい。ところが肝心のネズミの姿がありません。
 いることはまちがいないはずなので、叩いたりスプレーを吹いたりすることしばらく。「おかしいなー、やっぱりいないのかなー」と全員の気がゆるみはじめたころ、パッと飛び出したネズミは作った壁の隙間をすり抜けてそのまま対面の本棚の奥に逃げ込んでしまいました。一瞬のあいだに底面の蒸発皿を差し込むスリットに入り込んでいたのです。
 こうなると一からやり直しです。またバリケードを作って、本棚の本をすべて抜いて……などすると思うと気が遠くなります。もう時間も時間だということで、今回は撤収して、とりあえず毒餌にかかるのを待つことになりました(なかなか終わりませんね)。

「センターの日」のご案内
 釜ヶ崎のセンター1階で毎月第三土曜日の14:00〜17:00にコーヒーやお菓子を出して寄り合いをしています(今回は10月20日)。近くまで来られた際は気軽にお立ち寄り下さい。懐かしい写真の展示、文庫古本放出などもしています。

 

2018年9月27日(木)夜回り・一作目のゴジラを見ました

 こんばんわ。大阪城公園よろず相談です。

 先日の台風では、大阪城公園がえらいことになってしまいました。夜回りをして、みなさんの無事は確認できましたが、何メートルもある木が根こそぎバッタバッタと倒れている様子には驚きました。うわさによると、3600本の木が倒れたとか。

 先日の寄り合いのときに、倒れた木の撤去費用を算出する目的で、一人のヘルメットをかぶった作業員の方がメジャーとマップを持って、一本一本の木の大きさを測っていました。ど派手に横倒しになった木の写真を取りに来る観光客も後を立たないとのことでした。このようにインスタ映えしてしまった大阪城ですが、商業施設や駐車場に陣地を奪われて緑は減る一方のところに、台風で木がやられ、ちょっとした自然を享受できるところの都市公園としては、ますますその緑が失われる感があります。

そして安倍政権は権力を手放すことなく、3選目突入。正義も理屈も善悪も自然も、軽んじられる世の中。都合の悪いことは全てなかったことにする、戦争も、福島原発メルトダウンも、モリカケもセクハラも・・・。

 人類の悪の申し子であるゴジラが出現し、世界を破壊されたとき、人間は自分たちはなんとかよわき存在かと自らを憐れみ、自然の脅威を呪います。芹沢博士はオキシジェン・デストロイヤーという破壊兵器を発明しますが、巨大なる悪をさらなる悪で打ち倒すことに恐怖し、悩んだ末、しかし結局、人類を守るために破壊兵器を使用してゴジラを抹殺するのです。そもそもゴジラを目覚めさせたのは誰なのか。そのことを問わないまま、人類はより大きな力を手にする道に突き進んでいくのですが、しかし、自然に勝る力、神に勝る力などあるのでしょうか。おごれるものひさしからず・・・と平家物語にもあります。

 季節の変わり目で、気温が上がったり下がったりです。風邪を引かないように気を付けてください。気持ちの方もソワソワ落ち着かないかもしれません。

 葛根湯ぐらいしかありませんが必要であれば声をかけてください。