大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2018年9月17日(月・祝)寄り合い──倒木の風景

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 暑いのか涼しいのかはっきりしない曇り空の下、9月の寄り合いを行いました。日曜日の都合が合わないため、今月は祝日である月曜日の開催でした。告知の行き渡っていないメンバーは来れないかもと思いましたが、伝え聞いたのか、顔を出してくれる仲間もいました。

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 台風21号の被害の跡は前週の夜回りの時にも目にしていたものの、昼間に改めて見るとその凄まじさに驚きました。「公園にいたら、みんな写真を撮っていく」ようで、野次馬よろしく記録写真を撮りました。

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 作業服にヘルメット姿で倒木の点検をしている方がおられたので、何の作業がおききしたところ、撤去費用算出のための下調べをしているということでした。3,600本もの木が倒れたと聞いています。しばらくはこの風景が続きそうです。

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 今回の持ち寄りごはんでは、夜回りメンバーのSさんが大粒のぶどうを二つ用意してくれました。どちらも甘くておいしく、食事に彩りを添えてくれました。

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 涼しくなったといってもまだ蚊取り線香が手放せません。4つ焚いていたら「いくつつけるの?」とさすがに呆れられました。

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 今年の春、森ノ宮側の公園入口で、大量のカイヅカイブキを伐採していくつもの商業施設が作られました。「台風で傾いてしまったため」と2年近くロープで閉鎖されたまま、伐採され、伐採されなかったエリアでは未だロープが張られ、下草は伸び放題になっています。

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 「もともと根が浅く、倒れやすい品種」だとの説明だったので、今回の台風での被害実態を見てまわりました。カイヅカイブキにも根から倒れてしまったものも無くはありません。しかし、「倒れやすい」と警戒されるほどは倒れていないように思われます。

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 公園の入口には「YATAIフェス2018」という看板がありました。屋台というのはイベントの添え物のはずですが、観光客を呼ぶためには主役に格上げされるようです。「入場無料」とは恐れ入りました。

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2018年9月13日(木)夜回り・見えるもの見えないもの

 「これまでの人生で初めて台風の怖さを感じた」と71歳のKさん(大阪城公園)に言わしめる凄まじい自然災害から一週間あまり。みなさん大変な思いをされたことと思います。この被害で何かお困りのことがあれば、よろずにできる限りではありますが、気軽にご相談下さい。

 よろずの夜回りは19時にはじめるので、遅い時間帯から野宿しはじめる人たちとは行き違いになってしまいます。「22時を過ぎると第二寝屋川沿いももう少し人が増える」との話をお聞きしたので、先日22時半から回ってみました。せっかくなのでふだんは回らない桜之宮公園の方まで足をのばしたところ、10人くらいお見かけしました。

 2000年頃と比べれば野宿している人は「数えるほど」になりました。厚労省による全国調査によれば、大阪市内ではピーク時に6,603人(2003年)だったのが、現在は1,023人(2018年)とのことです。数字というのは不思議なもので、減少傾向にあると「そのうちゼロになる」「問題は解決しつつある」と思わせる魔術的な力があります。

 多ければ問題で、少なければ大したことではない。そんなものではないことを教えてくれるのは路上での出会いです。また、微力だからといってあきらめる理由にもなりません。未来は見ようとしなければ見えないものではないでしょうか。

「センターの日」のご案内

釜ヶ崎のセンター1階で毎月第三土曜日の14:00〜17:00にコーヒーやお菓子を出して寄り合いをしています(9月は15日)。近くまで来られた際は気軽にお立ち寄り下さい。弾き語りや懐かしい写真の展示などもしています。

 

第11回「センターの日」のお知らせ

 第11回「センターの日」を9月15日(土)14:00〜17:00に行います。

 まだまだ暑い日が続きますが、暦のうえでは読書の秋ということで、不要な文庫本を持ちよって放出しようと思います。自宅にもう読まなくなった文庫本や新書などがある方はお持ちいただけると幸いです。労働者のみなさんからも読み終わった本を寄せてもらって、本がぐるぐる循環する定期市みたいになったら面白いですね。

 また、今回はバッテリー搭載のプロジェクターを持ち込んで、スライドショーを試みます。みんなで壁面のスクリーンを見上げつつ、四方山話で盛り上がれたらと思います。

 3階でのビラまき(昼回り)では顔なじみになる方もできてきました。「直接話してみたい」「横で話を聞いてみたい」という方も歓迎します。「センターの日」では労働者の胸を借りた飛び入り持ち込み企画を歓迎します。

 これまでの報告はこちらから(第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回)。

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2018年8月30日(木)夜回り・つゆはぬるくてもめんで冷やせ!

 こんばんは。よろず相談です。

 まだまだ残暑が厳しく、過酷な毎日をお過ごしのことと思います。それでも老人ホームでの暮らしが嫌で、長居公園で野宿をしているおじいちゃんは、朝方は寒いよ〜!!と、言っています。

 先日のよろず相談の寄り合いでは毎年恒例のそうめん大会をやりました。そうめん大会では何年も前から、よろずの唯一の財産である「たらい」があって、たらいにそうめんと氷を入れて涼やかにみんなで食べています。そうめんつゆはAさんの手作りで、今年はなぜかちくわが浮いていました。ちくわのダシもでて、おいしかったのですが、大阪城公園には流石に冷蔵庫はありませんので、つゆがやはりぬるい! つゆがぬるいとぼやいていると、とにかくそうめんを氷でキンキンに冷やしてつゆにつければ大丈夫や!と言われ、そんなもんかとおいしくいただいた次第です。

 夜回りで寄り合いに行くわ!とおっしゃってくれていた人もいたのですが、当日はとうとう現れず……残念でしたが、また寄り合いの日時が決まり次第、告知いたしますので、遠慮なくお越しください。

 9月中旬くらいにまた名古屋でソフトボール大会があるようで、お誘いをいただいておりますが、参加するかどうかは検討中です。

 行きたいという人はぜひ声をかけてください。名古屋まで安物の車でドライブ! どうですか?

 ではでは。

 

2018年8月18日(土)第10回「センターの日」──現在を表す言葉

 前回に引き続き、かき氷を行いました。お盆を過ぎると嘘のように暑さが和らいだものの、用意した10ブロックの氷すべて使いきりました。練乳缶を用意したにもかかわらず、穴をあける道具を忘れたためにお出しできなかったのが心残りです。

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 今回は、いつも貼り出している1960年代の釜ヶ崎の写真に加えて、1970年代から1990年代当時の運動のビラも壁面展示しました。「わたしの屍体に手を触れるな/おまえたちの手は/死に触れることができない/わたしの屍体は/群衆のなかにまじえて/雨にうたせよ」ではじまる詩には身震いさせられるような凄みを感じました。

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 センターの移転・建て替え、縮小の流れに対して、「自分がまだ若ければ何とかしたい、闘いたい」という声をぽつぽつとお聞きするようになり、労働者のみなさんのなかには闘争の経験と記憶が生きていることに気づかされました。暴力手配師追放闘争が行われ、1998年には夜間開放が行われていたことを思えば、センターは今も昔も労働者のための場所であり、労働者が勝ち取ってきた空間であることがわかります。

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 センターにはさまざまな人たちが集まっています。1階と3階を比べてみてもそのことを感じます。生活保護も受けず、特掃も利用せずにシェルターに泊まったり、野宿したりという人もいれば、今は生活保護を受けながら、昔の仲間に会うためにセンターを訪れるという人もいます。センターはすべての人を受け入れて何らかの恩恵をもたらすといえば話としてはまとまりが良いものの、現実はもっと複雑なはずです。がんばった人ほど、自分を律するために握りしめていた規範で自縄自縛に陥ってしまうのではないかと気がかりになりました。

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 「センターなくなったら困る」という直接的な声もあれば、「センターなくなるのは仕方ない。自分はどこでもやっていけるけど、そうでない人もいる」、あるいは「先のことはわからないからギリギリまでいると思う」といったもう少し踏み込んだ声も聞いています。そのようにさまざまな思いや考えを口にしながら、今なおセンターにいること自体が一つの意思表示になっていると感じます。

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 「やられたらやりかえせ」「黙って野たれ死ぬな」に代わる、現在を表す言葉が口をついて出る場所があるとしたら、釜ヶ崎ではまちがいなくこのセンターではないでしょうか。

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カンパのお願い

 大阪城公園よろず相談の活動に賛同いただける方はカンパにご協力いただけると幸いです。以下の口座まで振り込みをお願いします。活動に関心のある方は一声おかけ下さい。夜回りや寄り合いのほか、哲学読書会やソフトボール大会、「センターの日」などの活動も行っています。

郵便振替

記号14080
番号32204771
大阪城公園よろず相談

郵貯以外からの振り込みの場合
店名 四〇八(ヨンゼロハチ)
店番 408
預金種目 普通預金
口座番号 3220477

2018年8月19日(日)寄り合い──今夏もそうめん大会(?)

 8月の寄り合いの持ち寄りごはんは毎夏恒例のそうめんにしました。今回もAさんがそうめんつゆを用意してくれました。おろし生姜も用意してくださり、「生姜は夏に食べても冬に食べてもいい」と格言のようなことを言っていました。

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 よろずのKさんがいつも用意して炊飯器のまま持ってきてくれる炊き込みご飯もおいしくいただきました。

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 よろずではこの前の週に大飯郡高浜町に研修旅行に行きました。対岸には4基の原子炉、足元の海は驚くほどきれいでした。

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 一緒に行った野宿の仲間も研修旅行を満喫してくれていたようです。

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 森之宮側では、水路の工事がはじまりました。あいかわらず何の告知もなく、何ができるのかも明かさないままに突然着手されます。

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 森の木を切り払って建てられたベーカリーやカフェが轟音をあげてエアコンの排熱を吐き出している姿は商業主義の暗部といったところでしょうか。公園にエアコンは要りません。

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2018年8月16日(木)夜回り・ネズミ駆除業者出動の巻

 久しぶりにわが家のネズミ対策の話を書きます。食料を戸棚やフタつきの容器に隔離したところ、食物への被害はなくなったものの、今度は壁や柱を削り、穴を開けて血路を開こうとしはじめました。もはや素人の限界と、プロに依頼することを決意するところまでが前回のビラ(5/10)のおさらい。

 インターネットで調べるとさまざまな駆除業者がさまざまな情報を発信しており、どこを信用したものかわかりません。「どこで死ぬかわからないから殺鼠剤は使わない」という業者もありましたが、マンションの管理会社側に用意されたこの業者は「ネズミの捕獲は極めて困難であり、殺鼠剤を使うほかない」というスタンス。殺鼠剤を使うにしても、子どもがいる家では特に屋内には設置したくないということで、天井裏に通ずる点検口を設けることになりました。業者の方が点検してフンがたくさん落ちているといいます。以前お伝えしたように、年末年始は天井裏を駆けまわるネズミの足音に悩まされていました。フンが落ちているのは当然としても、超音波発生装置を使うようになってからは天井裏の物音は落ち着いていました。すでに本命は屋内であるところで、天井裏に毒餌を置いて意味があるのでしょうか。

 業者さんはさすがにプロで、ペンライトで方々を照らして痕跡を見つけ出します。トイレのドアの下の隙間にも、ライトで照らすと爪で引っかかれた形でホコリが削れています。成体になっても人間の親指が入るくらいの高さがあれば入り込めるのだそうです。また、1メートルは飛び上がれるし、2メートルは余裕で飛び降りられるとのこと。ただし、戻れないところへは決して飛び降りない知恵も持ち合わせています。また「水さえあれば3ヶ月でも生き抜ける」そうなので、兵糧攻めは現実的ではないことが改めてわかりました。

 そうやってベテラン社員があちこち確認していると、なんと冷蔵庫の下に隠れているネズミが見つかりました。こうして駆除作業第1回目にして急遽、捕獲作戦に入ることになりました(つづく)。

「センターの日」のご案内

 釜ヶ崎のセンター1階で毎月第三土曜日の14:00〜17:00にコーヒーやお菓子を出して寄り合いをしています(8月は18日)。近くまで来られた際は気軽にお立ち寄り下さい。弾き語りや懐かしい写真の展示などもしています。