大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2023年9月28日(木)夜回り・露店、出店の愉しさ

 ようやく空気や空模様が変わってきたのを感じるようになりました。一番気が早いのはハロウィン商戦で、まだ暑い時期からオレンジのかぼちゃが商店街に目立つようになりました。ドラッグストアにはもうカイロが並んでいます。100円ショップでは、起毛の暖かそうな靴下や手袋が吊り下げられているのを見かけました。

 四天王寺では毎月21日、22日は縁日で、境内にはたくさんの出店があります。どこかの売れ残りを集めたような店もあれば、乾物を売る店、骨董品を並べた店もあれば、端っこにはガラクタをかき集めたようなおかしな店もありました。そのような風景を見ていると、ふとありし日の釜ヶ崎の露店(ドロボー市)を彷彿とさせられました。なるほど、これは露店的な愉しさなのだと思いました。

 固定された店舗と違って、その日だけ現れる出店で売られているものは、個性にあふれていて、つい足を止めて見てしまいます。これはいくらだろうと値札のついていない商品を見ていて、値段なんてあってないようなものなのだと気づかされます。こういう自由さが日常的にあったのが、釜ヶ崎の街だし、今もその可能性が生きているのだと思います。

 公園にテント村のある風景も、思えば単なる窮状ではなく、苦しいなかにも愉しみを見出して素朴に暮らそうとする姿が現れたものだったのかもしれません。イベント会場にされ、おしゃれなカフェのできた公園はそんな暮らしの愉しみ方を知らない人たちが作り出した遊園地にすぎません。よろずの寄り合いや「センターの日」はそんな愉しさに惹かれています。