大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2023年10月26日(木)夜回り・シェアリングエコノミーが目指すもの

 万博に合わせて大阪でライドシェアを導入しようという話が出ています。どうやらヒッチハイクを有料で仲介するようなことをスマートフォンのアプリを使ってやりたいようです。テクノロジーを使ってなんでもお金に変えようという流れの一つなのでしょうが、節約しているつもりで身体の芯まで搾り取られようとしているような気持ち悪さがあります。

 経済を循環させるのは生活を豊かにする手段であるはずなのに、ここでは主客が逆になっています。たしかにシェアリングエコノミーがこれまでにない価値を生み出しているところはあるのでしょう。しかし、価値を生み出しているのは「シェアリング」の方で、「エコノミー」がくっつくことで、それが新しいものだと錯覚させられているだけなのではないでしょうか。

 持っている人が限られたもの、あるいは余裕のあるものを誰かに貸してあげたり、共有したりすることはそれ自体価値を生み出しているはずです。そのような関係を作り上げること、あるいは関係が積み重ねられたところにそのような価値が備わるのが本来であって、それを無理やり作らされ、親切ごかしに値段をつけられ、勝手に売り物にされているような気持ち悪さを感じます。

 極端なたとえ話かもしれませんが、そのうち「野宿してもいい場所を任意で登録し、それをシェアリングする画期的な仕組み」なんてものが出てくるかもしれません。しかし、今の社会が向かっているのはそのような方向です。