大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2023年5月11日(木)夜回り・ヨーロッパの野宿者問題

 5月9日の日曜日に予定していた寄り合いはどしゃぶりの雨に見舞われたため、中止を余儀なくされました。

 昨年もこの時期はやたらと雨に降られた記憶があります。一度は夜回りを中止にしたものの、二度三度続くとまったくなくなってしまうので、カッパをかぶって自転車で回らせてもらいました。

 雨の日は寝場所を変えている人も多いので、夜回りをしても会えなかったり、雨ふりのなか訪問するのもかえって迷惑のように思われた時期もあったのですが、雨の日でもいつもの場所で雨養生して寝ておられる方も少なくありません。

 最近、“European Journal of Homelessness”というヨーロッパの野宿者問題をテーマにした雑誌の存在を知って、気になった記事を少しずつ読んでいます。たとえば、デンマークではキャンプ(野営?)を禁止する法律があって、違反を取られると、一定期間その自治体への立ち入りができなくなるそうです。オーストラリアでも、路上で過ごすこと自体が秩序を乱す行為などとして取り締まられたり、拘置所に入れられるために仕事や持ち物を失い、さらに生活が困難になることが紹介されていました。

 これらは犯罪だから取り締まられるのではなく、取り締まられることで犯罪が作り出されるもので、こういったことが犯罪化(Climinalization)という言葉で批判的に取り上げられていました。生きていくためにしなければならないことが、路上で行われているというだけで犯罪扱いされるのがそもそもおかしなことなのです。

 法律が差別や人権侵害を正当化するものであっていいはずがありません。そんな当たり前のことが分からなくなっていることが差別であり、人権侵害です。海外の話を知ることは、ふだん当たり前だと信じ込んでいることをうたがうきっかけを与えてくれます。