大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2022年3月3日(木)夜回り・大阪市の優しいまちづくり

 2/24付けの報道発表資料で、大阪市難波宮跡公園を観光客向けに作り変えることを発表しました。これは大阪城公園を皮切りに、天王寺公園長居公園などですでに実行されているものです。

 そのようにして大阪市は公園の利用者を選別したいのです。ひいては「優良な市民」と「そうでない市民」とを選別したいのでしょう。お金を落としたり、お金を稼ぐのは「良い市民」とみなされ、そうでない市民は二義的な身分を割り当てられます。「良い市民」のためのまちづくりが「みんなのため」であるように語られます。そこでは「二義的な市民」がやんわり排除されていきます。

 排除が厄介なのは、あの手この手で正しいことを言うところです。そして、排除に反対する側がまちがっているように思わせるのは簡単です。大阪市で起こっているさまざまなことがつながっています。たとえば西成特区構想は釜ヶ崎を「普通の街」にしたいのです。その上で「あなたたちのことは排除しない。あなたたちがより暮らしやすい街にするんだ」と語りかけます。賛成すれば片棒を担がされ、反対すればつまはじきにされます。

 「公園の価値が上がるよ」「快適になるよ」と言って、好き勝手にいじれるようにしたいというのが、大阪市の本音でしょう。公園は誰のものかといえば、もちろん市民みんなのものでしょうが、市民とは誰かを問いはじめると分断が起こり、反目させられているうちにことが進められてしまいます。

 正しいことの向こう側にある真実を見るためには、まちがいを突き抜けた先にあるものを見る態度が必要です。公園が誰のものなのかについては、じっくり考えていけばいいと思います。しかし、少なくとも大阪市の私物ではありません。大阪市は、市民のことすらも、思うように管理できる自分の持ち物か財産かのように思い上がっているのではないでしょうか。

 人を人として見ていないのに、その態度や言葉は優しいというのが、今の大阪の政治であり、行政なのだと思います。少なくとも私たちはそこに乗っかる必要はありません。

参考 大阪市:報道発表資料 難波宮跡公園(北部ブロック)整備運営事業者及び難波宮跡(南部ブロック)管理運営事業者を募集します