大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2021年6月24日(木)夜回り・ワクチン接種について/新今宮ワンダーランドとセンターのゴミ山

ワクチン接種について

 こんばんは!毎度おなじみよろず相談です。

 ギラギラと太陽が照りつけ、日中かなり暑くなりました。曇りの日や朝夕はまだいくぶん涼しいような気もしますが、そろそろ熱中症対策を心掛けて、安全に夏を乗り切って行きましょう。

 さて、世の中ではコロナワクチンの接種が徐々に進んでいるようです。先日、大阪城公園で野宿しているAさんのところに、巡回相談員が回ってきて、伝えられた話によると、家がなく、ワクチン接種券が届かなくても、最寄りの区役所に行けば接種券を発行してもらうことができるようです。会場の予約なども必要ですし、すんなり行くのかどうかわかりませんが、もし、ワクチン接種を受けたいという方がいればお手伝いしますので、声をかけてください。


 次回よろずの寄り合いは7月4日(日)13時からです。雨の場合は中止です。ぜひ顔を出して近況をお知らせください。

よろずメンバーの独り言

 先日釜ヶ崎の、あいりん総合福祉センターに行ってきた。久しぶりに行って、センター周辺に不法投棄のゴミがうず高く積もり、人がゴミに埋もれて寝ているという光景にショックを受けた。ゴミ山の向こうにいる労働者に「おーい!」と呼びかけると「なんやー」と返答。「この物品はあなた方のものですかー?!」と尋ねると「んなわけないやろー!全部他所から運び込まれて来るんやー!」

 シャッターが降ろされてはや2年が過ぎ、かつて日本最大の寄せ場と言われ、全国に名を馳せた日雇い労働者の街は今、労働市場の新たなシステムに押され、名実ともに解体されようとしている。人夫出し産業が空洞化した街の暴動や貧困のイメージを刷新し、天王寺の裏町的なエリアとして付加価値をつけ、「新今宮ワンダーランド」「来たらだいたい、なんとかなる」「多様性と包容力に溢れた街」なんてキャッチコピーで街を売り出しているのだ。

 その街の片隅で、難波宮で出会ったTさんが路上死したと聞いたのはまだつい最近のこと。「多様性と包容力に溢れて」いるはずなのに、この街では路上死がなくなっていない。誰がいつの間に捨てたのか、小さな悪意の集積のようなゴミ山が現れている。ここに人が住んでいることが見えないのか、ここを無法空間のように印象付けるためなのか、センターを廃墟と化して無きものにしようとする意図なのか、人間やその人々の生きた場所としての記憶、そういった尊厳なるものがこのように扱われていることに対して腹が立った。

 絶賛発売中の多様性と包容力に溢れた街では、人間がゴミに埋もれて死んでいく。それは野垂れ死ぬ人々への制裁のように見えた。