大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2019年8月1日(木)夜回り・毎月第3土曜日は「センターの日」/NO TAV運動の夕食会(イタリア報告その6)

毎月第3土曜日は「センターの日」

 毎月第3土曜日に釜ヶ崎のセンターで寄り合いをやっています。散髪やかき氷、映画上映などをして気取らない時間を持とうという取り組みはそろそろ2年になります。

 先日は、難波宮跡公園で寝ていたが、G20の警備がわずらわしいので、またセンターに戻ったいう知り合いの話も聞きました。路上と釜ヶ崎はゆるやかにつながっていることに気づかされます。よろずの寄り合いだけでなく、近くにお寄りの際はお立ち寄りいただけるとうれしいです。

NO TAV運動の夕食会(イタリア報告その6)

 夕食会に向けて豆腐とねぎのみそ汁を大きな鍋に仕込みました。材料のほとんどはトリノの市場の中華食材店で買ったものです。この中華食材店には日本で売っているままのカレールーや讃岐うどんの乾麺、だしの素なども並んでいました。

 小屋のそばの木の枝にはアルプスの少女ハイジに出てきそうな手作りのブランコが吊るされています。ニワトリやガチョウを飼育するスペースもあり、のどかな草原のなかで子どもたちは鬼ごっこを満喫しているようでした。

 夕食会に参加する人たちが徐々に集まり、友人に通訳してもらったり、お互いつたない英語でコミュニケーションをとりました。

ヴェナーウス村

 空き時間にこの小屋のあるヴェナーウス村を少し散歩しました。石積みの壁や、平らな石が敷きつめられた屋根の造りはこの村の伝統的な建築法なのだと教えてもらいました。

 新しく建てられた家もあれば、空き家になって半ば朽ちている家もありました。しかし、基本が石造りなので朽ちていても雰囲気がわかります。古い尖塔を残して新しい建物を造った教会もあり、このような再建法はイタリアにはよく見られるとのことです。

 家並みのあいだを歩いているとそこここに給水所があり、アルプスのおいしい水を飲むことができます。村のはずれ近い奥の方に喫茶店があり、ここで一息入れました。この辺りの、特に高齢の人びとは言葉にフランス語が入り混じっていて、イタリア語が堪能な友人にもわからないそうです。

夕食会の場所へ

 17時近くになり、何台かの車に分乗して夕食会の場所に向かいます。すぐに脇道に入り、山の中へ入っていきます。切り立った斜面の両側に年季の入った石造りの建物や壁がせまる、車一台通過するのもギリギリというような狭い道をずーっと走り抜けていきました。

 これらの建物はすでに空き家で、かつてはワイン用のブドウ作りが行われていたとのことです。こんな山奥までブドウを作るために入り込んだ人たちがいたことに驚かされます。そのような産業の要請があったということでもあるのでしょう。

 30分ほども走ったでしょうか。ひらけた渓谷に、山奥には似つかわしくないコンクリート造りの橋やアスファルトの道路が走っているのが見えました。ここで車を降りて、しばらく歩きました。

山奥の団結小屋

 目的地に着くと、急な斜面の上に掘っ建て小屋がありました。すでに多くの人が集まっており、最終的に20人近い人たちが木製のテーブルを囲みました。

 丸いチーズを包み焼きにしたこの土地の伝統料理だという一品や、キッシュのような家庭料理に舌鼓をうち、美味しいワインにのどを鳴らしました。私たちが用意したみそ汁も「ブォーノ(おいしい)」と味わっていただけました。

 谷の向こう側沿いに高速道路が走っており、眼下には問題のトンネルの工事現場があります。運動のなかではトンネル工事の騒音の測定といったアセスメントも行なっているようです。工事現場には軍事車両が停まっているのが見えます。この工事の反対行動により、一時的にこの一帯を占拠し、運動側で実効支配して「自由共和国」を名乗っていた時期もあるというから胸が熱くなります。

 しかし、排除の際には催涙弾を用いた激しい攻撃を受けたそうで、あちこちで見かけるガスマスクを付けた人びとをモチーフとした壁画はそういったわけかと納得がいきました(つづく)。