大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

12月27日(日)寄り合い——今年も年越しそば

 12月27日(日)は毎年恒例の年越しそばをしました。「そば用のつゆにした」とおなじみのAさんの語るそばつゆが今年も絶品でした。ふだんの持ち寄りごはんの時にも板前のキャリアを持つAさんが作ってくれるスープは、調味料を多用せずとも、素材の味を生かした美味しい仕上がりです。

 今年は2月の寄り合いの報告を最後に、寄り合いの記事を書いていませんでした。ふりかえれば今年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大一色で、5月から7月にかけては特別定額給付金に関する大阪市への申し入れも行いました。

 この状況で寄り合いをしていいのだろうかという迷いもありました。寄り合いというより、配食的な位置付けで、レトルトカレーとレトルトごはんを用意して行なった月もあります。その時に立ち寄って下さった方が、今回たまたま来られていて、久しぶりにお話しすることができました。大変な状況の中、どこでどうしておられるのかと気になっていたところ、再会して近況をお聞きできました。

 また、今回は生活困窮者の支援に関心があって、インターネットで見かけたよろずの活動に参加してみたいという方がいらっしゃいました。紙コップとビニール袋に一つひとつより分けて、から揚げとゆで卵を持ち寄って下さいました。ふだん夜回りでお会いする人たちのうち、昼間も居所のわかる人のところには寄り合いのご飯を差し入れすることにしているので、とても助かりました。

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 寄り合いの報告を書かないとブログは「センターの日」のことばかりになってしまいます。このブログは2016年2月末の大阪城公園市民の森の東家からの排除の後にはじめました。大阪城公園に600余りのテント小屋があった2002年頃から20年弱が過ぎ、路上をめぐる状況は変わりつつも、根本的なものは何も変わっていないと思います。しかし、そのことを示している人たちは減っています。

 新しく出会えるようになった人たちもいます。この人たちの歩む道もまた、変わらないものを示していくのかもしれません。しかし、その道はまだ現れていないように思います。また、それは、私たちがともに歩むことなくしては現れてこない道なのかもしれません。

 「センターの日」は2017年11月から始めました。釜ヶ崎の街とともに失われようとしているものは、守ろうとする前に、捕まえることすらおぼつかないもののように感じられます。捕まえることのできないものならば、こちらから捕まりにいこうとしたのが「センターの日」だったと言えるのかもしれません。しかし、まとわりついてくるものに馴染みきれないまま、3年の日々が過ぎてしまいました。

 私たちが目にしていることは大きな変化の一部なのだと思います。この変化は一部を見ているだけでは全体を見誤ってしまいます。しかし、その一部をも見ていなければ、変化に気付くことすらできません。近づくことと離れることとを同時に行なっていく必要があります。


 このブログやTwitterを通して、よろずの活動を知ってご支援下さった皆様に改めてお礼を申し上げます。この一年、二年は新聞でよろずの活動を取り上げていただくこともありました。基本的に地味な持続であるよろずの活動はわかりやすい成果を見せることができません。だからこそ、日々の活動報告をしっかりやっていく必要があるのかもしれません。しかし、今年は手が回りきらず、疎かになってしまいました。

 このような状況が来年になれば好転するのかどうか、正直自信がありません。この5年間やってきたことがまったく別物になってしまうのか、それともこの先に何かが見えてくるのか。いずれにせよわかるでしょう。