大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2018年4月29日(日)寄り合い──新緑の季節

 暖かくなって大阪城公園の木々の緑も勢いを増しています。

f:id:asitanorojo:20180507222813j:image

 一方、今回の持ち寄りごはんは茶色っぽいものになって失敗でした。やはり野菜は根菜ではなく、緑のものを選んだ方が良さそうです。

f:id:asitanorojo:20180507222849j:image

 久しぶりに顔を出してくれる仲間もいて、好天のもと良い寄り合いが持てました。

f:id:asitanorojo:20180507224638j:plain

 森ノ宮駅側の入口一帯の商業化も進んでいます。パン屋は野外のカウンター席のようになっていて、外国人観光客も含めて大勢座っていました。公園全体がものすごい人出でした。

f:id:asitanorojo:20180507223014j:image

 ロードトレインもひっきりなしに通過していきますした。観光客に商業施設をはしごさせるために走っています。

f:id:asitanorojo:20180507223054j:image

 水路の植え込みは相変わらず放置されています。そのうち、きらびやかに作り変えられるのでしょうか。

f:id:asitanorojo:20180507223141j:image

2018年4月26日(木)夜回り・さつまいも倶楽部

 こんばんは。よろず相談です。

 10年以上も前になりますが、長居公園のテント村の住人たちで、「さつまいも倶楽部」という農園を作りました。農園は藤井寺に今もあります。当時はみんな元気いっぱいで、長居公園から自転車で藤井寺まで行って皆で農作業をしていました。そこに引きこもりの若い子や自主保育の子どもたちも参加して少なくない人が出会いの中で生きがいにも感じながら農園に通っていました。収穫物は街で販売したりして、喜ばれていて、今も常連さんがいるんだそうです。

 今年の3月から私もちょこちょこ行くようになり、農作業に参加しています。はじめた当初とはメンバーはだいぶ変わっていますし、まわりには新築の一軒家が立ち並び風景も少し変わりました。春になると毎年のようにじゃがいもの種いもを植えます。今年は私も手伝って植えてきました。先日は夏野菜のために土を耕して畝を作ったり、じゃがいもを植えたところの雑草抜きなどをしてきました。6月頃の、新じゃがの収穫が楽しみです。

 藤井寺の農園はもともと野宿の仲間が作ったところ。子どもや障害のある人も一緒にやろうということでゆる〜く続いてきました。とは言ってもやはり農園を守るために努力を惜しまない人もいたからこそ続いたのではありますが。

 夏になれば暑すぎて、冬は寒すぎてやってられないのが現実ではありますが、今の季節は、空は広いし、鳥が鳴いてるし、今の季節は本当に気持ちが良くて、のんびりできます。

 テント村があったころからこのようにいろいろな自主的な活動が取り組まれてきました。今はテント村もつぶされて「野宿は肩身が狭い・・・」という状況ですが、「どうとでも生きていくのがわしらの強みや」という言葉を聞くと、こちらがいつも励まされてしまいます。いろいろな大変な状況でも自立的な気持ちを持って生きていることが人を元気づけるということもあります。

 とはいえ・・・無理せず、何かあれば声をかけてください。

 

2018年4月21日(土)第6回「センターの日」──寒さより暑さが気になる季節の気配

 ようやく暖かくなって、寒さより暑さが気になる季節の気配を感じます。センターに向かう道すがらも、ゆったりした気持ちでリアカーをひけました。13時半からはじめたところ、最初から人の集まりがよく、多くの方が立ち寄ってくださいました。

f:id:asitanorojo:20180501152318j:image

 今回からキャンプ用の折りたたみ式のテーブルを用意して、その上でコーヒーの準備をしました。春になっても吹き抜ける風は強く、カセットコンロ1台では湯沸かしが追いつきません。1杯のコーヒーを淹れるのにだいぶお待たせしてしまいました。

 今回も、写真を増やして壁面写真展を行いました。昔の通天閣や新世界の写真は華やかで目を引きます。もともと日本橋の辺りにあった木賃宿街が、第5回内国勧業博覧会によって移転させられたのがこの釜ヶ崎のはじまりです。

f:id:asitanorojo:20180501152500j:image

 1994年の釜ヶ崎の写真を見ながら、震災直後の溢れるような求人について話して聞かせていただきました。トラックを運転して、一回行って帰るだけのやりきりで日当がもらえ、この景気ならこの先10年は大丈夫だと感じたそうです。ところが、4月に入るとやはりパッタリと求人は途絶えてしまったのだとか。「震災特需」はほんの一瞬の夢だったのかと、当時のお話を興味深くお聞きしました。

f:id:asitanorojo:20180501152523j:image

 1回目の「センターの日」に来て、こたつでたくさんおしゃべりしてくださった方が久しぶりに来てくださいました。お話から釜ヶ崎を中心として、何とか食べて行くための情報の一端を知りました。この日は大阪城公園辺りまで歩いて行ってきたのだそうです。ほんの少しだけ身の上話もお聞きしました。

f:id:asitanorojo:20180501152608j:image

 この日は隔週土曜日にセンターでやっているという炊き出しもありました。そこで配られるパンをひとつ分けてもらって食べました。口に入れるとひんやりとしていて、配布前までいったん冷凍されていたようです。分けてくださった方が「おなか壊すで!」「正露丸飲んどき!」とあおるので笑ってしまいました。他の人にも訊くとスーパーの袋いっぱいのパンで「3日はもつ」とのことです。肉まんも含まれていて、温めればおいしそうですが、なかなかそうもいかないでしょう。

f:id:asitanorojo:20180501152635j:image

 今回は知り合いが東京から飛び入り参加で運営の手伝いをしてくれました。東京の寄せ場の近況をお話しいただいたのですが、ご満足いただけるような「濃い」情報提供までにはいたらなかったようです。「センターの日」も、毎回いろんな現場のゲストをお呼びして情報提供ができれば、より盛り上がりそうです。

f:id:asitanorojo:20180501152706j:image

 今回も予定を延長して17時頃まで行いました。釜ヶ崎銀座通りでは2月から3月にかけて無料駐輪場が新設されました。その横に停められた自転車には違法駐輪を警告するタグがつけられています。無料駐輪場が作られたことで、それまでふつうに停められていたものが違法扱いされてしまうなんて本末転倒ではないでしょうか。まずは労働者の暮らしを第一としなければ釜ヶ崎の「まちづくり」は名ばかりのものになります。

 釜ヶ崎は労働者が作った街であり、センターもまた労働者が日々の暮らしを通して作っている場所なのだと思います。

カンパのお願い

 大阪城公園よろず相談の活動に賛同いただける方はカンパにご協力いただけると幸いです。以下の口座まで振り込みをお願いします。活動に関心のある方は一声おかけ下さい。夜回りや寄り合いのほか、哲学読書会やソフトボール大会、「センターの日」などの活動も行っています。

郵便振替

記号14080
番号32204771
大阪城公園よろず相談

郵貯以外からの振り込みの場合
店名 四〇八(ヨンゼロハチ)
店番 408
預金種目 普通預金
口座番号 3220477

「ありがとうオシテルヤ本館 クライマックスウィーク」のお知らせ

 よろずも日頃からお世話になっているオシテルヤのフリースペース(本館)が閉館することになりました。閉館にあたり「クライマックスウィーク」と称してお祭り騒ぎになるようです。

 オシテルヤそのものは存続しますので、この機会に遊びにいらしてください。以下は告知ビラよりの紹介です。

「ありがとうオシテルヤ本館 クライマックスウィーク」のお知らせ

 長年フリースペースとして親しまれてきたオシテルヤ本館が取り壊しのため閉館することになりました。つきましては、ゴールデンウィーク中、イベントを開催いたします。旧知の友と再会されるもよし、思い出に浸るもよし、新しい出会いのきっかけになるのもよし。期間中は本館を開放し、いつでも立ち寄ることができます。オシテルヤの歴史を振り返り、改めて出会いなおすための企画も準備していますので、お誘いあわせの上ご参加ください。 

f:id:asitanorojo:20180421173414j:image

4/29(Sun) 狛犬修行ライブV 於:難波屋

《今回の御神体》ジェロニモレーベル

13時開場 /13時半開演 /投げ銭

4/30(Mon) 会場設営日

本館は開放しています。

5/1(Tue)-5/2(Wed)掘り出しもんいっぱいガレージセール 於:本館横駐車場

(1 日目)11 時~15 時

(2 日目)10 時~15 時

12時から貧乏メーデーパレードチンドン楽隊

イカ焼きもあります。

5/3(Thu)昼 於:オシテルヤ本館2階お座敷スタジオにて

公開記念セッションレコーディング

5/4(Fri)なか日

ゲスト歓迎〜! 本館は開放しています。

5/5(Sat) 遊びに来てな!マジックペン持参! 子どもまつり:本館横駐車場

子ども炊き出し カレーうどん(無料)12時配食

イカ焼き 駄菓子 わたがし たこパ 歌と楽器演奏

けさまるさん来場

取り壊し前の本館に寄せ書き大会・・・など

5/6(Sun)は大人の日 一日限定BAR開催! 於:本館横駐車場

ベトナム人家族の日本定住を応援するベトナム家庭料理BAR

一皿 300 円/2 時から 7 時くらいまで

5/6(Sun)昼 於:本館1階長居公園元気ネット主催祝20周年! 元気まつり座談会

お題「元気まつりの今後について」

5/6(Sun)夜 佐藤零郎監督作品(2007年/63分) 「長居青春酔夢歌」野外上映会 於:本館横駐車場

 長居公園テント村強制代執行から11 年。世界陸上開催を理由と した行政代執行が長居公園テント村に迫っている。代執行当日、住人た ちと支援する者達は芝居で排除に対抗する。

19時開演/入場料カンパ500円

問い合わせ先

〒546-0033 大阪市東住吉区南田辺 5-11-20

06-6608-0078

  • 期間中は駐車場が使えません。近くのパーキングを利用 されるか交通機関でお越しく ださい。
  • なくなるのは本館だけです。他の事業や活動は継続しますので今後もお願いします。

第6回「センターの日」のお知らせ

 第6回「センターの日」を4月21日(土)13:30〜15:30に行います。

 今回の写真は1965年の今池ロータリーです。

 そろそろこたつが似合わない季節になってきました。夏になったらかき氷でもやりましょうか。

 これまでの報告はこちらから(第1回 第2回 第3回 第4回 第5回)。

f:id:asitanorojo:20180418103827j:plain

2018年4月12日(木)夜回り・「公園の時間」

気がつけば夕暮れ近かった。

遠くに街の音を聞きながら、

他愛ないことのあれこれを考えていたら、

木もれ陽の心地よさに、

居眠りしていたようだ。

 

結局今日は何もしなかった。

何ひとつ考えが浮かんだわけでもない。

でも、ここへ来るまであった。

追われるようなあの焦燥感は

どこへ行ってしまったのだろう。

 

風におよぐ雲や小鳥のさえずりが、

木々の緑と花々の彩りが、

土のにおいとぬくもりが、

僕のからだ中にしみ込んで、

心を豊かにしてくれたような気がする。

 

こんな時間の過ごし方は忘れていた。

いつも何かをして外に働きかけ、

何もしていないと落ち着かない。

自分を解放すれば、

実に様々なものが話しかけてくれる。

 

何もしなくてもいい空間。

街とは違う時間がここには流れている。

こんな公園がもっとあれば、

いや、公園のように街が変われば、

人生はもっと豊かになるかもしれない。

(『大阪発・公園SOS』225-227頁より孫引き)

2018年3月28日(木)第15回哲学読書会『自由の哲学』2

 前回に引き続き、シュタイナーの『自由の哲学』を読みました。今回は第Ⅱ部でした。

 シュタイナーのこの本は、実在論と観念論、一元論と二元論といった、基本的な概念をふまえて書かれています。シュタイナー自身は両論の縛りを解かれた直観と思考の世界へと読者を導きます。

 シュタイナーのこの立場からは、ベルクソンやデューイ、タルドといった同時代の思想家たちを連想されるようなところがあります。これ自体がこの時期に登場した哲学的立場の一つだったように思えます。

 思考を導く鍵となる「直観」とは何なのかまではこの本では語られません。もしかするとこれ以降のシュタイナーの神秘哲学はこの辺を掘り下げたものなのかもしれません。

 依然として議論についていけなかったという人も多く、じっくり読めばいろんな哲学的立場を理解することもできそうです。そこで、次回からは今一度『自由の哲学』をテーマに、今度は数章ずつ小分けにしてじっくり読んでいくことにしました。当面第Ⅰ部だけを対象に、1〜3章、4〜5章、6〜7章を、3回に分けて読んでいきます。