前回に引き続き、シュタイナーの『自由の哲学』を読みました。今回は第Ⅱ部でした。
シュタイナーのこの本は、実在論と観念論、一元論と二元論といった、基本的な概念をふまえて書かれています。シュタイナー自身は両論の縛りを解かれた直観と思考の世界へと読者を導きます。
シュタイナーのこの立場からは、ベルクソンやデューイ、タルドといった同時代の思想家たちを連想されるようなところがあります。これ自体がこの時期に登場した哲学的立場の一つだったように思えます。
思考を導く鍵となる「直観」とは何なのかまではこの本では語られません。もしかするとこれ以降のシュタイナーの神秘哲学はこの辺を掘り下げたものなのかもしれません。
依然として議論についていけなかったという人も多く、じっくり読めばいろんな哲学的立場を理解することもできそうです。そこで、次回からは今一度『自由の哲学』をテーマに、今度は数章ずつ小分けにしてじっくり読んでいくことにしました。当面第Ⅰ部だけを対象に、1〜3章、4〜5章、6〜7章を、3回に分けて読んでいきます。