大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2016年9月11日(日)寄り合い

 定例寄り合いを行いました。今回も多数の方にご参加いただき、持ち寄りご飯も充実していました。写真には写っていないものもあります。

 この後、デザートとしてメロンやイチジク、菓子パンの差し入れもいただきました。旅行のお土産としていただいた漬物はみんなで分けました。

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 食後はこの日のために買ってきたコーヒーを淹れたのですが、例のごとく写真を撮り忘れました。

 今回はおすすめの書籍を持ち寄って、路上文庫を試みました。今後も定例化して行うかもしれません。原口剛さんの新刊『叫びの都市──寄せ場、釜ヶ崎、流動的下層労働者』もお持ちいただきました。

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 将棋もさしていました。今後はもう少しレクリエーションを工夫してもいいかもしれないと思いました。秋のソフトボール大会の日程調整も進めています。

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 寄り合い報告としては余談となりますが、東屋は盆明けに解体工事が始まり、白鉄板で囲われています。この日、隙間から覗くと解体はほとんど完了しているようでした(下の写真は8月18日の夜回りの時のもの)。

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2016年8月28日(日)第3回哲学読書会『ツァラトゥストラかく語りき』2

 前回から少し間が空いて第3回哲学読書会は引き続き『ツァラトゥストラかく語りき』の第二部を扱いました。

 冒頭、Kさんがテレビドラマの『家売るオンナ』に触れ、第7話で白州美加に対する主人公の三軒屋万智はまさにツァラトゥストラであったと指摘しました。売却され取り壊されることになった実家を守るために、三軒屋に対峙して白州は人が変わったように努力するものの、努力虚しく、最後の抵抗で現場で立てこもります。自分の過去を白州に語り、白州自身が過去から解き放たれることを説く三軒屋万智の姿が超人になぞらえられているのではないかと言うのです。実際『ツァラトゥストラ』はいろんな作品、映画や歌詞などに取り入れられている例が多く見られることをSさんが教えてくれました。難解で取り付きにくい面もある『ツァラトゥストラ』ですが、一度触れておくとじわじわ効いてくる一冊なのかもしれません。

 中身の議論については、すでに最後まで読み終わって何度も読み返しているというKさん、Sさんの意見に押され気味ではじまりました。僕自身は自分なりの理解の仕方を模索しながら読んでいて、ようやくとっかかりが見えてきたかなというところなので、細かいところの解釈までは追いつけません。お二人の意気込みにこちらも応えなければと思うとともに、少し手加減もして欲しいところです。

 第二部はツァラトゥストラが弟子たちを見限る構成になっていて、第三部以降は弟子たちは出てこなくなるそうです。第二部では、弟子たちの反応に対してツァラトゥストラが「首をふる」という描写がやたらと目立ちます。また、「せむし男」に対する会話のなかで、すでにツァラトゥストラは弟子たちに語っているようで弟子たちに語っていないことをうかがい知ることもできます。僕自身は読んでいてまったく気づいていなかったので、こんな仕掛けがあったとはと驚きました。

 『ツァラトゥストラ』で言われている超人とは、完璧な人間や何か突き抜けた能力を持つ存在ではなく、常に迷い、傷つきながらも自らの意思を持って歩み続ける普通の人間の生き方を指しているように思われます。ツァラトゥストラ自身も「自分は人間と超人との架け橋だ」というふうに語っていて、超人そのものというわけではなさそうです。第二部だけを取っても駱駝・獅子・幼子の変化は一過性のものではなく、ツァラトゥストラの中で繰り返されています。『ツァラトゥストラ』は近代という時代を生きるすべての人たちにとって当たり前の生き方を、苦しみながらも受け入れ、肯定しようとした歴史的な書物ということかもしれません。

 最後にKさんから、この『ツァラトゥストラ』で哲学を好きになる解説書を書きたいという提案がありました。「この一冊(ツァラトゥストラ)をきっちり読んだら万事のためになる」というような解説書です。Kさんが『ツァラトゥストラ』に興味を持ったきっかけはとあるプロ野球選手が読んでいると知ったことでした。また、Sさんによれば若者たちに人気のあるバンドの歌詞に『ツァラトゥストラ』が取り入れられている例があるそうです。今を生きるわれわれにとって哲学への関心が高まってるなら『ツァラトゥストラ』はやはり今読まれるべき重要な一冊ではないかと言うのです。

 まだ全員が読み終わってもない段階で聞くには壮大なプランです。しかし、『ツァラトゥストラ』を読んでいると確かにこの時代がどんな時代であり、どのように生きていけばよいかを考え抜いてきた人々の知的な積み重ねそのものへの理解が深まるような感じがします。この読書会の地道な継続もまた、良き生き方を考える歩みになると思われます。

2016年8月7日(日)寄り合い─―そうめん大会

 今回の寄り合いは毎年恒例のそうめん大会でした。

 よろずからはそうめん30束と薬味類、釜飯を用意していきました。そうめんつゆは大阪城公園で野宿するAさんが作って下さいました。

 夕方まで生ぬるい暑さの一日でしたが、みんなで食べるそうめんは格別でした。

今回も食べる前に写真を撮るのを忘れました

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東屋の取り壊しの告知、なぜか具体的な日付はなし

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2016年7月17日(日)寄り合い

 今月の寄り合いはスケジュールの都合から哲学読書会の後に実施することになり、持ち寄りご飯の用意の時間がとりづらいことから、前夜にカレーを仕込んで持って行くことにしました。
 以前カレーにした時も感じたことですが、外で食べるカレーは妙に美味しく感じられます。みんな積極的におかわりをしていたので、鍋二つ用意したカレーはみるみるなくなりました。
 今日は他の現場で活動する支援者二人も参加してくれて、秋のソフトボール大会の計画を立てました。
 この春に入院して退院後は生活保護を受けることになったKさんも顔を見せてくれました。

カレーの写真を撮り忘れ、余ったご飯で作ったおにぎりの写真

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太陽の広場の「大阪城ウォーターパーク」が開設されていました

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サーカスのテントのような仮設感が漂っています

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ハウステンボスの宣伝スペース力入りすぎ

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ロードトレイン?聞いてないぞ!

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2016年7月17日(日)第2回哲学読書会『ツァラトゥストラかく語りき』1

 第2回哲学読書会はニーチェの『ツァラトゥストラかく語りき』の第1部について語り合いました。
 任意の章から話し始め、関連しそうな章と章を行ったり来たりしながら解釈を深めます。そうして読み合せていると、独立しているかに見える章も実はつながりがあり、前の章の内容が次の章の展開に対応しているらしいことに気づきます。
 例えば冒頭の「三つの変化について」に続く「徳の講座について」は、若者たちに尊敬されている賢者の講座に対してツァラトゥストラが内心でダメ出しするといった内容です。これからツァラトゥストラの教説が始まるにあたって、既存の権威を相対化するところから始まるわけです。
 終わり近くにある「子どもと結婚について」は、表面的には男女の結婚の理想を述べているようで、本質は超人になるための生き方と関係のあり方を提示した重要な章に思われます。一見してニーチェの女性観が示されているかのような「老いた女と若い女について」を照らし合わせて読むと、この章がなぜこの場所に設けられているのか、いかなる意図で書かれているのか、多様な解釈が可能になります。
 「ここは素朴にこういうことを言っているんじゃないか」「いや、そんな俗なことをわざわざ言う必要はないから、ここにも何か比喩があるはずだ」とメンバーそれぞれの読み方と食い下がることで一人で読んでいるのでは出てこなかっただろう着想にたどり着くことができます。こうした今後の読書会自体を実り多いものにしていく作法が自ずと確認できたという意味でも今回の読書会は面白いものになりました。

2016年6月19日(日)第1回哲学読書会

 大阪城公園で野宿するKさん・Sさんのお二人が哲学に造詣が深いことから、この度哲学読書会をはじめることにしました。

 初回である今回は課題図書の選定と読書会の進め方を話し合いました。この読書会の企画が持ち上がった時には「カントの『純粋理性批判』を読もう」という話もありました。8人(+傍聴1人)による今日の話し合いの結果、ニーチェの『ツァラトゥストラかく語りき』を読むことになりました。

 きっかけは6月の寄り合いの際にKさんと数人のメンバーが話していたことです。とあるプロ野球選手が『ツァラトゥストラかく語りき』を読んでいると語っていたのを耳にしたKさんが、夜回りメンバーでもあるZさんにニーチェの思想について解説して話し込んでいました。ちょうど僕(筆者)も河出文庫版を買って読もうとしていると言ったところ、「それならツァラトゥストラを読もうか」という話になりました。

 今日は最初にKさんにニーチェの思想について解説してもらいました。19世紀の人間であるニーチェの言っていることが現代社会の状況に当てはまること、プラトン以来のギリシャ哲学やキリスト教の神、近代理性を批判し、プラトン以前に立ち返る自然回帰を唱えていることなど、これからどんな哲学書を読むとしても参照軸になるのではないかと考えました。

 『ツァラトゥストラ』は四部構成なので、月一回のペースで一部ずつ読み進めていくことになりました。各部にはいくつもの短いエピソードがつまっていて、毎回「ツァラトゥストラはこう言った」のような決め文句でしめられています。目次を見ているとテーマが多岐にわたり、一人一人が自分に合った部分を見つけられそうに思われました。そこで、各人が印象に残ったエピソードについて語り合う形で進めることにしました。

 次回読書会は717日の午前10時からになりました。都合のつく人は読書会の後に昼食を作って一緒に食べようと話しています。

2016年6月12日(日)寄り合い

 定例の寄り合いの持ち寄りごはんを行いました。

 屋根のない中、6月の寄り合いの天候を懸念していました。午前中は晴れていたのに昼前から曇りはじめ、13時過ぎにはポツポツ降りはじめました。

 大阪城公園の最近の動向や読書会などの打ち合わせで話し込んだのち、15時前にお開きになりました。

 この夏には太陽の広場にスライダー付きの有料の仮設プールが設けられるそうです。開催にからんでいるのはハウステンボスで、2013年、2014年と開催された大阪城3Dマッピングにもかかわっていました。この3Dマッピングは客足が伸びず、2015年には開催を見送られています。

 ハウステンボスの社長は「大阪城の使われていない所を有効活用して大阪の魅力を高め、多くの人に楽しんでもらいたい」などと記者会見の場で述べたようですが、太陽の広場は毎週のように複数のソフトボールチームの姿が見られます。

 森ノ宮入り口から入った噴水近くの売店も閉店し、ローソンが新たにできたようです。今日は猫カフェができるらしいという嘘かまことかわからないような話も聴きました。もはや大阪城と何も関係ありません。

ハウステンボス大阪城公園でプール施設 夏限定で開業(2016.6.9『日本経済新聞』)

 ハウステンボス長崎県佐世保市)は9日、7月16日から大阪市中心部の大阪城公園内で夏限定のプール遊戯施設「大阪城ウォーターパークbyハウステンボス」を開業すると発表した。長さ150メートルの「ウォーターロングスライダー」のほか、10メートルの高さから勢いよく滑って空中に飛び出す日本初の「ジャンピングスライダー」などが登場する。初年度の入場者数は30万人超を目指す。ハウステンボスで培った娯楽施設運営のノウハウを大阪に「出張」で持ち込み、収益拡大につなげる。

 施設は大阪城公園大阪城ホール横にある「太陽の広場」に登場する。敷地面積は約6900平方メートル。空気を使って膨らませる仮設の設備を使う。ロングスライダーはハウステンボスの2倍の4レーンを用意するほか、一気に滑り降りる「ウォータースライダー」や直径20メートルの巨大な3つのプールを開設。幼児向けの小型プールや、エアドーム室内に人工雪を敷き詰めたスノーパークも併設し、涼しい夏を楽しんでもらう仕掛けだ。世界のビールを集めたエリアも設け、関西圏の人だけでなく、急増中の訪日外国人客も含めた幅広い集客を狙う。

 同日、大阪市内で記者会見した沢田秀雄社長は「何億円も費用をかけてやるイベントで是非成功させたい。事業として成功しないと次はない」と強調。「大阪城の使われていない所を有効活用して大阪の魅力を高め、多くの人に楽しんでもらいたい」と述べた。

 期間は7月16日~8月31日で、営業時間は午前10時~午後6時。入場料は入園券とロングスライダー1回利用券がセットで、大人(高校生以上)が1600円、子ども(3歳~中学生)が1000円。フリーパス(入場券とロングスライダー終日利用券)は大人2000円、子ども1400円。8月11~15日の混雑日は大人で400円、子どもで300円上乗せする。

 チケットは5月23日からハウステンボスの公式オンラインショップのほかローソンで購入可能。7月15日までに買えば「早割」で100円引きとする。

 今回のイベントは、大阪府市などで作る大阪観光局の大阪集客策の一環。ハウステンボスとは2013年と14年の冬に大阪城天守閣に映像や光を投影するプロジェクションマッピングイベントを開くなど、協力関係にある。NHK大河ドラマ真田丸」放映で「大阪の陣」が話題だが、沢田社長は「(プロジェクションマッピングをやった)冬の陣に次ぐ夏の陣は『水攻め』だ」と話した。

 

大阪城3Dマッピング、この冬開催せず 事業者が撤退(2015.9.15『朝日新聞』)

 大阪城天守閣(大阪市中央区)をスクリーンに見立て、立体的な映像を映し出す「3Dマッピングスーパーイルミネーション」が、この冬は見られないことになった。2013年12月の初開催からわずか2年。「大阪の冬の風物詩」(松井一郎大阪府知事)にするとの期待は実らなかった。

 大阪府大阪市などでつくる大阪観光局と、テーマパークで実績があるハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)の共催だが、今回、どちらも手を引く。

 観光局の撤退は、主導した昨春の音楽イベントが1億円余りの赤字で失敗し、以後は「大型イベントを主催しない」と運営方針を変えたため。府幹部によると、HTB撤退は2年目に来場者が減った際、途中で同社が提案した大幅な期間延長が実現しなかったことが影響しているという。HTBは取材に「今冬の運営は当初から想定していなかった」(経営企画室)としている。

 ログイン前の続き大阪城での3Dマッピングは当初、13年12月から65日間で、目標を9万人上回る59万人が来場。HTBは8億3800万円の営業利益を上げ、観光局に数千万円を寄付した。2回目は14年12月から79日間に延ばし、来場者の目標も80万人へ引き上げた。

 松井氏は「目標のクリアが大阪・関西のにぎわいにつながる」と意気込んだが、結果は34万6千人で、営業利益も2億7600万円へ落ち込んだ。HTBは「あべのハルカスなど、周囲にプロジェクションマッピングを見られる場所ができたため」(同室)と分析する。

 大阪城公園の指定管理者「大阪城パークマネジメント共同事業体」は取材に対し、「HTB以外の事業者が出てくれば再開を検討するが、今のところはない」(担当者)と話す。(太田成美)