1. 花見を開催しました
前日は一時雨の予報もあり、中止の検討もありましたが、当日朝の天候を見つつ、2017年4月9日(日)に花見を開催しました。大阪城公園のみなさんに場所取りしていただき、市民の森北部のシーズン限定のバーベキューゾーンで炭火で焼肉を行い、飲み食いしました。
Uさんがご近所の行きつけの肉屋で安くて美味い肉を大量に仕入れて下さいました。一口食べて「あれ? 何これ美味しい……」と幸せなひと時をみんなで共有することができました。全部で40名近い方にご参加いただき、たくさんのカンパもいただきました。ありがとうございました。以下にご報告いたします。
収入
カンパ 37358円支出
酒、野菜、ジュース他 10866円
肉 15000円
駐車場代 1200円
合計 27106円
2. 公共空間の商業化
バーベキューゾーンの謎
ところで、満開の桜で賑わうバーベキューゾーンのこの風景を見て、不思議に思うところはありませんか?
整然と立ち並ぶターフテントがとても美しいですね。花見客に人気のあるメーカーの商品なのでしょうか。もちろん、そんなはずはなく、これらはすべて業者のテントです。大阪城公園のバーベキューゾーンは無料で開放されており、誰でも自由にバーベキューをしていいはずですが、業者が大量にテントを張って場所取りをしているのです。
名目上はバーベキュー機材のレンタル、商材の手配のサービスであり、その一環としてターフテントの貸し出しが含まれているということになっています。簡易テーブルを見ると、予約した顧客名や利用時間の記載が見られます。
公益性放棄と利益供与の仕組み
どうやら、昨年から業者による場所取りが許可され、売り上げの一部をパークマネジメント事業体に支払うことになっているようです。パークマネジメント事業体は大阪城公園内で売店の設置、イベント企画等をして収益を上げる見返りとして、公園管理を行うことに加え、年間約2億円を大阪市に支払います。
この2億円の中に、バーベキュー業者からの支払いも含まれることになりますが、これは市民が自由に使える場所である「公園を売った」値段です。花見の一等地を利用するには、業者に金を払わなければなりません。「公園を売った」金は市民に支払われるわけではありません。また、このお金はそもそも市民が支払ったお金でしかありません。要するに、「私たち市民の公園」に「私たち市民が支払ったお金」がパークマネジメント事業体や大阪市のものになっているのです。
公園の一番魅力的なところ(業者にとっては「一番おいしいところ」)が切り取られ、市民はそこにお金を払わなければ楽しめないような公園が作られていきます。そして、この大阪城公園パークマネジメント事業では、事業体と業者のあいだで、いつ、どんな契約が結ばれたのかを知ることができません。このPMO事業というのは、公園の公益性を確保しながら負うべき行政の説明責任を、事業体を挟むことで放棄するための仕組みと言えるでしょう。
商業化・有料化で市民の得になることは何もない
このような公共空間の商業化は、現在の大阪市で一斉に仕掛けられています。「にぎわい創出」の名の下に、もともと魅力のある公共空間の周りに商業施設を作り、公共空間の魅力をその商業施設の魅力として食いつぶそうとしています。
先日、大阪城公園の周辺に商業施設を作る計画が発表されました(参考)。商業施設のそばに森林公園があれば、商業施設の利用者にとっては魅力的でしょう。しかし、そうなることで大阪城公園の魅力が向上しているのでしょうか? 商業施設の魅力向上に大阪城公園が利用されているだけで、公園本来の魅力は毀損されているはずです。
「てんしば」としてリニューアルされた天王寺公園はどうでしょうか? フットサル場やドッグラン、タリーズなどの有料施設を取り払ってみれば、そこに残るのは雨宿りする屋根や樹木の日陰もなく、座って休めるベンチの一つもない単なる空き地です。
見た目のはなやかさ、にぎやかさにごまかされず、現実を見通す想像力を鍛えなければ、いずれ私たちはきらびやかな廃墟に立ち尽くすことになるでしょう。