先週の土曜日は、東京から来たお客さんに大阪城公園を案内しました。かつては話題に事欠かなかった大阪の維新政治について、あまり耳にすることもなくなった現在、実際の大阪はどんなふうになったのか知りたいということだったので、民間委託後の大阪城公園の惨状を紹介しました。
森ノ宮の噴水の近くは、もともとあったカイヅカイブキの林をまるまる切り倒して、桜の木が植えられました。この桜は市民の寄付金によるものです。木を植えて欲しいと思って寄付をしたら、そのために別の木を切り倒していたと知って、ショックを受けた人もいます。
もともとある遊具広場と隣接して、有料の児童遊戯施設があるのもびっくりです。これまた森の木を大量に伐採して作られたクールジャパンパーク大阪と称する劇場の演目はどう見ても日本人向けでしかないし、公園の中に作らなければならない理由がまったくありません。
大阪城公園駅の方に造られたフードコートのペデトリアンデッキは日差しをさえぎり、木を枯れさせてしまいました。大阪城を見下ろせるという、難波宮跡公園の近くに建造中の高層ホテルも同じ問題を引き起こすでしょう。サクヤルミナというナイトイベントの機材がくくりつけられていた飛騨の森の木々には、今もその痕跡が残っています。
大阪城公園は「公園の活性化」の成功例として扱われています。しかし、その活性化とは、消費者を呼び込んだだけです。もともと魅力的な公園の中に消費施設を作れば、施設利用者にとっては魅力的でしょう。しかし、公園に安らぎやくつろぎを求めてやってきた人たちにとっては、余計なものでしかありません。
今の大阪は、消費者とそうでない人とを分けて、消費者を喜ばせることで成功をアピールし、消費ではない部分は無視されています。野宿する人々の事情などもとより無視されている社会ですが、存在を無視され、むげにされている範囲は恐ろしい速度で広がっています。しかし、それにひるんだり、遠慮したりする必要はありません。
今月は寄り合いはお休みをいただきます。その代わり、次回の寄り合いは5月の第一日曜日を予定しています。寄り合いは自由な公園を取り戻す非暴力直接行動です。みんなで楽しんでやりましょう。