前回の夜回りの際、平日だというのに大阪城公園南側の駐車場には80台近いバスが停まっていました。一晩の最大利用料金が5000円なので、これだけで何十万円という収益です。
目的地の見せ物がどんなものであれ、駐車場は人が来れば儲かります。交通インフラもそうで、万博が失敗したとしても鉄道会社やバス会社は何もないよりは格段に儲かるはずです。
大阪城公園の市民の森には、万博と何の関係もないのに血税をムシャムシャ食らう赤青のモンスターが設置され、例年なら植木市が開かれている場所は万博に子どもを送り込むための待機テントが張られています。
太陽の広場では万博期間に合わせて「グルメエキスポ」と称した屋台村が設置されており、誰もいない夜中に騒音をまき散らしていました。目玉は客に自分で冷凍餃子を焼かせる「ギョーザステーション」です。
市民の森の壊れたベンチはもう1ヶ月以上放置されています。フードコート近くに新しくできたベンチをよく見ると寄贈品のタグがついていました。
難波宮跡公園の北側にできた「なノにわ」には、スマホで史跡の再現画像を映し出すQRコード付きの看板が立てられていますが、南側の本来の史跡部分に新設されたのはただの看板です。これもコインパーキングとレストランを作りたかっただけなのでしょう。
東横堀川、本町橋界隈はやはり万博を口実に橋脚がライトアップされ、「調査カメラ」と称して市民を監視しています。
一つ一つ見ていくとおかしなことばかりです。しかし、それに気づかせず、気づかれても認めなければ勝ちのゲームのようになっています。下手な批判をするより理解を示すのが利口だと考える人は気づかないうちにゲームに参加させられているのです。
まちがいをおそれず、幻想から抜け出すきっかけとなりうるのは、排除されている「誰か」に気づくことであり、そこには連帯の兆しも見出せるはずです。