大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

「野宿者および不安定居住者に対する特別定額給付金についての要望」を提出してきました

特別定額給付金にかかわる要望書

 本日、大阪市長宛に「野宿者および不安定居住者に対する特別定額給付金についての要望」を提出してきました。釜ヶ崎のセンターと大阪城公園からも仲間が大勢参加してくれました。

 要望書は大阪城公園よろず相談・釜ヶ崎センター開放行動・釜ヶ崎トロールの会・長居公園仲間の会の連名で、コロナ生活保障を求める大阪座り込み行動に参加させてもらい、一緒にアピールと記者会見を行ったあとで、それぞれの申し入れを行いました。

 要望は住民票のおけない人でも、簡単な手続きで速やかに現金を手に入れられることを目標に、以下の三点に集約しました。

  1. 野宿者や不安定居住者に対する、住民票による確認が不要な特別定額給付金の速やかな支給
  2. 野宿者や不安定居住者への現金手渡しでの特別定額給付金の速やかな支給
  3. 窓口で速やかに完了できるような簡素な手続きの整備

窓口でのやりとり

 大阪市役所4階にある市民局総務部総務担当の窓口でひとまず要望書を渡し、定額給付金担当課長、同係長のお二人にお越しいただき、1時間ほどやりとりをしました。

 「大阪市としても、ホームレスの人たちを含め、すべての人に給付が行き渡るように検討する」旨を確認しました。しかし、具体的にどのような手続きになるかはまだ固まっていないとのことです(「固まっていない」というより、まだ何も検討していないのが実際であるように思われます)。

 話してみた感触では、やはり住民基本台帳にもとづいた給付を前提として、住民票を基本とした対応しか考えていなさそうです。「国の方針があるので、そこから外れるようなことは大阪市としては難しい」と、国と自治体とで決定責任を宙づりにしてやりすごそうとしている様子です。

 とはいえ「しない」「できない」とは決して言いませんでしたし、「これから検討する」と言っている以上、住民票にかかわりなく給付する方法を整備することを求めていきます。まず大阪市が「給付する」と決定すれば、それを前提に実際の制度を整備していけばいい話なのです。

 2009年の定額給付金では、住民票をおけない人は制度から排除されていたのに対し、今回の特別定額給付金では、政府の発表の当初から不安定居住者にも給付が行き渡るような配慮がなされることが明言されました。前回の制度的不備を反省し、一歩踏み込んだところは評価すべき内容といえるでしょう。しかし、それが給付の現場の対応で後退するようなことはあってはなりません。

 センターから来てくれた仲間たちも、しっかり意見を言ってくれました。大人数で押しかけたことで、それなりの圧力がかけられたように思います。

今後の予定

 大阪市役所前座り込み行動が2020年4月6日に提出した「新型コロナウィルス 感染症(COVID−19)を残り超えるための要請書」でも、住民票のおけない人を念頭においた施策を求めています。ところが、この要請書への回答はいまだに出されていないということです。

 特別定額給付金の速やかな給付は、不安定居住者にとって喫緊の問題であり、期間をおかずに回答することを求めました。

 今回の要望に対して、2020年5月15日(金)までに、検討の議論の途中経過でもかまわないので、文書での回答をすること、週明けの5月18日(月)にその文書について質問する場を設定することを両名と約束しました。

 「時間と場所は15日に」ということですが、今日と同じスケジュールで、13時半くらいに設定するよう交渉したいと思います。詳細は追ってお知らせします。