大阪城公園よろず相談

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野宿者および不安定居住者に対する特別定額給付金についての要望

2020年5月11日

大阪市長 松井一郎

野宿者および不安定居住者に対する特別定額給付金についての要望

大阪城公園よろず相談・釜ヶ崎センター開放行動・釜ヶ崎トロールの会・長居公園仲間の会

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともない、野宿者やネットカフェや飯場などで生活する不安定居住者にも影響が出ています。野宿者支援団体による定期的な夜回りや相談活動のなかでも、「アルミ缶の買い取り業者が休業して現金収入が途絶えた」「日雇派遣の仕事が1/10になった」「現金に余裕のあるうちに飯場を出て、野宿をはじめた」「緊急事態宣言が出てネットカフェから出なければならなくなった」という話を聞いています。

 今回の特別定額給付金については、ホームレス生活を送る人びとも支給対象として、柔軟な対応を行うことが周知されています。しかし、住民基本台帳に記載されていることを基本とし、住民票をどこかに置くことが必須であるかのような見解も散見されます。

 野宿者や不安定居住者には、住民票を置ける場所がない人が大半であり、このような条件を設けることは制度の対象からの実質的な排除にほかなりません。また、東京の野宿者支援団体が行政に対して行った交渉の中では、「住民登録ではなく、今いる場所を住んでいる場所として認定し給付する」との見解が示されています(参考資料)。

 野宿者や不安定居住者は新型コロナウイルス感染症の感染拡大や緊急事態宣言によって、ふだん以上の困難な生活を強いられており、考えられうる様々な支援・救済施策を実施する必要があります。その中でも、特別定額給付金の速やかな支給は死活問題です。以上の観点から、次の三点について要望します。

  1. 野宿者や不安定居住者に対する、住民票による確認が不要な特別定額給付金の速やかな支給
  2. 野宿者や不安定居住者への現金手渡しでの特別定額給付金の速やかな支給
  3. 窓口で速やかに完了できるような簡素な手続きの整備

 以上の要望について、文書での回答を求めます。

参考資料
みんなの宮下公園を守るブログ「5月1日都庁交渉報告2 「特別定額給付金担当」 野宿者への支給について」 http://minnanokouenn.blogspot.com/2020/05/51_4.html