大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2019年5月26日(日)寄り合い── 人が追い出される公園とは

 今月の寄り合いも難波宮跡公園で行いました。五月晴れの寄り合い日和で、市民の森の寄り合いも良いですが、広大で明るい難波宮跡公園はいるだけで楽しい気持ちになります。

 G20の警備対策とやらで懲罰にかけられたかのような強剪定が痛々しい樹々も、これから梅雨に入って大量の雨と陽射しを受けて負けじと生い茂って欲しいものです。

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 前回に引き続き、サクヤルミナが開催されている大阪城公園の「飛騨の森」についてお話を聞きました。大阪城公園は野鳥観察のスポットとして人気があることは知っていましたが、渡り鳥が立ち寄る時期ともなると、百人もの人が一羽の鳥を眺めに集まるそうです。

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 鳥を愛でるタイプと写真に収めたいタイプの人とがいて、写真を撮りたい人たちはベストショットをめぐって時にはもめることもあるとか。大阪出張で官庁を訪れた人が、これ幸い役得とスーツ姿で飛騨の森に立ち寄る姿も見られるとのことです。

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 ところが、こうして野鳥を楽しみに訪れる人たちを、16時になったら「サクヤルミナの準備をするから」と業者が追い出しているというのです。公園本来の利用者を金儲けのために追い出す権限が誰にあるでしょうか。このアトラクションは「自然の地形を生かした」ことを売りにしているというのだから、ますます呆れたものです。

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 大阪城公園はもとより自然と調和した都市の憩いの場所であり、人びとの生活のなかに織り込まれて愛されていることがわかりました。お話を聞いていると、前回の寄り合いで知り合った野宿の仲間と大阪城公園で出会ってあいさつを交わすといったこともあるそうです。

 今や、野宿者どころか、公園を利用しているだけで追い出されるおかしな社会になっています。休日の儲けだけのために6月頭まで業者が占拠し、平日は閑古鳥が鳴いている有料バーベキュースペースはなんでしょうか。

 私たちは自分が暮らしている街のこと、公園のこと、身近な他人のことをあまりにも知らないようです。当たり前に利用している場所のこと、隣人のことを知るなかで、この社会の実像や良さをも知ることができるのではないでしょうか。