大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

第61回「センターの日」のお知らせ

「センターの日」とは

 労働者の街として知られる大阪の釜ヶ崎は今、大きな再開発の波にさらされています。2012年に始まった西成特区構想による「まちづくり」も進められています。貧困層の追い出しをともなうジェントリフィケーションであるとの批判もあります。

 地域住民と行政が協同して地域を良くしようと努力しているとの主張がある一方、これまでと変わらない強制排除が幾度となく繰り返されています。真実はいったいどこにあるのでしょうか?

 労働者の街である釜ヶ崎に、あいりん総合センターという施設があります。センターは釜ヶ崎の中核とも言える場所です。このセンターの建て替え、閉鎖、仮移転がまちづくりの会議の中で決定しました。

 釜ヶ崎で何が起きているのか、私たちは何かできることはないのか、私たちは何を知るべきなのか。一から考えるために、私たちは2017年11月から月に一回、第三土曜日に釜ヶ崎のセンターで労働者の声を聞く取り組み、「センターの日」をはじめました。

場所・日時のご案内

 JR新今宮駅西口から地上に出て、国道の向かいのあいりん総合センター北西側の団結小屋周辺か高架下の駐輪場付近で、2022年12月17日(土)13時から16時に実施します(基本的に毎月第三土曜日)。

これまでの「センターの日」

 これまでの報告はこちらです。

第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回 第18回 第19回 第20回 第21回 第22回 第23回 第24回(中止) 第24回 第25回 第26回 第27回 第28回 第29回 第30回 第31回 第32回 第33回 第34回 第35回 第36回 第37回 第38回 第39回 第40回 第41回 第42回 第43回 第44回 第45回 第46回 第47回 第48回 第49回 第50回 第52回 第53回 第54回 第55回 第56・57回 第58回 第59回 第60回 

カンパのお願い

 大阪城公園よろず相談の活動に賛同いただける方はカンパにご協力下さい。以下の口座まで振り込みをお願いします。活動に関心のある方は一声おかけ下さい。夜回りや寄り合いのほか、哲学読書会やソフトボール大会、「センターの日」などの活動も行っています。

郵便振替

記号14080
番号32204771
大阪城公園よろず相談

郵貯以外からの振り込みの場合
店名 四〇八(ヨンゼロハチ)
店番 408
預金種目 普通預金
口座番号 3220477

2022年12月8日(木)夜回り・強さと弱さの向かうところ

 人は弱いものですね。弱さを受け入れられずに強がり、それを強さだと見せかけようとして、他人の弱さにつけ込むこともあります。弱さを盾に強気な態度に出る人もいます。

 それとも人は強いのでしょうか。強がりは弱さを克服しようとする努力なのかもしれません。しかし、誰かがその強がりの犠牲になるとしたら、弱いままでいても構いません。

 実際は、どんな人も強かったり弱かったりするだけで、特別な人などいないのではないでしょうか。強くあれる役回り、弱さが目立つ立場にあるだけなのだとしたら、そんなことが問題にならないところへ向かうのが正解に思えます。

 今年最後の寄り合いは12月18日(日)を予定しています。温かいものを用意してお待ちしています。

2022年11月19日(土)第60回「センターの日」——6度目の冬/語られることと語りえないこと

6度目の冬

 「センターの日」に6度目の冬がやってきます。気付けば「センターの日」は60回目で、5周年と来たものです。もはやセンターが閉鎖される前にやっていた期間より、閉鎖されてからやっている期間の方が長くなっていました。

 「釜ヶ崎のことは釜ヶ崎をホームとする人たちが責任を持ってやればいい」と、物分かり良さげなことを口実にまちづくりを遠巻きに見ていましたが、そんなわけにはいかないのではと思い直して「センターの日」を始めました。

 釜ヶ崎のことは釜ヶ崎の人たちでと言うと、地域と住民が一致しているかのように思えますし、だいたい地域と住民というのは一致しているのが当たり前に思えるものです。しかし、釜ヶ崎に関してはここがまちがいのはじまりで、まちづくりでなくても、釜ヶ崎には関わっているし、考える人たちはたくさんいます。

語られることと語りえないこと

 先日、労働者の街ではなくなっても、わけありの人たちが訪れつづければ、釜ヶ崎がなくなることはないという考え方について、意見を求められました。仕事を求めて寄せ場を訪れる人たちは、そもそもわけありの人たちで、その人たちが集まって生み出されたものがあったのだと思います。求人が減ったがゆえの寄せ場の衰退であり、釜ヶ崎の変容なのだから、かつてと同じようには行きません。そう考えると、そのような人たちのよりどころとなりうる場所として存続することに意味があります。センターをただシンボル化することは、問題の先送りでしかないのかもしれません。

 どこでだってみんなで集まって楽しくやりたい。気の合わない人とは適度に距離を置きながら、それでもお互いが知り合って、困っている人にはできることなら助け舟を出したいのです。そんなふうに堂々と生きていたい。きれいごとなど言っていられなくて、否応なくそういう生き方を迫られているだけなのかもしれません。しかし、それでも、そんな生き方がまちがっているはずがありません。そんな生き方をする人を孤立させてはいけません。私たちは守っているものに守られていることもあれば、守られているものが守っていることもまたあるのだと思います。

 釜ヶ崎らしさについて、誰が何を語ろうと問題ではないのかもしれません。それだけの思い入れが無数にあることは力になりこそすれ、無用なものではないでしょう。らしさを語ることのなかにそのものの実体は存在しないし、そんな理想が存在するとすれば、一人一人の思惑など、飛びこえて行くに決まっています。それでも、そんな未来へと連なる現在の依代となれるのは常に私たち一人一人です。「センターの日」もそのような依代のひとつでありたいと思います。

2022年11月24日(木)夜回り・紅い落ち葉のじゅうたんの上に

 大阪城公園の樹々も見事に色づいてきました。冬は目の前に迫っていますが、やはり秋は訪れます。大阪城公園よろず相談の活動も、気づけば20年の年月を数え、少しずつ形を変えながら続いてきました。かつて、大阪城公園の市民の森のなかによろずの相談テントがありました。その跡地は今、紅い落ち葉のじゅうたんに覆われています。

 この20年のあいだ、ずっと野宿生活を続けているという人もいるし、つい最近野宿をはじめたという人とも出会います。相談の拠点のない活動は心もとないところもありますが、寄り合いの告知を見て、足を運んで下さる方もおられます。夜回りと寄り合いの両輪でなんとかつないでいる支援活動ですが、雨が降ると寄り合いは中止にせざるをえません。野宿生活をしているみなさんには、天候がいつも気がかりなことと思います。

 前回の夜回りからカイロをお配りするようにしました。カイロにも、貼るものと貼らないものがあります。貼らないものの方が持続時間が長いのですが、貼るものが欲しいという要望もあります。どちらをどう重宝するのか、またお聞かせください。よろずのおにぎりは元野宿生活をしていた仲間も協力して握ってくれています。

 年末は恒例の年越しそばをしたいと思います。昨年は、七味を用意し忘れたところ、「七味はないの?」というリクエストが絶えなかったので、スーパーに買いに走りました。ちょっとしたところに生活の豊かさというものが潜んでいるのだと思います。困った時の大きな相談、おしゃべりの話し相手のような小さな欲求まで、よろず相談をご活用いただけると幸いです。

2022年10月15日(土)第59回「センターの日」

 毎回、前の月の「センターの日」のまとめをビラとポスターに掲載するようにしていましたが、第60回から、その回に書きたいことを書くことにしました。そのため第59回そのもののまとめはなくなりました。そこで、ブログのみ、第59回の写真を掲載しておきたいと思います。

 第59回はたこ焼きにチャレンジしました。

 たこ焼き作りのお手伝いをいただいて、とても助かりました。

 中島敏フォトアーカイブの展示も行いました。

 生活物品のカンパをいただきました。

 映画のチラシも置いています。

 

 

 

第60回「センターの日」のお知らせ

「センターの日」とは

 労働者の街として知られる大阪の釜ヶ崎は今、大きな再開発の波にさらされています。2012年に始まった西成特区構想による「まちづくり」も進められています。貧困層の追い出しをともなうジェントリフィケーションであるとの批判もあります。

 地域住民と行政が協同して地域を良くしようと努力しているとの主張がある一方、これまでと変わらない強制排除が幾度となく繰り返されています。真実はいったいどこにあるのでしょうか?

 労働者の街である釜ヶ崎に、あいりん総合センターという施設があります。センターは釜ヶ崎の中核とも言える場所です。このセンターの建て替え、閉鎖、仮移転がまちづくりの会議の中で決定しました。

 釜ヶ崎で何が起きているのか、私たちは何かできることはないのか、私たちは何を知るべきなのか。一から考えるために、私たちは2017年11月から月に一回、第三土曜日に釜ヶ崎のセンターで労働者の声を聞く取り組み、「センターの日」をはじめました。

場所・日時のご案内

 JR新今宮駅西口から地上に出て、国道の向かいのあいりん総合センター北西側の団結小屋周辺か高架下の駐輪場付近で、2022年11月19日(土)13時から16時に実施します(基本的に毎月第三土曜日)。

これまでの「センターの日」

 これまでの報告はこちらです。

第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回 第18回 第19回 第20回 第21回 第22回 第23回 第24回(中止) 第24回 第25回 第26回 第27回 第28回 第29回 第30回 第31回 第32回 第33回 第34回 第35回 第36回 第37回 第38回 第39回 第40回 第41回 第42回 第43回 第44回 第45回 第46回 第47回 第48回 第49回 第50回 第52回 第53回 第54回 第55回 第56・57回 第58回 第59回  

カンパのお願い

 大阪城公園よろず相談の活動に賛同いただける方はカンパにご協力下さい。以下の口座まで振り込みをお願いします。活動に関心のある方は一声おかけ下さい。夜回りや寄り合いのほか、哲学読書会やソフトボール大会、「センターの日」などの活動も行っています。

郵便振替

記号14080
番号32204771
大阪城公園よろず相談

郵貯以外からの振り込みの場合
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2022年11月10日(木)夜回り・移りゆくものの理解のあり方

 朝晩は冷え込むようになってきました。この調子では日本から秋などなくなるのではないかと思われるほど、変な天気が続きましたが、ようやく秋らしくなってきました。夜回りのたびに、季節の移り変わりを意識させられます。

 発達障害という言葉が広まることで、その人の性格だと思われていることの裏側に、脳医学的な要因が意識されるようになりました。人が人である以上、人の身体のつくりは共通しているものですが、目に見えるところにも実は違いはあるし、それが目に見えないところとなると、気づくのは難しくなります。

 理解しがたいこと、受け入れがたいことをする人についても、「脳のつくりがそうなっているんだ」と言われれば、納得のいくこともあります。しかし、それで本人の意思や考えがなくなるわけではないし、相手を蔑ろにする口実にされるようでは本末転倒です。

 本当は、人はつねにある程度まちがっているし、まちがいを経由して、求めるものが得られることもあります。逆に、正しいことを追い求めることが、まちがいを許さず、求めるものを手の届かないところに追いやってしまうこともあります。

 極寒と酷暑という両極を示せる夏と冬と違い、春と秋は移り変わりのなかで、見つけるとともに理解していくようなものかもしれません。「秋がなくなる」という意識も、移りゆくものの理解のあり方なのでしょう。

 今月の寄り合いは11/20(日)を予定しています。