年越しそばを行います
本格的に寒くなってきました。前回の夜回りから、冬に恒例のカイロも配りはじめました。毎年、冬になるとカンパ物資が届きます。暖かい上着や毛布、寝袋など、必要なものがあれば気楽にお声かけください。使っていただいてこそのカンパ物資なので、遠慮なく言っていただけると私たちも助かります。
先月の寄り合いでは、みんなでおでんと炊き込みごはんを食べました。最近では、ネットカフェで生活しているという方が顔を出してくれるようになりました。かつて野宿をしていて、現在は生活保護を受けているという仲間も、たまの楽しみにやってきてくれます。
12月29日の14時からは、市民の森のいつもの場所で、恒例の年越しそばを食べます。この機会にぜひお立ち寄りください。今年の夜回りは今日が最後になります。年明け最初の夜回りは1月2日からはじめる予定です。厳しいシーズンをみんなで乗りこえましょう。
海を越えても思ったこと(イタリア報告その11)
懐かしいローマ
友人たちに見送られ、また4時間かけてトリノからローマへ戻りました。旅行はじめに一泊しただけなのにローマに着くと不思議と懐かしい気持ちになりました。
イタリアで最後の夜なので、一度くらいレストランで夕食を食べることにしました。ガルバテッラの住宅街にあるパスタ屋さんの前で悩んでいると、アメリカから来たというご夫婦が来られて、ここはカルボナーラが有名なので食べに来たのだと教えてくれました。
コースメニューをみんなでシェアするという暴挙をとがめられるといったアクシデントはあったものの、本場のカルボナーラや肉料理、そして、ワインを堪能しました。
その晩は一夜目と同じところに泊まりました。たまたまエスプレッソマシーンと冷蔵庫が新しくなっていました。
停まらない列車に運ばれて
一夜明けて、夕方までの空き時間でローマ観光に出かけました。ローマの休日にも出てくる「トレビの泉」に行こうと地下鉄に乗ったら、なぜか目的の駅を通り過ぎてしまいました。折り返しの列車には乗り直すも、やはり停まりません。不思議がっていると、乗り合わせた男性が「こことここの駅は今クローズドだよ」と教えてくれました。
急遽、別の駅で降りて地上に出ると、そこにはストリートマーケットがあったので一休み。道路の向こうの立派な門をくぐると噴水のある広場(ポポロ広場)で、そこからトレビの泉まで、石造りのにぎやかな通りが続いていました。はからずもちょうどいい観光ルートに降り立ったようで、オードリー・ヘップバーンがジェラートを食べたスペイン広場も見ることができました。
トレビの泉はものすごい人出で、とても雰囲気を楽しむという状況ではありません。自分たちも観光客ではあるものの、これでは台無しというものです。
帰りも地下鉄は復旧していませんでした。バスもたくさん人が乗っていて、目的地行きの便が来ても乗れるかどうか怪しかったので、タクシーでテルミノ駅まで行きました。ホテルに戻り、預けていた荷物を回収して、ガルバテッラの駅前で、空港までのタクシーを呼びました(名刺の電話にかけて、行きと同じドライバーさんに来てもらいました)。
空港では、出発時刻と搭乗時刻をまちがえて、ほかの乗客に迷惑をかけるという失敗もありましたが、仁川空港を経由して、夜遅く関西空港に降り立つことができました。
おわりに
ながながと書きつづったイタリア報告もこれで終わりです。「夜回りのビラに半年も書き続けるようなことか」と思われたかもしれませんが、どうしても書いておきたいことでした。実は必ずしもいいことばかりの旅ではなかったものの、イタリアでさまざまな運動の場をおとずれ、交流するなかで、ここもふだん自分たちが活動している大阪城公園と同じ世界の一部なのだと感じました。
それが何だったのか、実はまだよくわかりません。しかし、海を越えても大切なことは同じなのだと、私たちはどこへ行っても大切なものを見失わずに、路上での出会いを確かなものにしていこうと思えた旅でした。その意味はこれから出会う人たちと理解していけるよう歩みを続けたいと思います(おわり)。