大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2019年10月24日(日)夜回り・世界が破滅しても/10月20日(日)元気まつりのよろずイカ焼き/ヨーロッパのデモを体感(イタリア報告その9)

世界が破滅しても

 先々週の土曜日(10/12)の台風の際は、みなさん無事にすごせたでしょうか。東京都の台東区では、避難所に野宿者を入れないという排除があったことが明るみに出て、新聞で報じられていました。未だにそんなことをしているのかと呆れるばかりです。

 釜ヶ崎でも、労働者の避難場所として想定されているのはセンターだといいます。建て替えられた後がどうなるかもわからないまま、そのセンターを閉鎖して、それまでをどうすごせというのでしょう。

 翌日曜日には雨もあがり、肌寒さはあるものの、寄り合いをすることができました。温かい鶏と豆腐と白菜のスープを用意してくれた心づかい、ありがとうございました。世界が破滅しても、いつもやっているようにして、みんなで楽しくすごせる場所を作っていきましょう。

10月20日(日)元気まつりのよろずイカ焼き

 前日の準備から当日の片付けまで、市民の森の仲間たちに手伝ってもらいました。ありがとうございました。また、ビラを片手に顔を見せてくれたかたもいました。売上の14,000円から、出店料の1,000円、材料費の4,728円を引いた利益は8,728円でした。これでよろずも年を越せるかな? 

ヨーロッパのデモを体感(イタリア報告その9)

早起きの街歩き

 この日は早起きして一人で街歩きをさせてもらいました。一昨日立ち寄った市場に出るという「ドロボー市」と、哲学者のニーチェの記念碑を見に行きました。「ドロボー市」といっても、売られているのはどこかから流れてきたのであろう不良在庫の山で、下着や衣類、靴などもたくさんありました。

 また、早朝の街のあちこちで野宿する人たちの姿も見かけました。人がげもまばらな早朝、大きな美術館の柱の陰にたたんだダンボールが挟まれているのを見て、もしやと思ったら、毛布にくるまって横になっている人がいました。ほかにも夜間は閉鎖される地下駐車場の入り口や、役所らしき建物、劇場の地下階段の入り口のわきなど、毛布にくるまっている姿を見ました。旅先で何ができるわけでもないけど、世界中どこへ行っても野宿を生きる仲間がいるのだなと、胸が熱くなりました。

反排除デモ

 この日はトリノ市街で反排除をテーマとする大規模なデモが計画されていると聞いていました。イタリアではデモ申請が不要であるものの、警察による嫌がらせも相当なものだそうです。デモを企画する側も、集合場所や出発点を複数用意したり、市民ラジオで警察の動きを逐一共有したりと対策をとります。デモに参加する人たちはそのラジオを聴きながら、弾圧の起こっている場所に加勢に駆けつけたりします。

 子連れ集団のわれわれは、平和なデモ参加を希望する人たちの集合場所を選びました。集合場所までの道すがら、アウシュビッツの生き残りである作家のプリーモ・レーヴィが住んでいたというアパートや、ユダヤ教イスラム教、さまざまな教会の建物も紹介してもらいました。

 集合場所である川沿いの公園でわけあって食べた昼ごはんはピザ風のパンで、どれも絶品でついつい食べすぎてしまいます。移民風の黒人男性が子ども向けのゴムボールやビール(大麻も?)を売りに声をかけてきます。明るい日差しの下で飲む瓶ビールは最高です。公園ではデモ参加者が横断幕を作ったり、カートを飾りつけたりして準備をしていました。

ポルタ・ヌォーバ駅前

 平和なスタート地点を選んだものの、デモの中心となるポルタ・ヌォーバ駅に到着すると、デモの参加者と警官隊や警察車両が距離を置いてにらみあっています。上空にはデモの全体像を把握しようと警察のヘリコプターが飛んでいます。

 スーザ渓谷のヴェナーウス村で譲ってもらったNO TAV運動の旗を身にまとっていると、先日お会いした男性がうれしそうに声をかけてきてくれました。

 千人は軽くいるだろうデモ参加者や、運動のつながりに感心し、このまま隊列に加わっていきたいところでしたが、催涙弾が飛んでくることもあるという話もあり、子どもたちは危ないよと心配して声をかけてくる人もいたので、歩道の脇からついて歩くことにしました。われわれの出発点だった公園まで随伴したあと、デモ隊を見送って、カフェで子どもたちとおやつを食べました(しかし、デモのため、ほとんどの店が閉まっていました)。友人はもちろんデモに参加しました。ルートが決まっているわけではないデモは、夜遅くまで続いたそうです(つづく)。