大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2019年9月12日(木)夜回り・ジェントリフィケーションってなに?/トリノの休日(イタリア報告その8)

ジェントリフィケーションってなに?

 最近、日本でもジェントリフィケーションという言葉が流行りはじめています。はじめて目にした人には口にすると舌をかみそうなこの言葉は、貧困層の追い出しをともなう再開発のことを批判的に告発する言葉です。

 1980年代のニューヨーク市では、まさにこのジェントリフィケーションが起こり、そのなかで貧しい人びとは手を取り合ってたたかいました。そのたたかいとは自分たちの生活を豊かにする場所をつくりだすことでした。ほったらかしにされている空き地や建物を占拠してガーデニングをしたり、交流スペースを設けたりしました。そうして同じ問題に立ちふさがれた人びとの出会いを生み出し、大きな抵抗の動きをつくっていったのです。

 いま、大阪の街は行政主導の大きなジェントリフィケーションの波にのまれようとしています。24時間お金を使わせようと、野外で騒音をながし、電気を浪費してめまぐるしい光であちこちを照らしだします。私たちにできることは何でしょうか。それは、これまでしてきたように公園や野外ですごし、これまで以上に豊かな関わりの場を生み出すことだと思います。

 二週間に一度、大阪城公園よろず相談はみなさんが野宿している場所にお邪魔します。月に一回は公園でよりあいを開きます。そうやって、出かけていかなければ出会わない人同士が出会い、出会わなければ思わなかったようなことを積み重ねて未来を考えていきたいと思います。ジェントリフィケーションが強まるからこそ、公園から、路上から世界を変えていく可能性が強まっていくともいえるのではないでしょうか。

トリノの休日(イタリア報告その8)

 朝から晩まで盛りだくさんのスーザ渓谷の一日を終えた翌日は休養日としました。実は途中で体調を崩してスーザ渓谷へ行けず、寝込んでいるメンバーもいました。

 子どもたちは友人が遊びに連れ出してくれて、空き家を占拠して運営されている社会センターで楽しい時間をすごしていました。

 また、洗濯物がたまっていたので、スマートフォンでコインランドリーを調べて洗濯にも行きました。このイタリアの道中、スマートフォンの便利さにはとても助けられました。

 インターネットで調べたコインランドリーへ向かう道すがら、トリノ市の美しい街並みや大きな川、川の向こうの丘の家いえが目を楽しませてくれました。

 コインランドリーではまず、トークンという専用のコインを購入し、このコインで洗剤や柔軟剤と交換し、洗濯機や乾燥機を回します。洗濯機を回しているあいだ、向かいのカフェで時間を潰したり、ペットショップでおみやげを買ったりしてすごしました。

 イタリアでは無料で使える公衆トイレがありません。乾燥機を何度回してもなかなか洗濯物が乾かず、トイレを借りるためにもう一度別の喫茶店でコーヒーを飲みました。イタリアでコーヒーといえばエスプレッソです。街角にあるコーヒーの自動販売機で出てくるカップのコーヒーも分量が少なく、最初は故障しているのかと疑いました。

 帰るころにはお昼を大きく回っていて、ケバブ屋で店員さんお勧めのきついビールといっしょにおいしくいただきました。英気を養ったところで、翌日からもトリノの濃い日々が続きます(つづく)。