大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2019年6月20日(木)夜回り・いざトリノへ/第20回「センターの日」を行いました

いざトリノ

 イタリア旅行3日目はいよいよトリノへ向かいます。中部の都市ローマに対し、トリノは北部にあり、アルプス山脈をのぞむ立地です。

 ローマからはイタリアの新幹線で4時間以上かかります。子どもたちが耐えられるのかと心配でしたが、子ども同士わきあいあいと過ごしていました。

 昼食は駅で買ったサンドイッチを車中でいただきました。言葉がわからないので、まだまだおっかなびっくりの買い物です。

 トリノまでの車窓は、なだらかな丘と草原、ところどころ農地という感じで、のどかではあるものの退屈な風景です。華やかなローマに対して田舎や郊外の暮らしはどんなものなのでしょう。

イタリアで活躍する旧友

 予定時刻より少し早く電車が駅に到着して、あわてて降りるとそこはトリノ・ポルタ・スーザという駅でした。スマホを駆使してバス停を調べて移動しながら、トリノで働きながら活動している旧友に連絡を取りました。

 大きな立方体のリュックを背負い、自転車で現れた彼の一言めは「ポルタ・ヌォーバって言ったじゃん!」でした。どうやらわれわれは「大阪駅で降りるつもりで新大阪で降りてしまった」ような形だったようです。

 彼は2007年頃、よろずの活動にも参加してくれていて、数年前からイタリアで活躍しています。イタリア人の女性と結婚してトリノで一緒に暮らしており、メッセンジャーとして稼いでいます。

トリノってどんな街?

 トリノはしっかりした都市計画のもとで作られた街だと彼から教えてもらいました。イタリアを統一した王様がトリノの人だったので、統一直後のイタリアの首都はトリノだったそうです。

 産業振興や教育にも力を入れた偉い人で、フィアットの工場で有名なトリノの基礎を築いたのはこの王様の功績なのだと聞きました。

 トリノの街は5階建てくらいの石造りの古いアパートが整然と建ち並び、アスファルトの部分もありますが、石畳の上を自動車が走っています。

今度の根城

 泊まったのはトリノ中心街にほど近いマリア・ビットーリア通り沿いのアパートをホテルに転用した部屋でした。長期滞在するトリノではきちんとした部屋を借りて、大人の女性三人用に一部屋、大人の男性と子ども部屋として一部屋を当てました。一部屋といっても、前者は1DK、後者は2DKで、廊下にはソファが置いてあるほど、ゆったりした間取りです。

 かつては学生用の安いアパートだったらしく、ここでもやはりジェントリフィケーションがあるようでした。他の階の部屋にはふつうに賃貸で暮らしている人たちがいました。

 イタリアでの三家族第二の我が家をここに定め、トリノでの波乱の日々がはじまったのです(つづく、まだはじまらない)。

第20回「センターの日」を行いました

 毎月第三土曜日に釜ヶ崎のセンターでやっている「センターの日」は20回目となりました。今回は手回しのかき氷機を持参し、立ち寄る人にかき氷を食べてもらいました。

 団結小屋で映画を見るのもそろそろ暑さで無理なのではと思っていましたが、まだ大丈夫そうだったので、『釣りバカ日誌』の第一作目を上映しました。しかし、この日はスピーカーを用意していなかったせいか、人の集まりはもう一つでした。

 「センターの日」をやっていて音というのは場所を作る重要な手段だと気付かされました。その他、定期的に続けられること、同じ場所でやること、そして、見えるようにやることも重要な要素です。

 これらはよろずの活動から学んだことでもあります。路上で、公園で、繰り返し出会うことから、異なる背景や事情を持つ人たちにとって意味のある場所ができていきます。これをこそ「公共空間」と言うのではないでしょうか。

 今月の寄り合いも難波宮跡公園で行う予定です。気軽にお立ち寄り下さい。