大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

2019年4月25日(木)夜回り・イタリアに行ってきました/釜ヶ崎のセンターが開放されています

イタリアに行ってきました

 前々回のビラでイタリアに行っていたことをバラされてしまいましたので、イタリアの話をすることにします。

 3家族10人合同(うち義務教育年齢の子ども6人)でのイタリア旅行、8時間の時差を計算に入れておらず、6時間ちょっとで着くものと思って乗った飛行機のなかで、実質11時間かかることがわかって気が遠くなりました。

ローマに到着

 イタリアに到着したのは19時過ぎ、ローマにあるフィウミチーノ空港(別名レオナルド・ダ・ヴィンチ空港)でした。宿泊先はホテルなどという上等なものではなく、Airbnb(エアビーアンドビー)、Booking.com(ブッキングドットコム)といったサービスを利用して予約したアパートでした(日本でいうところの「民泊」です)。

白タク(?)で宿泊地まで

 外れにある空港から宿泊地のあるローマ市郊外までどうやって行くか思案しながら空港の外へ向かっていると、見るからに怪しげなタクシー業者が待ち構えています。白タクじゃないのかと訝るものの、すでに20時前、11時間の連続フライトの後で疲れはてた頭と身体では、高すぎなければタクシーも検討したくなります。

 いくらか交渉して、10人ならタクシー1台で1人10ユーロ(1,300円くらい)でいいということになりました。8人乗りのファミリーワゴンに10人詰めて乗り、陽気な若いドライバーと英語での簡単なおしゃべりに耳を傾けながら、30分弱で宿泊先に着きました。

マトリューシカのようなアパート

 大きなアパートは、管理人がいるわけでもなく、あらかじめ通知された指示書のパスコードを入力して玄関の扉を解錠します。指示書の通り、1階フロアの奥まで行くと、やはりナンバーを合わせて解錠する小さな箱があり、さらにその箱の中に1階奥の扉を解錠するためのパスコードを書いた紙があるという念の入れようでした(しかし、それでセキュリティが万全かというと多少疑問です)。

 中に入るといくつか部屋がありました。ダイニングキッチンや二つあるバスルーム(トイレ)は共用です。廊下の壁際にに置いてあるソファとテーブルのうえには、世界地図が貼ってあり、宿泊客が自分が来た場所にピンを指す仕掛けになっていました。

 われわれが予約したのは10人部屋で、二段ベッドが三つ、ダブルベッドが一つ、そして、二段ベッドの下からさらに二つ簡易ベッドが引き出せるようになっていました。なるほど、10人分のベッドがあると感心しました。ところが、毛布や枕がまったく足りていませんでした。

 この部屋には、最初の2日と最後の1日の合計3日お世話になりました。アパートの向かいにはローマ第三大学という大学があり、このアパートももともとは学生向けの安アパートだったと思われます。ふだん観光開発を批判的に見ているよろずの立場からすると、「ジェントリフィケーションに加担してしまっているのでは……」と思わなくもありません。

ガルバテッラという地域

 ガルバテッラというこの地域は、戦前に開発が始まった労働者住宅の集まるところだったようです。また、1960年代は学生運動やヒッピームーブメントが盛り上がった歴史もあり、落書きだらけの街並みの中に政治的なメッセージを見つけることもできました。

 この旅のなかで、私たちは数々の貴重な体験をし、印象に残る物事を目にしました。「こいつはまた何回このネタでビラを書く気だ」とみなさん思われるかもしれませんが、ネズミ退治のシリーズのように気長におつきあい下さい。

釜ヶ崎のセンターが開放されています

 3月31日に閉鎖が通告されていた釜ヶ崎のセンターですが、多くの人びとが反対に集まり、閉鎖が阻止されました。現在、センターは24時間開放され、ソファとテーブルが運び込まれ、図書スペースが作られたり、ちょっとしたライブコンサートや共同炊事が行われています。

 水道やトイレは使えるものの、電気が止められ、一部閉じられたシャッターもあるために薄暗いスペースもありますが、労働者のための場所としてセンターは息を吹き返し、その本来の力を取り戻しつつあるようにも思われます。

 この場所を守るため、応援するために多くの人たちがセンターを訪れるようになっています。この流れを大阪中の仲間に伝えていきたいと思います。私たちは独りではありません。

追記

 昨日昼すぎに警官隊による襲撃を受け、中にいた人が強制的に排除され、障害物として停められていたバスもレッカー移動されて、完全に封鎖されました。

 行政代執行の手続きもなく、また人間を標的とした排除は完全に違法です。

 現地ではまだ攻防が続いています。この事実を忘れてはいけません。