大阪城公園よろず相談

大阪城公園を中心に野宿者支援活動を続けている大阪城公園よろず相談のブログです。

「ありがとうオシテルヤ本館 クライマックスウィーク」のお知らせ

 よろずも日頃からお世話になっているオシテルヤのフリースペース(本館)が閉館することになりました。閉館にあたり「クライマックスウィーク」と称してお祭り騒ぎになるようです。

 オシテルヤそのものは存続しますので、この機会に遊びにいらしてください。以下は告知ビラよりの紹介です。

「ありがとうオシテルヤ本館 クライマックスウィーク」のお知らせ

 長年フリースペースとして親しまれてきたオシテルヤ本館が取り壊しのため閉館することになりました。つきましては、ゴールデンウィーク中、イベントを開催いたします。旧知の友と再会されるもよし、思い出に浸るもよし、新しい出会いのきっかけになるのもよし。期間中は本館を開放し、いつでも立ち寄ることができます。オシテルヤの歴史を振り返り、改めて出会いなおすための企画も準備していますので、お誘いあわせの上ご参加ください。 

f:id:asitanorojo:20180421173414j:image

4/29(Sun) 狛犬修行ライブV 於:難波屋

《今回の御神体》ジェロニモレーベル

13時開場 /13時半開演 /投げ銭

4/30(Mon) 会場設営日

本館は開放しています。

5/1(Tue)-5/2(Wed)掘り出しもんいっぱいガレージセール 於:本館横駐車場

(1 日目)11 時~15 時

(2 日目)10 時~15 時

12時から貧乏メーデーパレードチンドン楽隊

イカ焼きもあります。

5/3(Thu)昼 於:オシテルヤ本館2階お座敷スタジオにて

公開記念セッションレコーディング

5/4(Fri)なか日

ゲスト歓迎〜! 本館は開放しています。

5/5(Sat) 遊びに来てな!マジックペン持参! 子どもまつり:本館横駐車場

子ども炊き出し カレーうどん(無料)12時配食

イカ焼き 駄菓子 わたがし たこパ 歌と楽器演奏

けさまるさん来場

取り壊し前の本館に寄せ書き大会・・・など

5/6(Sun)は大人の日 一日限定BAR開催! 於:本館横駐車場

ベトナム人家族の日本定住を応援するベトナム家庭料理BAR

一皿 300 円/2 時から 7 時くらいまで

5/6(Sun)昼 於:本館1階長居公園元気ネット主催祝20周年! 元気まつり座談会

お題「元気まつりの今後について」

5/6(Sun)夜 佐藤零郎監督作品(2007年/63分) 「長居青春酔夢歌」野外上映会 於:本館横駐車場

 長居公園テント村強制代執行から11 年。世界陸上開催を理由と した行政代執行が長居公園テント村に迫っている。代執行当日、住人た ちと支援する者達は芝居で排除に対抗する。

19時開演/入場料カンパ500円

問い合わせ先

〒546-0033 大阪市東住吉区南田辺 5-11-20

06-6608-0078

  • 期間中は駐車場が使えません。近くのパーキングを利用 されるか交通機関でお越しく ださい。
  • なくなるのは本館だけです。他の事業や活動は継続しますので今後もお願いします。

第6回「センターの日」のお知らせ

 第6回「センターの日」を4月21日(土)13:30〜15:30に行います。

 今回の写真は1965年の今池ロータリーです。

 そろそろこたつが似合わない季節になってきました。夏になったらかき氷でもやりましょうか。

 これまでの報告はこちらから(第1回 第2回 第3回 第4回 第5回)。

f:id:asitanorojo:20180418103827j:plain

2018年4月12日(木)夜回り・「公園の時間」

気がつけば夕暮れ近かった。

遠くに街の音を聞きながら、

他愛ないことのあれこれを考えていたら、

木もれ陽の心地よさに、

居眠りしていたようだ。

 

結局今日は何もしなかった。

何ひとつ考えが浮かんだわけでもない。

でも、ここへ来るまであった。

追われるようなあの焦燥感は

どこへ行ってしまったのだろう。

 

風におよぐ雲や小鳥のさえずりが、

木々の緑と花々の彩りが、

土のにおいとぬくもりが、

僕のからだ中にしみ込んで、

心を豊かにしてくれたような気がする。

 

こんな時間の過ごし方は忘れていた。

いつも何かをして外に働きかけ、

何もしていないと落ち着かない。

自分を解放すれば、

実に様々なものが話しかけてくれる。

 

何もしなくてもいい空間。

街とは違う時間がここには流れている。

こんな公園がもっとあれば、

いや、公園のように街が変われば、

人生はもっと豊かになるかもしれない。

(『大阪発・公園SOS』225-227頁より孫引き)

2018年3月28日(木)第15回哲学読書会『自由の哲学』2

 前回に引き続き、シュタイナーの『自由の哲学』を読みました。今回は第Ⅱ部でした。

 シュタイナーのこの本は、実在論と観念論、一元論と二元論といった、基本的な概念をふまえて書かれています。シュタイナー自身は両論の縛りを解かれた直観と思考の世界へと読者を導きます。

 シュタイナーのこの立場からは、ベルクソンやデューイ、タルドといった同時代の思想家たちを連想されるようなところがあります。これ自体がこの時期に登場した哲学的立場の一つだったように思えます。

 思考を導く鍵となる「直観」とは何なのかまではこの本では語られません。もしかするとこれ以降のシュタイナーの神秘哲学はこの辺を掘り下げたものなのかもしれません。

 依然として議論についていけなかったという人も多く、じっくり読めばいろんな哲学的立場を理解することもできそうです。そこで、次回からは今一度『自由の哲学』をテーマに、今度は数章ずつ小分けにしてじっくり読んでいくことにしました。当面第Ⅰ部だけを対象に、1〜3章、4〜5章、6〜7章を、3回に分けて読んでいきます。

2018年3月29日(木)夜回り・開発の勢いが止まりません!

 開発の勢いが止まりません!
 前々から吉本の劇場ができるらしい、とのうわさは耳にしていましたが、先日から玉造筋沿いのエリアで工事が始まったようです。「クールジャパンパーク大阪」という劇場が建つそうです。吉本を含めテレビ局や電通など13社が参画するそうで、毎年50万人の来客を見込み、年間300日の興行、夜間の興行も検討中とのこと・・・。2019年2月にオープン予定だそう。工事現場を見に行くと、哀れ、木という木が全て伐採されています。おおよそ200本の木を切ったとか。

 公園全体を見ても市民の森の中から通りを挟んだ向こうまで見通しがやけによくなっているのに気が付きます。常緑樹が減っているのでしょうか。こんなに緑が減っては野鳥も遊びに来ないでしょう。

 15年近く大阪城公園で活動してきたよろずとして、公園の様変わりに絶句している状態です。PMO(パークマネジメント事業)が始まった時に予想してきたこととはいえ、あまりの勢いと容赦のなさに絶句です!

 「えらい変わったな・・・」今年の春久しぶりに大阪城に来たわ~という人たちも驚きを隠せなかったようです。1年に一回遊びに来る人にとっては、きれいになったなくらいの感想で終わるかもしれません。ですが、日常的に公園を利用してきた人たちにとっては複雑だと思います。

 ブルドーザーやショベルカーが土地をならしていく光景を目の当たりにして、なすすべもなく、立ち尽くすしかないのでしょうか?
だとしても、しかしながら、

 4月1日(日)11時からデモがあります。「公園を盗むな!お花見有料化粉砕デモ」と銘打っていますが、公園の商業化にNOの声をあげるほぼ初めての取り組みかも知れません。
ぜひ一緒に歩きましょう。難波宮から出発します。

2018年3月24日(日)寄り合い──「公園がにぎわって何が悪いの?」

 今回は、寄り合いの午前中から、41日の「お花見有料化粉砕デモ」で用いる旗作りをしました。

f:id:asitanorojo:20180331090636j:plain

 遠くから見てもわかるように、漢字を独特の形に崩します。崩し方に決まりがあるわけではないので、人によっていろんなバリエーションがあるそうです。

f:id:asitanorojo:20180331090545j:plain

お花見バーベキュー完全有料化がなぜ悪いのか

 「和ーべきゅう」と称して、ちょうど寄り合い前日の土曜日から完全有料バーベキューゾーンがはじまりました。

f:id:asitanorojo:20180331091030j:plain

 白いカラーコーンとカラーバーで仕切られており、「予約者以外立ち入り禁止」と書かれてた札が下がっています。バーベキューをする権利だけでなく、公園の空間そのものに値段をつけたことが明らかになりました。

f:id:asitanorojo:20180331091123j:plain

 「プレミアムゾーン」と名付けられたお花見一等地の端っこだけは、一般利用に残された形で、シートを敷いた人たちの姿がありました。バーベキュー客たちをテレビのカメラとレポーターが取材して、乾杯のポーズを撮っていました。

f:id:asitanorojo:20180331091249p:plain

 事前の告知がほとんどなく、寝耳に水という人も多いはずです。何人もの人がバーベキュー完全有料化の立て看板に見入っていました。

f:id:asitanorojo:20180331091345j:plain

f:id:asitanorojo:20180331091448j:plain

 「ごみの不法投棄」と「無秩序な場所取り」を有料化の理由としています。しかし、花見シーズに設置されるゴミ箱(バッカン)は今回も設置されています。ゴミ箱を設置して「不法投棄」を理由にするのもおかしな話です。

f:id:asitanorojo:20180331091538j:plain

 問題はむしろ、日常の家庭ゴミを置き去る行為の方で、この不法投棄と意図的に混同させているような感じもします。ゴミといえば、スタバやジョーテラス大阪から出るテイクアウトのゴミの散乱がすさまじいことになっているようです。

f:id:asitanorojo:20180331091617j:plain

 バーベキュー有料化について、「花見をすればゴミを放置していく者がいるから、維持管理のために有料化は仕方ない」という意見がまま見られます。もっともらしく思えますが、そうした維持管理と費用を負担することと引き換えに、指定管理者は大阪城公園で収益事業を行える契約です。バーベキュー有料化は契約違反であり、市民への二重課金のようなものです。

f:id:asitanorojo:20180331091742j:plain

 また、指定管理者が設置した商業施設が出すゴミが恒常的な問題になっている現状を見れば、ゴミの管理はますます指定管理者の仕事です。森之宮駅側の商業施設がオープンすれば、ゴミの問題はさらに深刻になるでしょう。

f:id:asitanorojo:20180331091804j:plain

 バーベキュー完全有料化の問題は、お花見のマナーなど、切り取られた場面を見ていてはわかりません。公園を取り巻くいろんな事実と照らし合わせながら理解する必要があります。

f:id:asitanorojo:20180331091853j:plain

森の樹木を大量に伐採

 よろずでは2週間に1回の夜回りを行なっており、大阪城公園とその周辺の変化に気づくことがあります。この前の週の夜回りで、玉造筋側のかなり広い範囲が白い鉄板で覆われていることに気づきました。

f:id:asitanorojo:20180331092131j:plain

 323日の大阪市の報道発表によって、吉本興業や民放5社などの13社による「クールジャパンパーク大阪」という劇場が作られることがわかりました。

f:id:asitanorojo:20180331092918j:plain

 吉本興業の「エンタメパーク構想」については1年前から報じられていました。これまでのジョーテラス大阪、森之宮駅側の噴水周辺の商業施設もそうですが、これらは何の予告もなく公園の一角が鉄板で覆われ、木を切り、土を掘り返したのちに、その詳細が公表されます。水面下で計画を温め、もう元に戻せないようなところまで手を入れてから市民に知らせるというだまし討ちのようなことがされています。

f:id:asitanorojo:20180331093033j:plain

 「クールジャパンパーク大阪」予定地の森の伐採にはすさまじいものがあります。よろずのツイッターで写真と動画を投稿したところ、これまでにない反響がありました。公園が破壊されたことへの驚きと怒りも多いのですが、居丈高な賛同も反論として少なくありません。

f:id:asitanorojo:20180331093920j:plain

 「来場者が増えて公園に活気が出て、一体何の不満があるのか」。「お前らおかしいんじゃないのか」と言わんばかりの反論がかえってきます。

 この人たちは根本的な勘違いをしています。もともと魅力的な公園に商業施設ができれば、商業施設の利用者にとって「魅力的」でしょう。しかし、この人たちは商業施設の「利用客」であり、商業施設が公園の魅力を一方的に吸い上げているだけです。

「公園がにぎわって何が悪いの?」

 来園者が多いことを「活気がある」「公園として成功している」根拠とする主張も定番です。公園が人で溢れかえっているのは都市に公園が足りていないことの裏返しでもあります。公園内に商業施設など作らなければより多くの人に楽しんでもらえるでしょう。

f:id:asitanorojo:20180331094457j:plain

 「公園はみんなのもの」とはよく聞く言葉です。その分ごまかしに使われやすい言葉でもあります。消費文化に楽しみを見出したい人を喜ばせるために公園を商業化する必要はありません。本来公園を必要としていない人たちが喜んでいても公園のにぎわいを測る指標として意味がありません。

f:id:asitanorojo:20180331094417j:plain

 この日の大阪城公園の市民の森は家族連れがシートを敷き、日よけドームを立ててひしめき合っていました。この人たちはPMO事業によって作られた施設を利用しに公園を訪れたわけではありません。暖かな日差しの下でのんびり過ごしたくて来ているのです。

f:id:asitanorojo:20180331094741j:plain

 劇場はそのための空間を奪いました。劇場は直接的な面積として「のんびり過ごすための空間」を潰しましたが、劇場がオープンすれば、劇場周辺の空間も侵食していくことはまちがいありません。

f:id:asitanorojo:20180331094842p:plain

劇場へ行きたければ劇場へ

 エンタテインメントの劇場やレストランに行きたければ、お金を払って劇場やレストランに行けばいいだけの話です。営利企業は自分できちんとお金を出して魅力的な商業施設を作ればいいでしょう。公共空間を安く手に入れて収益を上げたいのが本音の企業に、市民のための公園の管理などできません。

f:id:asitanorojo:20180331095048j:plain

 園路では一輪車や太鼓のサークルが練習する姿も見られますが、ロードトレインが道の真ん中を通り過ぎるので、かつてより隅に追いやられています。ランナーや普通の利用者も、歩くだけで注意を求められます。レジャーランドに作り変えられ、レジャーランドとしてきらびやかな部分を公園の魅力と錯覚してしまいがちですが、もともと持っていた公園の魅力はどんどん損なわれています。

f:id:asitanorojo:20180331095130j:plain

大阪城公園から失われた森

 大阪城パークマネジメント事業がはじまってから多くの森が失われています。弓道場の北側の駐車場も事業の中で新設されたものなので、大阪城公園の東側一面の森の大半が持っていかれたことになります。この間たったの3年です。

f:id:asitanorojo:20180331095237j:plain

 Googleストリートビューに公園内の画像がまだ残っています。前後で見比べると目を疑うような破壊行為が行われたことがわかります。

f:id:asitanorojo:20180331095408p:plain

 ツイッターであおむらさきさんが作成してくださった動画がよくまとまっていて、わかりやすいのでぜひご覧ください。

twitter.com

公園は誰が来てもいい

 今回はいつもの持ち寄りご飯でした。一人当たりの持ち寄り数が多く、盛り合わせてみると思いのほか豪華で、あっというまに食べ終わってしまいました。

f:id:asitanorojo:20180331101109j:plain

 公園は他に居場所のない人たちが身を休める場所にもなっているエピソードをいくつか聞きました。

f:id:asitanorojo:20180331101008j:plain

 最近ごぶさたしていた人たちも久しぶりに顔を見せてくれて、暖かな好天のもと良い寄り合いとなりました。

f:id:asitanorojo:20180331101423j:plain

2017年4月13日スポニチ「大阪にエンタメパーク構想 オモロイ大阪復権へ吉本中心に開設準備」

 吉本興業が中心となって大阪に新たなエンターテインメントパークを開設する準備を進めていることが12日、分かった。2017年度に大阪市内に1000人規模を含む大・中・小3つの劇場をオープンする。候補地には大阪城公園などが挙がっている。

 歌舞伎、歌劇、イリュージョン、クールジャパンの要素を盛り込んだノンバーバル(非言語)のショー「COOL JAPAN VARIETY BANG!」などを上演。関西をテーマにした小説や映画を舞台化する。大阪に年間900万人訪れる外国人観光客の集客が主な目的で、25年の大阪万博誘致やカジノ開業を見据え、鉄板の“お笑い”以外のエンタメの幅を広げていく。

 関係者によると、吉本をはじめ在阪テレビ局を含む民間12社などが出資して新会社を立ち上げて事業をスタートする。3つの劇場のほかにも、スーパーボウルのハーフタイムショーなども手がけるカナダのスタジオ「MOMENT FACTORY」が参加。日本初の光を使った「イルミネーションプロジェクト」も計画している。

 吉本では14年から世界のパフォーマーを集めた「THE舶来寄席」を開催。トニー賞を3度受賞したヒントン・バトル(60)のダンスアカデミーを4月に開講するなど、海外のエンタメの取り入れ強化を図ってきた。カジノを含む統合型リゾート事業がスタートすれば、必要となるのは夜の娯楽。外国人観光客からも「日本には夜に楽しめる大人のショーが少ない」との声が多くあり、ニーズに合ったコンテンツを充実させる。

 「2020年の東京五輪で盛り上がる東京とは違って、最近の大阪は元気がない。外国人観光客の方にも喜んでもらえるエンターテインメントにしたい。これを大阪万博につなげていければ」(関係者)。

 吉本所属のダウンタウンがアンバサダーを務める万博の誘致を政府が11日に閣議決定するなど国も大阪に力を入れる。1970年に開催して6400万人が来場した万博の夢の前に、まずはエンタメパークでオモロイ大阪復権に弾みをつける。
[ 2017年4月13日 05:30 ]

2017年4月13日スポニチ